耐候性鋼

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山間部の道路橋に耐候性鋼を使用した例(八百轟橋、国道439号、高知県)

耐候性鋼(たいこうせいこう)とは、表面に保護性(安定錆とも呼ぶ)を形成するように設計された低合金鋼である。耐候鋼とも呼ぶ。

概要[編集]

塗装せずにそのまま使用してもあまり錆びず、またその錆が比較的緻密で、内部まで腐蝕されないような鋼材である。錆の色は茶褐色でそれなりに美しい。

耐候性鋼は、適切な管理をすれば無塗装で使用できるので、メンテナンス費や塗装費を低減できる。しかし、海水は保護性錆層を破壊するCl-イオンを含んでいるため、海岸部では耐候性鋼を無塗装で使うことはできない。事実、沖縄県の海岸附近にあった辺野喜橋の桁は無塗装の耐候性鋼でできていたが、供用開始から30年を経ずして2009年に崩落した。

しかし、表面が錆の色になるため、それが正常なのを知らない一般の人には不安や誤解を招きやすい。そのため、人目に付く場所に限っては、あえて塗装されることがある。

耐候性鋼は、1910年代欧米で本格的に研究され、アメリカ合衆国USスチールにより、COR-TEN(コルテン鋼)の商品名で初めて販売された。これはを2%程度含み、建築物外壁や内陸部の橋梁に用いられるが、米国では鉄道車両にも用いられている。それは主にホッパ車の側面用である。この車両は石炭を運ぶため、こすれて塗料がはがれやすく、保守に手間が掛かるからである。

耐候性鋼の耐食性[編集]

耐候性鋼の耐食性は、表面の「錆」によって獲得される。

耐候性鋼の基本成分は、Fe-Cu-Cr-Ni-P、またはFe-Cu-Cr-Niである。 耐候性鋼の表面にある錆層の下部に、Cu, Cr, Niが関与する、極めて緻密な非晶質(アモルファス)層が形成される。そして、この非晶質層が錆の進行を抑制する。使用して2 - 4年ぐらいすると、前述の保護性錆が形成され、錆の進行が止まる。つまり、錆のバリヤーで外部の酸素による反応を防いでいる。

福良港の津波防災ステーション(制御室・避難所)、南あわじ市

耐候性鋼に対する世間の反応[編集]

兵庫県淡路県民局が南あわじ市福良港に建設した津波防災ステーションの建物外壁が耐候性鋼板で作られており、その錆びた外観を心配した周辺住民からの問い合わせが相次ぎ、兵庫県は耐候性鋼板についての説明板を急きょ設置した[1]。なお、この建物は海岸部に建てられているが、県民局は「年に何度か水で洗浄すれば、潮風の影響は防げる」と説明している[1]

  1. ^ a b 新しいのに錆びてる…問い合わせ殺到で説明板YOMIURI ONLINE

外部リンク[編集]

関連項目[編集]