アラクニド

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アラクニド -ARACHNID-
ジャンル アクション
漫画
原作・原案など 村田真哉
作画 いふじシンセン
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊ガンガンJOKER
レーベル ガンガンコミックスJOKER
発表号 2009年12月号 - 連載中
発表期間 2009年11月21日 -
巻数 既刊10巻(2014年3月現在)
漫画:キャタピラー
原作・原案など 村田真哉
作画 匣咲いすか速水時貞
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 ヤングガンガン
レーベル ヤングガンガンコミックス
発表号 2012年6号 -
発表期間 2012年3月2日 -
巻数 既刊3巻(2014年3月現在)
その他 2013年10号から2014年2号まで連載中断
テンプレート - ノート
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ポータル 漫画

アラクニド -ARACHNID-』は、原作:村田真哉、作画:いふじシンセンによる日本漫画作品。『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス2009年12月号より連載中。

ヤングガンガン』(同社)2012年6号より匣咲いすか作画によるスピンオフ作品『キャタピラー』が連載開始。2013年4月に匣咲が死去し[1]、それに伴い連載中止となっていた[2]が、速水時貞を作画担当として2014年3号より再開された[3]

ストーリー[編集]

アラクニド -ARACHNID-[編集]

母に先立たれた高校生・藤井有栖は、彼女を引き取った叔父・義雄の家庭内暴力と、学校でのいじめにより精神的に悩まされていた。しかしある日、殺し屋蜘蛛が来訪し叔父を殺害したことにより、彼女の日常が急変する。蜘蛛は有栖が自分と同じ先天性集中力過剰 (CEC) の持ち主である事を見抜き、肉親を殺されて居場所を失った彼女を、自分たち殺し屋の「裏社会」へと招き入れる。有栖はほどなくして恩人である蜘蛛を倒すという試練を乗り越えたが、その蜘蛛の遺言に従い己の名前を捨てることを拒み「組織」への加入を拒否。これにより次々と差し向けられる「組織」の刺客から、自分の日常を守るために戦うことになる。

キャタピラー[編集]

登場人物[編集]

主要人物[編集]

藤井 有栖(ふじい ありす) / アリス
主人公。高校1年生。1年前に鬱病を患っていた母が自殺し、叔父の義雄に引き取られて2人で暮らしていた。生まれつき、1つの物事に没頭すると他のことに全く注意を向けられなくなる先天性集中力過剰 (CEC) を抱えていることが原因で周囲に気味悪がられ、いじめに遭い不登校に陥っていた。ところが、叔父が殺し屋・蜘蛛に殺害された際に無我夢中で蜘蛛に抵抗し、殺し屋としての才能を見出されたことから蜘蛛に保護され、殺し屋としての道を歩むことになる。
しかし本質的には人を殺すことを拒絶しており、自身を虐げてきた田嶋頼子を亡き者にしようとした際には、精神的な負担で嘔吐してしまったほど。蜘蛛との戦いを経て名前を守るために生き、生きるために殺す覚悟を身に着けた後も、蜘蛛糸で拘束して溺死したと思っていた水黽が生きていたのを確認して、本人に「生きてて嬉しかった」と伝えるなど、殺すことへの抵抗はぬぐえない様である。
蜘蛛糸(スレッド)
太さ5 μm(マイクロメートル)の蜘蛛の糸19万本分を特殊なパターンで編み込んで作られた。微細な振動を感知するセンサーでありながら、1500度の熱と600キログラムの重量に耐える強靭さを併せ持つ。蜘蛛がアリスに与えたものは、柄のスイッチを押すことで端に糸が結ばれた刃が射出されるナイフ状だが、蜘蛛は刃のない蜘蛛糸で、必殺仕事人三味線屋の勇次の様に主に絞殺に使っているようである。
この武器は間合いが広い殺傷武器になるだけでなく、彼女のCECと併用して壁の向こうの状況を振動で把握する、天井に刺したり配管に巻きつけたりして跳躍の足掛かりにする、糸を張り巡らして罠にする、毒で麻痺した自分の体を動かすなどの応用を会得している。
しかし使用中には相当の集中力を要し、たとえCECでも一瞬の集中力の途切れで刃が暴走する危険がある。また、水中での生活に適応した蜘蛛がいないように、糸は空気中での使用を前提としているため、水中では無力化してしまうという弱点がある。
気囊蜘蛛糸(スレッドエアキャプチャー)
蜘蛛糸の水中では機能しないという弱点を補うための、超高密度で編み込まれた糸による簡易酸素ボトル。編み込まれた蜘蛛糸の結束を緩めることで球状の小さな空気袋を作り、ストロー状に変形させた糸を使ってその中の空気で呼吸することで、敵に気取られることなく水中での延命を可能とする。
蜘蛛(クモ)
サングラスを着用した殺し屋の男。「組織」の命令で、多額の借金を抱えていた義雄を殺害し、目撃者のアリスを消そうとした際、殺されまいと無我夢中で自分に立ち向かって来たアリスが自分と同じCECを抱えていることに気付く。そして、自身が所属する「組織」のある人物を打倒する目的のためにアリスを殺し屋として育成することを決意し、ボスの命令に背きそのまま保護。アリスに蜘蛛糸の使い方を伝授し、殺し屋としての才能を開花させる。
アリスを保護して約2週間後に雀蜂を暗殺するとしてビルの屋上に呼び出すが、「自分より腕の立つ殺し屋になられては困る」と言い放ちアリスに殺意をもって対峙する。しかし、アリスの張った罠によって致命傷を負い、死ぬ間際に「殺してもらいたい人物とは自分自身であった」ことをアリスに明かして止めを刺すよう要求し、「何者にも名前を奪われず、自力で全てを絡め捕る蜘蛛として生きろ」という言葉を遺してアリスに撃たれる。アリスと出会う以前から、自分の生き方に対して死にたがっていた。
田嶋 頼子(たじま よりこ)
アリスを苛めていたクラスメイトのリーダー格。しかし豹変した彼女を不審に思い、周囲を探っているうちにアリスと蠍との戦いに巻き込まれたことから、ボディガードとしてアリスを自身の家(高級マンション)に同居させる。そのため周囲からは2人の関係の急変を奇異な目で見られているが、本人は気にしていない。また、1人で高級マンションに住んでいることに加えて、10万円を切る衣服を購入した際に「安い」と驚き、それらの代金を親のクレジットカードで当然の様に支払うなど、相当裕福な家庭で育った様子。
しかし、実は生まれてすぐに母親を亡くしており、その数年後に父親も遠くへ行って以来同居しておらず、義母とも折り合いが悪く顔を見たくないという理由で一人暮らしをしている。このように自身も「親がいない」という不幸を経験しているが故に、アリスの生い立ちや環境を最悪と評価しつつも同情や憐れみはせずに「普通の人間」として扱おうとしていた。そのため、親がいないことにより発生する不便・寂しさ・辛さなどの「当たり前のこと」を特別なことのように語り、卑屈な態度をとり続けていたアリスを毛嫌いしていた。ただし、自分の名前を守るために生きることを決めてからのアリスは「悪くない」らしい。
沖 めぐみ(おき めぐみ) / 蜚蠊(ゴキブリ)
有栖との対決を経て、有栖の下僕(本人談)として仲間となった「組織」に所属する殺し屋。詳細は組織の項で後述。

組織[編集]

雀蜂(スズメバチ)
蜘蛛と同じ「組織」に所属するタトゥーの入ったスキンヘッドの大男。「組織」の連絡係を務めており、トップである「ボス」と呼ばれる人物と第三者の間を取り持つことが出来る唯一の人物。そのため組織内ではボスを凌ぐ最重要人物と評され、構成員である蜘蛛も「奴が死ねば事実上組織は崩壊する」と発言している。また、戦闘態勢のアリスが初めて彼と対峙した際に「闘っても全く勝てる気がしない」と判断したり、詳細は不明ながらアリスの蜘蛛糸の制御を何の前触れもなく狂わせたりしたなど、彼自身の戦闘能力も相当高いようである。
銀蜻蜒(ギンヤンマ)
ゴーグルを着用した長身の男。おそらくスナイパー。遠方で蜘蛛の死亡を確認したのちに、彼を殺したアリスに的を絞るが、雀蜂の指示で中断して撤退した。
蟷螂(カマキリ)
アリスが最初に遭遇した殺し屋。ジッパーの付いたスーツを着た20代のサラリーマン風の男性。「獲物に気付かれぬ様ゆっくり接近して狩るカマキリ」のように、普段は腰が低い演技をし、両腕に隠した蟷螂の前足に似た歪曲した巨大な刃「鎌(サイス)」で切り裂く殺害方法を得意としている。組織への加入を拒否したアリスを殺そうとするが、返り討ちに遭う。
屍出蟲(シデムシ)
ニット帽を被った初老の男。蟷螂の死亡直後に登場し、彼の遺体を回収した。アリスには殺意も向けなかったが、「組織に入らないなら(その所有物である)蜘蛛の家から出て行け」と警告のみ残して去っていった。
(サソリ)
アリスが2番目に遭遇した、蠍の毒物を熟知した殺し屋で20代の女性。しかし蠍とあるが殺害手段は致死毒による毒殺ではなく、麻痺毒で無抵抗となった標的をメスや工具のような道具で惨殺する手段を好む。これは彼女自身の「自由を奪われ体を切り刻まれた相手が、麻痺が解けると同時に上げる最期の断末魔を録音する」という猟奇的な嗜好に起因している。
学校の保健医に扮し、この手順でアリスを殺そうとするが、事態を知らない頼子が乱入したことで彼女を守ろうとアリスが復活し、分が悪いと判断して撤退した。
また、アリスと竈午の前に現れた時には部室棟の壁の一部を正体不明の攻撃で粉砕したり、百足に全く気付かれることなく彼の首筋に麻痺毒を注入したりと、彼女自身の実力は底の見えない部分が多い。
神経蠍毒(ネウロトキシン・スコルピオ)
イエローファットテイルを始めとする、北アフリカ原産の強毒サソリ数種の毒を調合して作った黄色い混合毒液。神経細胞の活動電位の発生を持続させて、呼吸不全と筋肉の収縮を促して人体を急速に麻痺させる。死には至らず意識をハッキリと残したまま体は動かず声も出せない、調合した蠍曰く「絶妙のブレンド」とのこと。
また、蠍はこれ以外にも、投与した相手を即死させる赤い毒液「致死蠍毒(フェイタルトキシン・スコルピオ)」に、投与した相手を気絶させる青い毒液「昏倒蠍毒(スウィントキシン・スコルピオ)」と、神経蠍毒と合わせて3種類の「お友達」を所持しているが、前述の「人間を生きたまま苦痛を伴う形で解体する」という嗜好を満たすため、神経蠍毒を頻繁に使用しているようである。
櫛状枝(ベクチン)
半径3メートル以内の音の振動を全身で感じ取る特殊能力。範囲内であれば物陰に潜んだり死角から近付いたりしても心拍を聴き取り、敵の奇襲を事前に察知することが可能。
蜚蠊(ゴキブリ)
アリスが3番目に遭遇した殺し屋。一般人としての名前は沖 めぐみ。アリスと同じ高校の女生徒で、蜚蠊の触角に似たアホ毛を生やした目立たない女の子。「- ですわ」「- ですの」と上品な語尾で喋るが、実際にはえげつないことを考えるサディスト。持ち前の素早さと後述する「風読み(エアディテクション)」を用いたスピード・回避重視の戦法を得意とする。
頼子を拉致したと記したメモで誘いだし、彼女を人質にアリスを自分の奴隷にしようと画策する。しかし実はブラフ(偶々頼子が席を立っていただけで危害すら加えていない)であることが露見し、不安材料の無くなったアリスのCECと身体能力に自分の回避能力が追いつかず敗北。アリスは釘をさす程度の警告で逃がしたが、その強さや心意気に惹かれ、逆に自身がアリスの下僕となることを誓う。
風読み(エアディテクション)
僅かな風の変化から相手の動きや罠を見抜く危険察知能力。その精度は高く、迂回して死角から飛んで来る蜘蛛糸の刃を視認せずに回避し、床に張り巡らされた蜘蛛糸のトラップを感知するといった芸当を可能にする。また、師匠である兜蟲の「生徒を気絶させることから始める」と言われる程に激しいシゴキにより、無意識下でも相手の攻撃を回避して反撃に転じるという離れ業も会得している。
膏流し(オイルピレーション)
体表から大量に油脂を分泌することで拘束から逃れる蜚蠊第2の能力。作中では、就寝前にアリスが蜚蠊の小指に結んだ蜘蛛糸を振動を鈍化させつつ外して、アリスに気付かれることなく布団を抜け出すことに成功した。また、兜蟲の下で受けた訓練により、窮地に陥った瞬間に自動で発動し、地面に油脂の目印を残していくことが出来るようになっている。
竈午(カマドウマ)
アリスが通う高校の周辺一帯を仕切る、いわゆる番長スタイルの男子生徒。学内での名前は藤岡 響(ふじおか ひびき)。対峙した標的に対して、昭和時代に放映された「可変ライダー」という特撮ヒーローに自らを見立てたセリフを告げる。鍛え上げた肉体をしており、中でも強靭な脚力が最大の長所。強大な破壊力を持つキック「直翅目蹴撃(ライダーキック)」を武器とし、跳躍力も強い。学内では一般の不良男子を何人も部下として従えている。
かつて、仕事を覚えさせられるために蜘蛛と共に行動したことがあり、その際に目の当たりにした蜘蛛の仕事ぶりから彼を崇拝し、やがては恋愛感情をも抱くようになる(その恋愛感情を人前では否定している)。そのため、蜘蛛を殺害したアリスを憎悪し復讐を誓っている。
水黽(アメンボ)
アリスが通う高校の潜伏要員。学内では高沢 忍(たかざわ しのぶ)という名前で体育教師を務める。フィクション作品の忍者が使うような水蜘蛛を足に履いて水上を歩き、「水錘釵(バラストサイ)」と名付けた二股の槍で標的を水底に固定し溺死させる「水黽流・溺殺(キルドラウン)」を得意とする。本人曰く、「斬殺や銃殺よりも確実かつ優雅、古代より受け継がれし伝統的完全殺傷術」とのこと。
斑猫(ハンミョウ)
カラフルなモヒカン頭と間隔が離れた両目が特徴的な殺し屋。素肌にナミハンミョウと同じ柄のジャケットを羽織り、語尾に「ミョ〜」とつけてしゃべる。「大腮鋏(シザージョーズ)」と名付けた巨大な鋏を武器とし、標的の動きを止めたり分離して2丁の巨大なナイフとして使用したりする。潜伏して標的を観察してからの襲撃が基本的な戦術。瞬発力も高いが、それは戦闘のためでなく主に逃走のために発揮される。うつ伏せの状態から竈午の踵落としを察知し攻撃の瞬間に全力で逃走したが、出会い頭の蟋蟖の一撃で首を切断され死亡する。
蟋蟖(リオック)
浅黒い肌に、屈強な体をした大男。自分のコードネームである巨大肉食昆虫のリオックこそが特撮ヒーロー・可変ライダーのモデルであると称する。その闘い方は名前の元になったリオックを彷彿させるもので、巨大な体躯と圧倒的な膂力をもって相手をねじ伏せるというただの暴力であり、戦術と呼べるものではない。しかし裏拳の衝撃だけで斑猫の首を切断し、竈午を軽くあしらう等戦闘力そのものはかなり高く、アリスが初めて遭遇した際は、これまで会った殺し屋の中でも最強の部類と評される程。
軍隊蟻(グンタイアリ)
右目を派手な柄の眼帯で隠した、アリスが通う翔蘭高校の生徒会長。表向きは黒川 沙羅(くろかわ さら)と名乗る。4月に編入してきて5月に役員選挙に立候補、ダントツの人気で会長に就任したアイドル転校生でもある。「組織」のボスを名乗っており、実際に雀蜂とは連絡を取り合い彼に指示を出すことがあるものの、同じ組織に属してるはずの蜚蠊や蠍からは、彼女を組織の人間だと認識されていないなど、特別な存在。
相当なイベント好きと呼ばれており、生徒会長に就任した途端、学園祭の日程や部活の予算を増やし、生徒の制服改造や茶髪やメイクなども自由化するなどかなり型破りな活動を実施した。組織のボスとしてもそのイベント好きな一面は変わらず、アリスに億単位の懸賞金をかけた「蜘蛛狩り」を開催した。ちなみに、竈午の話では「組織が死んだ蟲のために金を使ったことは今まで1度もなかった」らしい。
兜蟲(カブトムシ)
組織主催の蜘蛛狩りに参加する形で高校に潜伏した、ウェーブがかったショートヘアの女性。ただし、ゲームに参加した理由はアリスを殺すためではなく、蜘蛛からの依頼でアリスを護衛するためである。
蜚蠊に技を仕込んだ人物であり、「ゴキちゃん」の愛称で呼んでいる。女子生徒として学校に潜伏しているが、蜚蠊曰く「無理な若作りで違和感アリアリ」とのことから、実年齢は20代以上あるとみられる。小柄な身体に似合わない尋常ではない怪力を発揮し、後述する「兜角(カブトホーン)」や「兜棘(カブトスパイク)」での力任せな攻撃を得意とする、典型的なパワータイプ。その破壊力はコンクリートの壁すら軽々と破壊してしまう。その力は、武器を持っていなくても厚いドアを蹴り壊し、さらには教室ごと崩壊させたこともある。自ら「最強」と称する圧倒的な強さを誇り、化学兵器で無力化しようとした穴蜂・似我蜂のコンビを一蹴し、自身の得意なカウンター狙いで仕留めようとする蟲専門の殺し屋である蝱に対しても、自らの手で有利な状況を作り出して一撃で撃破して見せた。
蜚蠊と合流した当初は「金にならない人助けなんてするはずがない」と、その目的の真意を疑われていたが、アリスの手によって死を迎える前の蜘蛛に呼び出され、今までの殺し屋の仕事で稼いできた報酬を全て兜蟲に譲渡するという条件で、アリスの護衛を依頼されていたことが判明する。ただし、単なる金目的だけで護衛を引き受けた訳ではなく、自身の強さへの信頼を示した蜘蛛との「約束」を守ろうと戦いに身を投じるという義理堅い一面も見せる。
兜角(カブトホーン)
十文字をベースとしたような形状の長柄武器。柄の部分は折り畳み可能で、普段は背中と服の間に隠し持っている。展開した時は刃の部分が横に開き、カブトムシの角の先端に酷似した形状へと変化する。この武器を高速で振り回して自身の周囲全てを「攻撃」で満たす「兜薙(カブトスライド)」が兜蟲最大の必殺技。本人曰く「間合いに入った奴は敵も味方も全殺し」。
兜鎧(カブトメイル)
肋骨で防ぎ切れない攻撃に対応した、心臓を直接覆う鋼鉄製の防具。蝱の暗黒剣で正確に心臓を突かれても、一度気絶しかけた程度で済ます程の防御力を持つ。
兜棘(カブトスパイク)
兜蟲が自身の右腕に仕込んだ3本の鈍く短い鋼鉄の棘。兜角が使えない時の予備の装備として使用し、日本刀による攻撃程度ならば無傷で弾き返す。また、己の怪力を乗せて渾身の一撃を叩き込めば、教室の床を崩落させるほどの威力も発揮する。
穴蜂(アナバチ)
小学生ほどの幼い外見の少年。似我蜂とチームを組んで行動しており実戦を担当。神経ガス「穴蜂神経毒(ベノムナーブ)」や「蜂毒出電波発生装置(ベノムウェーブジェネレータ)」を用いて、他者を肉体的・精神的に支配する手口を好む。蜚蠊を洗脳し頼子を科学教室に拉致するが、後を追ってきた兜蟲と交戦し床に叩きつけられ敗北。
似我蜂(ジガバチ)
白衣を着た初老の男。穴蜂とチームを組んで行動しており開発を担当。「ズバリ」が口癖。「蜂毒出電波発生装置(ベノムウェーブジェネレータ)」をはじめとする様々な装置や神経ガスを開発した。拉致した頼子に電流を用いた人体実験を行おうと企んだが、乱入してきた兜蟲によって阻止される。「似我蜂神経毒(マッドナーブ)」で兜蟲の感覚を奪ったものの、間合いに入ったものすべてを破壊する彼女のデタラメな戦い方の前には通用せず、機材と一緒に教室の壁まで弾き飛ばされそのまま破壊された壁と共に転落した。
螽蟖(キリギリス)
男子生徒に扮した美青年。バイオリンで音楽を奏でながら「自由を愛し謳歌する者」を自称し、気配を完全に消した隠密行動を得意とする。既に死んでいるはずのアリスの父親を名乗る人物からの「蜘蛛狩りからアリスを逃がして欲しい」という依頼を受けて、独自の行動を取る。
百足(ムカデ)
蜘蛛狩りに参加した蟲の1人。女子トイレの天井裏に身を隠し、アリスが訪れるのをひたすら待ち続ける戦法をとっていた。女子生徒がトイレに入る度に天井から逆さ吊り状態で身を乗り出し、麻酔薬に浸した手袋で顔を覆い捕獲していたが、蜘蛛狩りの隠されたルールに気づいた蠍によって神経蠍毒を投与され、完全に身動きが取れなくなった所を『解体』される。

「芋蟲」とその関係者[編集]

芋蟲(イモムシ)
スレンダーながら筋肉質の体をした長身の女性。スピンオフ作品『キャタピラー』の主人公。自分の力に自信を持つ蟋蟖からも一目置かれ、「姐さん」と呼ばれている。常に腹部や肩を露出した、開けた服装をしている。
「狙った獲物以外を仕留めるのは秩序(ルール)違反」を信条としており、殺害の必要がなければ、暗殺の現場を見られても殺しは行わない。
蜘蛛(ひいてはアリス)が罠と策を張り巡らして戦うのに対し、彼女はその場での柔軟な発想と、凄まじい馬鹿力で戦う。
蛍蛾(ホタルガ)
芋蟲のパートナー。主に情報収集を得意とする。
仲間であろうと利用できるものは利用するドライな性格。謎の人物「鳳蝶」からの芋蟲暗殺依頼にも躊躇せず了承し、芋蟲を殺害しようとするが、逆に右目を撃ち抜かれて返り討ちに遭う。
華蟷螂(ハナカマキリ)
蛍蛾の後任にあたる芋蟲のパートナー。主に芋蟲の護衛と情報収集を行う。
一人称は「私」でゴスロリ調のフリフリドレスを着ており、顔も少女のようだが、正確な性別は男である。蜘蛛や水黽はこれを性染色体異常、ひいてはクラインフェルター症候群によるものではないかと推測している。
気難しい性格で、特に性別関連のことに触れると機嫌が悪くなる。チャップチョップス「プリンアラモード&レッドベリー味」(芋蟲曰く「華蟷螂の機嫌を直す魔法のアメ」)を好物としており、これをあげると機嫌が良くなる。これを知って以来、芋蟲はこのアメを大量に常備している。

その他[編集]

藤井 義雄(ふじい よしお)
アリスの叔父。母親を亡くしたアリスを養育費目当てで引き取るが、保護者としての責務は果たしておらず、不登校に陥っているアリスに日頃から暴力を振るっていた。しかし、闇金融から多額の借金をしていたことが原因で「組織」が放った殺し屋・蜘蛛に殺害される。
倉本 藍(くらもと あい)
生徒会の執行部。眼鏡をかけた、グラマーな女生徒。

用語[編集]

「組織」
家族単位で人を殺し、その戸籍・国籍を売り捌くことを生業とする集団。「組織」に抹殺された者は戸籍上は生きていることになるが、殺された本人の存在を臭わせる物はすべて抹消されるため、殺された人間の死は公にされることはない。
「組織」に所属する者は全員節足動物(虫)の名を冠するコードネームを持っており、その生物の性質に合わせた人知を超える能力や技術を有するが、戸籍を差し出し名前を捨てることが「組織」に加入する方法であるため、「組織」の一員は名前や戸籍を持っていない。また、一般人を装う際には通常の人名を名乗っているが、あくまで「組織」からの借り物で本名ではない。
なお作中では「組織」と呼称されているのみであり、その全貌は明らかにされていない。「組織」の正式名称に至ってはあるのかどうか疑わしく、その一員である屍出蟲によると「その存在を証明できないから、名前の無いただの「組織」と呼ばれている」とのこと。
蜘蛛狩り
「組織」のボスである軍隊蟻が主催する、アリスの抹殺を目的とするデスゲーム。詳細なルールは以下の通り。
①藤井アリスを殺害した者に、「アリスが殺害した蟲の人数×一億」の懸賞金を与える。
②殺害する場所は、アリスの通う私立翔蘭高校の敷地内でなくてはならない。
③ゲームの開始日時は5月29日午後3時。ただし、アリスが高校の敷地から出た場合はその時点でゲーム終了。
ただし、「ゲームの開催中にアリスとは無関係に死亡した蟲の人数もカウントされる」という裏ルールも存在する。この裏ルールに関して、蠍は「アリスは単なる餌で、増え過ぎた蟲を弱い奴から整理したいだけ」との推測を立てている。また、いくら蜘蛛の技を継承しているとはいえ、たった1人の少女を殺すのに賞金や日時を指定するなど、制裁や報復の類ではなくまるでゲームであるこの「イベント」に対して不審を抱く蟲もいるようである。

単行本[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 村田真哉(原作)・匣咲いすか(作画) 『キャタピラー』3巻、スクウェア・エニックス〈ヤングガンガンコミックス〉、2013年、201頁、ISBN 978-4-7575-4015-6
  2. ^ コミックナタリー - ヤンガン連載「キャタピラー」匣咲いすかが急逝、27歳”. コミックナタリー (2013年4月22日). 2014年1月18日閲覧。
  3. ^ コミックナタリー - 村田真哉「アラクニド」番外編「キャタピラー」の連載復活”. コミックナタリー (2014年1月17日). 2014年1月18日閲覧。

外部リンク[編集]