COMICパピポ

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COMICパピポ』(コミックパピポ)は、かつてフランス書院が発行していた日本月刊成人向け漫画雑誌

毎月29日発売、B5判・中綴じだった。

概要[編集]

1991年6月29日に創刊。創刊当初はいわゆるアニメ絵柄調の作品が主体を占める、おたく世代をターゲットとしたオールジャンル系の成人向け漫画雑誌だった。編集業務は休刊まで一貫してコミックハウスに外部委託されていた。

雑誌名の由来は、「雑誌名に、パ行の文字のついている雑誌が売れている」というフランス書院編集部内の俗説を、そのまま具現化したものである。名前は似ている、または発音が全く同じ商品番組などが多数存在するが、何の関係もない。

興亡盛衰が激しい同ジャンルの雑誌群の中でも比較的先発に属する一誌であり、並行して刊行開始した『フランス書院Xコミックス』レーベルの旗艦誌として、投稿・持込の2つの新人賞を並行して開催し、大賞こそ中々出さなかったものの1990年代半ばまではさまざまなタイプの新人作家を入選させ、積極的に発掘して誌面に登場させていた。本誌で商業誌にデビューした漫画家としては平野耕太佐野タカシ後藤羽矢子などがいる。また成人コミックの分野で既に一定の実績を持つ漫画家も積極的に起用し、本誌生え抜きの漫画家と本誌創刊以前から活動している漫画家を混在させ人気を競わせるスタイルとなっていた。

創刊当初から2000年4月号までの約9年間は成人指定を受けていなかった。1990年代は原則として、性描写シーンが総ページの30%以内という自主規制があったと言われており、性的描写を成人向け雑誌の指定を受けない程度の量に抑えていたため、現在の「ソフトエッチコミック」に相当する雑誌だった。このため、性的描写に質量両面で制限が付きまとったものの、逆を言えば性的描写について所定の量と作画の水準を満たしておけば後は漫画家が作家性をある程度自由に発揮できる余地があった。このこともあり、掲載作品はラブコメなどの「ソフトエッチ」的な路線の作品を主体としつつも、ハードな陵辱ものや、SFファンタジーに至るまで多種多様な傾向の作品が掲載され、誌面は統一感にはやや欠ける反面で一種独特の幅の広さを持っていた。なお、一時は増刊として隔月発行の『パピポ外伝』(後に『COMIC Zip』が増刊枠・隔月刊として創刊、後に月刊化・独立創刊)という増刊も刊行し実質的な2誌 - 最大3誌体制をとっていた。

また、コミックハウス編集の一部他誌と同様、毎回、掲載作品の欄外下部などに、アンケート葉書の自由欄に書かれた作者へのお便りに作者が返答する小コーナーが設置され、誌面上での読者と漫画家のコミュニケーションが図られていた。

しかし、出版不況などの影響により、1990年代末頃から休廃刊や雑誌の路線変更などで同種他誌を離れたコミックハウス絡みの漫画家が本誌に頻繁に登場するようになってゆく。例えば、龍炎狼牙などが該当する。また、2000年5月号より成人指定を受け表紙に「成人向け雑誌」マークを付けたことがきっかけとなって性的描写の質量的な制限が大幅に緩和され、性的描写の比重が増えると同時に内容に過激さを増す一方で、従来自誌が主力として起用したり新人賞で発掘してきた「ソフトエッチ」的な路線の漫画家たちが読者アンケートで人気を得られず淘汰されたり大幅な路線変更を強いられる結果となった。一例としてはあうら聖児が挙げられ、一時期はパピポ向けにはソフトなラブコメ作品を掲載し、辰巳出版の『ペンギンクラブ山賊版』向けにはハードな陵辱ものを掲載するという「使い分け」をしていたが、パピポでも成人指定後はハードな内容の作品が中心となった。そのため、自誌が発掘しデビューさせた生え抜きの漫画家を伸ばすことができず「Xコミックス」でわずか1-2冊程度出しただけで雑誌から離れてゆく者も度々見られる様になる。2新人賞共に佳作以上の雑誌掲載に直結する入賞作品がほぼ皆無という状態が続き、そのため、商業誌デビューには繋がらない新人賞と見なされて忌避され投稿作品の質的・数的な低下を招き、さらに入賞作品が出なくなるという悪循環に陥った結果、新人発掘機能を失って、やがて誌面も活力を失いはじめる。2000年代前半には、新人賞について、パピポ誌上の結果発表の選評欄で編集者が作品内容の質よりも応募数自体の不足から応募作品の質が向上しない状況を嘆くコメントを度々繰り返していた。

増刊『COMIC Zip』は2003年2月8日発売の2003年3月号をもって『パピポ』に統合という形で休刊。その後、『パピポ』自身も退潮傾向を食い止められず、2007年10月29日に発売された2007年12月号をもって休刊となり、16年5か月の歴史に幕を閉じた。その最終号となった2007年12月号では、誌面に休刊告知が掲載されている一方で、同人誌紹介コーナーと読者ページ(お便りページ)には募集要項が掲載されており、また休刊号に作品を掲載していたホーミングブログで当時、突然の休刊だったことを記している[1]様に、編集作業の終了の前後の差し迫った時期の唐突な休刊決定だった。また、末期には使用される用紙の質が低下している一方で紙代が上昇していた時期で、突然の休刊には時期的に部数減以外にも当時の雑誌用紙価格などのコスト面の影響も窺われる。折りしも、ほぼ同時期に発売されたクロエ出版の『COMIC真激』2007年12月号では、雑誌用紙の価格高騰を理由とした定価改定の告知がなされている[2]

後述する『コミックレヴォリューション』の立ち上げの失敗などもあり、フランス書院の内部には休刊後の受け皿となる後継誌がなく、掲載作家陣の一部は『COMIC RIN』(茜新社)などに移籍し、現在も活動している。『フランス書院Xコミックス』レーベルはその後も未収録分の刊行が行われ、2009年頃に刊行終了となった。これにより、フランス書院は成人向け漫画雑誌の分野から事実上の撤退となった。

カバーイラストは、1991年 - 1999年好実昭博2000年 - 2003年かわむらやすひと2003年 - 2007年:美和美和がそれぞれ担当(臨時で他作家が担当したこともある)。このカバーイラストも成年向け非指定時代は比較的おとなしい画風だったが、2000年5月号で正式に成年向け指定を受けて以降は次第に過激さを増してゆき、美和美和が担当した頃には成人誌であることが一目瞭然に判る構図になっていた。

主な掲載作家[編集]

その他[編集]

  • 現在[いつ?]まんがライフ』(竹書房)をはじめとする一般4コマ漫画誌で活躍している後藤羽矢子は、この雑誌の新人賞の入賞をきっかけに漫画家デビューをし、後に一般誌にノンアダルトの作品が掲載される様になってからも本誌では休刊まで10年以上にわたって常連作家の1人だった。ただし、一般誌でのプロフィールではデビューした雑誌名が伏せられていることが多い。
  • 初期の頃は、性行為などの性的描写が一切存在しない一般青年雑誌向けのストーリー漫画の連載が数本あった。そのため、フランス書院Xコミックス単行本にも初期のラインナップには、うらべすう『ブルーセンチネル』、萩原玲二『旋風のイリヤ』上下巻など、「成人コミック」マークが付いていないものが一部存在する。また、『みこすり半劇場』と同様の路線の下ネタ4コマ漫画(畑野ぽまと作)も掲載されていた。だが、これらの作品は次第に少なくなり、1990年代末期になると毎号中ほどに『きらめけ聖ヴァニセーヌ学園!』(綺々作)という4ページの連載作品が1本あるだけとなり、それもいつしか誌上から消えていった。2000年5月に成人指定を受けてからはさらに過激さを増し、最終的には性行為が含まれる作品のみの掲載になった。
  • 1999年には、作家の本田透の企画製作による、「サブカルチャー系通信教育」を標榜した対話形式のお笑いネタ風企画を中心とした『髭アカデミー』という短期集中連載企画があった。サブカルチャーを採り上げると言いつつ、企画者の好みで阪神タイガースをヨイショするコーナーや4コマ漫画が毎回掲載されているという、美少女雑誌に属する本誌としては極めて異色の内容だった。

コミックレヴォリューション[編集]

コミックレヴォリューション』の名称で増刊号が2007年4月より隔月刊で発刊された。偶数月11日発売。B5判、平綴じ、定価630円。本誌の廃刊に伴い、4号で廃刊となる。

キャッチコピーは「No.1萌えエロコミック」で、毎号の表紙はみさくらなんこつが担当。また、同じくみさくらなんこつが巻頭カラー作品として『メイド in 学園ヘヴン』を連載。

巻中カラーには「ボクのクラスメイト」をテーマに、あずまゆきら毎号4名ずつの人気イラストレーター・漫画家によるイラストを掲載。

編集スタッフに美少女文庫(同社刊)の担当もおり、Vol.2より『メイドなります!』(三色網戸。)、Vol.3より『サムライガール』(助三郎)といった美少女文庫の人気シリーズの漫画化が開始された。

掲載作家[編集]

  1. 2007年4月11日発売
  2. 2007年6月11日発売
  3. 2007年8月15日発売
    • イラスト:あずまゆき、きみづか葵こぶいち蔓木鋼音
    • 漫画:みさくらなんこつ、BENNY'S、あいざわひろし、井ノ本リカ子、AM-DVL、丸ちゃん。、KEN+、あやせまい、助三郎、ちんじゃおろおす、神楽武志、つつみあかり、神保玉蘭、苺野しずく、凪妖女、三色網戸。、塚本ミエイ

増刊[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]