EIGHTH

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。結牙 (会話 | 投稿記録) による 2015年12月22日 (火) 02:46個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

EIGHTH
漫画
作者 河内和泉
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊ガンガンJOKER
レーベル ガンガンコミックスJOKER
発表号 2009年8月号 -
発表期間 2009年7月22日 -
巻数 既刊15巻(2015年12月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

EIGHTH』(エイス)は、河内和泉による日本漫画作品。『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)で2009年8月号より連載中。

概要

河内和泉のスクウェア・エニックス3作目の連載作品。遺伝子工学生命科学医療を舞台に、遺伝子研究所の警備員の少年と特殊な能力を持つ少女を中心に展開されるSFアクションファンタジーコメディ。『機工魔術士-enchanter-』でも見られたお色気要素や、技術に対する倫理的なシリアスな展開も健在である。

初回では、巻頭カラーを含む104ページという大ボリュームで展開された。

バイオテクノロジーに関する様々な知識が登場し、ほとんどが事実に基づいており、実在の人物の功績にも触れている。セルシアの能力以外、特に非現実的な描写は登場しない。ただし、6巻にて「人間の細胞の数が60億個」と表記されている部分があるが、正しくは「60個」であるという誤記が発生しており、後に作者のブログと7巻で訂正がなされた。

単行本2巻と6巻の時点で、モバイルアンケートによるキャラクター人気投票が2度行われた。

あらすじ

米国に本社を置くバイオ産業大手・グラフィコ社の研究機関・エイス研究所の保安警備員であるナオヤ・グラフィコは叔父である所長よりローマへ飛ぶよう命じられる。ナオヤに課せられた使命は、レオン社の研究所に監禁されている「奇跡の少女」ことセルシアを救出し、シチリア島の両親の許へ送り届けること。

レオン社の研究所へ潜入し、セルシアを救出したナオヤはこのままいずれ別の追っ手が差し向けられるのではないかと考え、セルシアを連れてエイス研究所へ戻ることにする。

登場人物

メイン・キャラクター

ナオヤ・グラフィコ
主人公。保安警備員(セキュリティーガード)としてエイス研究所に所属している。
所長である真矢の甥で、所長やその補佐役である真理からはその手腕を高く評価されているが色仕掛けに弱く、体を張って活躍しても労多くして益少なしな結果に終わることが多い。
幼少期にエイスによって助けられた経験があり、そのためエイスを守るためにこの職業に付く。巨乳と尻が好き。
かなりのお人好しで、困ってる人を放っておけない人物。保安警備員になった理由は「みんなを守りたい」という想いからで、他人を気遣うあまりに自己犠牲に走ることも多々あり、その結果 苦悩することも多い。ルカと異なり特定の誰かを守りたいと割り切っているわけではなく、研究と友人のどちらかを優先することができない不器用な性格。
武器は、拳銃SIG SAUER P226を使用している。
キャラクター人気投票ランキング第1回・第2回ともに5位。
セルシア
イタリア・シチリア島出身の「奇跡の少女」。16歳。真理に劣らぬ巨乳。生まれつき生物の代謝を促進する能力を持っており、バイオ産業の様々な勢力からその能力を狙われている。
ローマのレオン研究所に監禁されていた所をナオヤに救出され、このままシチリアに還してもまた別の勢力に狙われるのではないかとのナオヤの判断によりエイス研究所で保護されることになった。
表向きの形としては「ナオヤが勝手に連れ込んだ女の子」ということになっており、ナオヤの部屋に居候している(そのため、ナオヤは廊下で寝ることになった)。
特殊能力を持っているだけで全くの素人であり、遺伝子工学に関する専門的な知識や技術はほとんど持ち合わせていない。性格は天然で大人しいが、幼い頃から自らの能力を巡った争いに巻き込まれながらも他人を憎むことなく健やかであり続ける強さを持っており、その点はヒカル、新庄博士、ルカから高く評されている。後にバチカン騒動を経て更に精神的に成長し、りおのためにも強くあり続けようとしている。カトリックキリスト教徒であり、礼拝堂などに興味を示したり、時々シスター服になることがある。実は窓ガラスが割れるレベルの超音痴
キャラクター人気投票ランキング第1回・3位、第2回・4位。
新庄ヒカル(しんじょう ヒカル)
セルシアと同じくらいの年齢の少女。新庄の娘で、現在は高校を休学中。セルシアと対照的に活発で気が強い。
自称「普通の女子高生」だが、父について回って様々なトラブルに巻き込まれてきた経験から身体能力が非常に高く、正規の訓練を受けた描写はないもののナオヤやルカと渡り合ったり、セルシアを狙うエイスへの侵入者と戦ったこともある。主にナイフを使用して戦う。
貧乳を気にしており、セルシア・真理を始めナオヤの近辺に巨乳の女性が多いことをやっかんでいる。その衝動なのか、最近「マリ乳成分」なるよくわからない成分に精神安定を求めてる模様。日本にいた頃は女子高生らしく友達としょっちゅうカラオケに通っていたようで、その歌唱力はナオヤをして「エイスのサラ・ブライトマン」と言わしめるほど。
父親の苦労を見てきたため、研究所を嫌っていたが、ナオヤと出会ったことで父が再び研究所に戻ることに賛成する。
キツい性格ながら本心はナオヤに気がある模様。セルシアと同様、ナオヤの部屋に居候している。後にセルシアの能力を知る者の一人となり、ナオヤと共にセルシアの護衛と世話係りを務めるようになる。
キャラクター人気投票ランキング第1回・1位、第2回・2位。

エイス研究所

真矢(しんや)
遺伝子工学を専門とするエイスの所長。4thラボの所長を兼任。専門は免疫遺伝学。
ナオヤの叔父に当たるつかみ所の無い人物で、ナオヤに使命を下す際も自分の真意については多くを語らない。巨乳好きでセクハラ的発言が多く、「エイスで最もエロい人物」に認定されている。
しかしエイスやセルシアを守ることに関しては非常に真剣であり、目的のためにはナオヤに危険な任務を強いることもある。
金髪で、常にサングラスをかけており素顔は不明。本人曰く、目つきが悪く昔ナオヤに泣かれたことがあったのでかけているとのこと。作中1度外したことがあったが、パーティーグッズでごまかしていた。
キャラクター人気投票ランキング第1回・4位、第2回・6位。
真理(まり)
所長とナオヤの補佐役。かなりの巨乳。何を考えているかわからない所長に振り回されがちだが、ナオヤに対しては大人の色気を振りまきながら接することで行動を掌握している。
お茶目で飄々としているが、仕事第一で自身の身を省みないこともある。そのルックスと性格からエイスの職員内でもかなり人気があり、ナオヤからは明確に好意を寄せられているが、常に軽くあしらっている(ナオヤの方も彼女に対する想いは恋愛感情なのか、単なる憧れなのかは描写が曖昧である)。
キャラクター人気投票ランキング第1回・2位(1位とは僅差)、第2回・1位。
ミラ
エイス警備隊長を務める女性。ナオヤに警備や闘いの方法を仕込んだ人物で、かなり厳格な性格。真矢に対しても下手に出ることがなく、敬語もあまり使わない。
アンジェラ
植物遺伝子研究部門部門長。眼鏡をかけた女性で植物をこよなく愛し、植物を「彼女ら」と呼びかけ、植物の声を聞くことにすべてをかけている。彼女もまた巨乳であるため、ヒカルからは敵視されている。
研究を始めるとやや暴走気味。植物の研究が人命に直接関わることが少ないため蔑ろにされがちなことに不満を感じており、研究を続けさせてもらえないと子供のように泣き出す。真矢としては企業の利益になる研究をしないことが不満点だったが、あっさりとインターフェロンを大量生産できる研究を成功させている。
ナオヤのことを「少年」と呼んでおり、とある経緯により彼を信頼するようになり、何かと頼みごとをする。その頼りぶりは今や「ナオヤを介さなければ気が済まない」とすら言えるレベルに達しており、書類を提出するのに真也が目の前にいるにもかかわらずわざわざナオヤを探して彼に提出させようとするほど。
彼女が「せんせい」と呼んでる女性はDNAが何か認知されていない時代にトランスポゾンを発見した人物である。後にバチカンの科学アカデミー(ローマ教皇庁立科学アカデミー)の会員であることが判明。
キャラクター人気投票ランキング第1回・6位、第2回・3位。
新庄(しんじょう)
ヒカルの父親。日本人で移植皮膚の特許技術を持つ研究者の男性。所長である真矢とは大学時の先輩後輩にあたる(彼は客員だった)。
皮膚移植の研究をしていたが、会社が倒産したことと、ヒカルの反対で彼女と共にアマゾンの奥地で研究をしていた。
ナオヤとヒカルの説得により、現在はエイス研究所で研究を行っている。妻がいたらしいが、逃げられたという。
アイザック
ワクチン開発部門の男性。無表情で冷静沈着だが、意外とかわいい絵を描く。「ウイルスが目に見える」というジョークを飛ばしたことがある。かわいいウイルスの夢を見ることがよくあるらしい。
天王寺 りお(てんのうじ りお)
8歳の少女。その年齢にして分子生物学の天才であり、大学准教授を務めている。ローマ法王とも対面したことがある大物。
新庄博士の紹介でIPS細胞の研究のためにエイスにやって来る。あまりに優秀であったため、周囲の同年代の普通の子供とは話が共有できず、孤立したことがあるため「研究者でない人の前で専門的な話をして場の空気を壊すこと」を恐れている。そのためナオヤやセルシアのことは当初は怖がっていたが、ヒカルの助けもあり友人となり、ヒカルとセルシアからは非常に可愛がられている。
後にALL(急性リンパ性白血病)にかかり、更にTPMT(チオプリンS-メチルトランスフェラーゼ)欠損が確認され、現在は入院中。

グラフィコ社

龍一(りゅういち)
経営部。真矢の弟。兄と容姿・性格ともにまったく異なり、礼儀正しく、しっかり者の男性。
真理に好意を抱いているらしく、グラフィコ社に引き抜こうとしたことがあった。
ナオミ=セガール
ライセンス部。製品のライセンスの交渉事を担当している女性。仕事に厳しくマイペース。わかりにくいがジョークも言う。
ナオヤと共に新庄博士の説得に赴き、結果として彼をエイスに連れて帰った。
最初はナオヤを子供扱いしていたが、同行した後、別れ際に「また機会があれば一緒に行きましょう」と述べるなど、多少見直した様子。

バチカン関連

ルカ・ブルクハルト
レオン研究所でセルシアを監視していたガードの青年。身体能力はナオヤと互角に闘えるほど強く、且つ容赦がなく必要とあらば殺人も厭わない。レオン研にてナオヤにKOされるが、後にインフルエンザ編にて再登場し、トリニティが開発していた改変型ウィルスを盗んだ犯人と判明すると同時に、その素性も真矢と真理により明かされる。
その正体はスイス人の元・スイス軍人で現在はバチカンローマ法王近衛兵を務めるスイス傭兵。セルシアを保護しバチカンまで連行する任務を受けている。しかし、任務以上に彼自身の感情でセルシアを非常に気にかけており、過保護とも言える扱いをしている(基本的にセルシア以外には無頓着)。また、バチカン近衛兵だけあり、考え方が非常に古風な堅物で、女性は純潔が当然のものと主張しており、性的なものを過敏にセルシアから遠ざける。当初は無口・無表情なキャラクターだったが、セルシアのこととなると感情的で饒舌になり、天然ボケな発言も多くなりつつある。
ベレッタM92(イタリア製拳銃)を使用している。カトリック教徒で、19 - 30歳。
キャラクター人気投票ランキング第2回・7位(同率)。
ヴェナンツォ
枢機卿の一人。ルカの直接の上司。眼鏡をかけた温厚な性格で、科学にも理解がありセルシアの能力も認めつつ、保護と隠匿が必要と考えている人格者。実はセルシアの故郷シチリア司教区担当の大司教でもあり、度々攫われるセルシアの保護を彼女の両親から直に頼まれていた。
ジェンガ
枢機卿の一人。あまりに厳格な信者であるが故に極端な男尊女卑な性格。セルシアの能力も全く信じておらず、ただのトリックか何かと決め付けており、周囲が「神の奇跡」などと呼ぶことにも嫌悪を抱いている。ヴェナンツォ枢機卿には「あなたは女性が気に入らないだけではないか!」と評されていて、エルダやルカからもほとんど信頼されていない。
後にその行き過ぎた女性蔑視による暴走が、セルシアを更に追いつめていくことになり……。
エルダ
シスターの代表格の老婆。セルシアの世話係を務める。ルカ以上に女性の純潔に対して厳格な堅物であり、女性が肌を出すこと等に完全に否定的。

アストライア社

サンフランシスコに位置する、エイスと同様のバイオ研究所。エイスを潰そうと目論んでおり、セルシアとりおを狙っている。

その他

トリニティ
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)職員の女性。知能は高く常に一生懸命なのだが、仕事に関しては非常に間が抜けているいわゆるドジっ娘で、ミスをしてばかりで泣き虫。そのため真矢には「疫病神」と評され苦手がられている。しかし、本人は意図していないが結果的に常人離れした行動で機転を利かせ状況を好転させることがあり、ナオヤには「天然の出来る人ではないか?」と言われている。
新型インフルエンザのワクチンを先取りして作るために尽力していたが、その過程でヒトにも感染する可能性のある改変型ウィルスを紛失してしまい、エイスに助力を懇願する。
キャラクター人気投票ランキング第2回・7位(同率)。

書誌情報

出典

外部リンク