AES暗号

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AES暗号とは、アメリカ合衆国の新暗号規格 (Advanced Encryption Standard) として規格化された共通鍵暗号方式である。1977年に発行された暗号規格DESが技術進歩により時代遅れとなったため、新たな暗号方式の公募を行い、2001年3月に FIPS PUB 197 として公表され、米軍主導のネットワーク秘匿化オープンソースプロジェクトであるTORなどに採用された。

目次

[編集] 概要

AESはSPN構造ブロック暗号で、ブロック長は128ビット、鍵長は128ビット、192ビット、256ビットの3つが利用できる。AESの元となった Rijndael では、ブロック長と鍵長が可変で、128ビットから256ビットまでの32ビットの倍数が選べる。NISTが公募した際のスペックに従い、米国標準となったAESではブロック長固定、鍵長も3種類に限られた。

[編集] 経緯

旧規格 DES (FIPS 46)の安全性が低下したため、1997年9月にNIST(アメリカ国立標準技術研究所)が後継の暗号標準AES(Advanced Encryption Standard)とすべく共通鍵ブロック暗号を公募した。世界から応募された21方式から、公募要件を満たした15方式に対する評価が行われ、安全性と実装性能に優れた5方式が最終候補として残った。最終選考の結果、あらゆる実装条件で優れた実装性能を発揮したベルギールーヴェン・カトリック大学の研究者 ヨアン・ダーメン (Joan Daemen) と フィンセント・ライメン (Vincent Rijmen) が設計した Rijndael ("j"を読まず、「ラインデール」と読む。)が2000年10月に採用された。Rijndaelという名称のうち、RijnはRijmen、daeはDaemenから取られたことは明白だが、lはどこから来たのかが不明だった。指導教授だったバート・プレネル(Bart Preneel)から取ったのではという説があり、Rijmen氏が講演した際に質問を受けたが、その答えはIt's a conjecture.だった。

他の最終候補は以下の通りである。(右欄は設計者)

[編集] 安全性

関連鍵攻撃により、256ビットのAES暗号の9ラウンド目までを解読可能である。また、選択平文攻撃により、192ビットおよび256ビットのAES暗号の8ラウンド目まで、128ビットのAES暗号の7ラウンド目までを解読可能である (Ferguson et al, 2000)。シュナイアーはAESの「代数的単純さに疑問」を感じているが、AESは欧州の暗号規格NESSIEや日本の暗号規格CRYPTRECでも採用された。AESの数学的構造は他のブロック暗号と異なり、きちんとした記述もある[1][2]。この暗号はまだどんな攻撃にも通じていないが、何人かの研究者が今後の攻撃はこの構造を利用するかもしれないと指摘している[3][4][5]

[編集] 脚注

  1. ^ A simple algebraic representation of Rijndael (Niels Ferguson, Richard Schroeppel, and Doug Whiting)
  2. ^ Sean Murphy
  3. ^ [1][リンク切れ]
  4. ^ [2][リンク切れ]
  5. ^ Cache-timing attacks on AES (Daniel J. Bernstein)

[編集] 参考文献

  • FIPS 197、NIST発行、2001年(英文、PDF形式)
  • Daemen and Rijmen, Rijndael 仕様書(補追版)、1999年発行-2003年補追(英文、PDF形式)
  • 結城浩 『暗号技術入門 - 秘密の国のアリス』 第3章、ソフトバンクパブリッシング、2003年、ISBN 4-7973-2297-7

[編集] 関連項目

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