熨斗
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熨斗(のし)とは、慶事における進物や贈答品に添える飾りである。黄色い紙を長六角形の色紙で包んだ形状をしている。祝儀袋等の表面に印刷された、簡略化されたものもある。しばしば水引と併用される。
正式には熨斗鮑(のしあわび)と呼ばれて乾燥させたアワビが用いられ、打鮑(うちあわび)という別名があった。
ただし、熨斗(のし)という呼び方は、主に関東地方で使われることが多く、関西ではあまり知られていないことが多い。
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[編集] 概要
元来、熨斗鮑とはアワビの肉を薄く削ぎ、干して琥珀色の生乾きになったところで、竹筒で押して伸ばし、更に水洗いと乾燥、押し伸ばしを交互に何度も繰り返すことによって調製したものを指した。
「のし」は延寿に通じ、アワビは長寿をもたらす食べ物とされたため、古来より縁起物とされ、神饌として用いられてきた。『肥前国風土記』には熨斗鮑についての記述が記されている。また、平城宮跡の発掘では安房国より長さ4尺5寸(約1.5m)のアワビが献上されたことを示す木簡が出土している(安房国がアワビの産地であったことは、『延喜式』主計寮式にも記されている)。中世の武家社会においても武運長久に通じるとされ、陣中見舞などに用いられた。『吾妻鏡』には建久3年(1191年)に源頼朝の元に年貢として長い鮑(熨斗鮑)が届けられたという記録がある。
また、仏事における精進料理では魚などの生臭物が禁じられているが、仏事でない贈答品においては、精進でないことを示すため、生臭物の代表として熨斗を添えるようになったともされる。
神饌として伊勢神宮に奉納される他、縁起物として贈答品に添えられてきた。やがて簡略化され、アワビの代わりに黄色い紙が用いられるようになった。
正月の鏡餅には大熨斗、束ね熨斗が飾られる。婚礼時の結納品として、束ね熨斗が用いられる。
[編集] 伊勢神宮における熨斗鮑
伊勢神宮では、古来の製法で調製された熨斗鮑が、6月と12月の月次祭(つきなみさい)、10月の神嘗祭(かんなめさい)で奉納される。この熨斗鮑は三重県鳥羽市国崎町の神宮御料鰒調製所にて調製される。熨斗鮑造りは、毎年6月から8月にかけて作業が行われ、一回に使われる鮑は約200kg。一つ一つ皮を剥くように薄く切っていき、それを干していく。調進所より少し先のヒノキで造られた干し場で、布のようになった鮑が下がる風景を見ることもできる。毎年7月2週目の日曜日に熨斗鮑祭りが開催される。第11代垂仁天皇の第4皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)が国崎を訪れた際、「お弁」と言う海女からアワビを献上されたことが由来とされる。
[編集] 熨斗に関するしきたり
- 仏事(主に弔事)などの贈答品には、熨斗を付けない。
(仏教では生臭物を避けるため。仏事でもお祝いごとの場合は戒律の厳しい宗派では気にされるが、最近は熨斗を付ける場合も多い。)
- 魚介類を贈答品にする場合は、熨斗を付けない。
(熨斗が鮑であるという本来の性質からすると正しいが、現代では特に気にされていない)
- お見舞いには熨斗を付けない。
(弔事に熨斗を避けることから、熨斗がお祝いの意味に理解されるようになり、現在市販されている御見舞と字の入った金封・祝儀袋はほとんどが熨斗無しである。本来は熨斗鮑が長寿を願う縁起物であるので、熨斗を付けたほうが良い)


