赤本 (教学社)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
赤本の一例

赤本(あかほん)は、世界思想社教学社が発行している、大学学部別の大学入試過去問題集通称である。正式名称は「大学入試シリーズ」。創刊後しばらくは表紙の色も青色や紫色など大学ごとに異なっており統一されてはいなかった[1]。「赤本」の呼称は1964年に表紙の色が朱色に統一されてから受験生の間で定着したものである[1]1985年に表紙の色は朱色から現行の赤色になっている[1])。

概要[編集]

年次版で毎年4月~11月頃にかけて刊行。全国375大学分を刊行(2013年5月現在)[1]。典型的には、1冊の中で特定の大学の主要教科の過去問が、「大学情報」「傾向と対策」「解答・解説」とともに収録されている。主要国立大学の場合は前期日程・後期日程や文系・理系などでそれぞれ1冊などという具合に複数冊に分かれている。また、規模の大きい私立大学の場合は、学部単位で1冊となる場合がある。収録されている問題の年度数は過去2年~10年程度である。以前は3~6ヶ年が主流だったが、最近では大学にもよるが約3ヶ年の場合が多い。一般に使用ニーズの高い難関大学になればなるほど収録年度数は増える。しかし、複線入試を多く実施している大学の場合には、その分収録年度数は減る。

特定大学の特定科目のみを扱ったシリーズも存在する。こちらは過去25ヵ年分をカバーするものまである。

以前はB6版であり、活字が小さくて見にくく、また難関大学のものの場合は分厚くなるので携帯にも不便であったが、2004年版(2003年発行)から一部の主要大学、2005年度版(2004年発行)からはすべての赤本がA5版となった。

なお、赤本の中でも「医療系入試シリーズ」「獣医畜産系入試シリーズ」は以前から別格で、問題収録年も一般に6~10ヶ年と多い上、常にA5版で紙質もよいが、通常の赤本よりも値段が高い。

センター試験版は数年先駆けて(2002年度版からと思われる)A5サイズになっていた。センター版は第1回の試験から掲載されているが、近年は過去の追試験文の掲載年数が、河合塾の黒本よりも減少している。

その他の赤本共通の特徴としては、近年のもの[2]に関しては年度が記されている場所(帯)の色がの順に循環している事があげられる。

また、赤本は大学入試問題を収録しているが、著作権上の問題から、一部の国語・小論文の文章を収録しないことがある。すなわち、入学試験のために公表された著作物を使用することは著作権者の許可を要しないが(著作権法第36条)、その問題を本に収録して出版することについて紛争が生じているからである[3]

解答・解説の執筆は、予備校講師・(元)高校教師・大学講師などが行っている。赤本に限ったことではないが大学側が公式の解答例を公開しているわけではないため、過去問題集における解答はあくまで「解答の例」に過ぎず、時に誤りを含みうるということを留意する必要がある。

大学通信ものつくり大学千葉経済大学など教学社から出版されていない大学の赤表紙の過去問題集を出版していた時期があった[4][5]

歴史[編集]

  • 1954年 - 赤本の刊行を開始する[6](創刊時は「京都大学」「同志社大学立命館大学」「大阪市立大学神戸大学」の5大学を扱う計3冊[1])。
  • 1964年 - 表紙の色を朱色に統一[1]
  • 1983年 - 「共通一次問題研究シリーズ」を刊行する(その後1990年に「センター試験過去問研究シリーズ」になる)。
  • 1985年 - 表紙の色を朱色から赤色へと変更[1]
  • 80年代終盤頃 - 表紙デザインが正方形10個を基調としたものに変更となる。
  • 1993年または1994年 - 表紙デザインが正方形とL字型の図形をあしらったものに変更(センター試験版は除く)。
  • 1997年 - センター試験版の表紙デザインが変更。この時より収録年数が減少する。
  • 2002年 - センター試験版のサイズがB6から現行と同じA5サイズとなる。また収録年数が増加し本試験については全科目で第1回分から掲載されるようになった。
  • 2004~2005年 - 一般のものもB6から現行と同じA5サイズとなる。
  • 2006年 - この年よりデザインが変更され、中央に巨大な正方形が単独で描かれたものとなった(センター試験版は除く)。
  • 2008年 - センター試験版においてこれまでは回答編が別冊となっていたが、本年より問題編が別冊となるように変更された。また表紙デザインも同時に変更された。
  • 2013年 - 公式Twitterアカウント開設[1]

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]