母集団

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母集団(ぼしゅうだん、: population)とは、調査対象のとなる数値,属性等の源泉となる集合全体を意味する。なお、日本では母集団に関して、相当する英語 universepopulation の厳密な区分をしていない。前者は数値、属性をもつ要素の集合であり、後者はその数値、属性の集合である。

一般的な使用例は以下である.

統計学推定で基本として仮定する、ある要素の集合であって、これからランダム標本を抽出して観察し、その結果から逆に母集団を推定するという形で用いる。

例えば、カラスを対象としてその性質を調べたい時、具体的な必要性に応じて「全てのカラス」、「ある地域に生息するカラス」、「カラス成鳥」といった集合が母集団になる。このように野生動物全てを調べるのは不可能だから、その一部を標本として調べ、母集団に外挿する方法をとる。

人間を対象にする場合には、ある集団に属する人を母集団としてその全員について調査する(全員を標本とする)事も理論上可能だが、例えば、日本の選挙権を持つ国民全員を対象にして世論調査をする事など事実上不可能(選挙と同じ事になる)だから、この場合も標本から母集団を推定するという方法が必要になるという訳である。また、「ある薬品で治療を受けた患者」を母集団とした場合なども将来の全ての患者を含む必要になるため、やはり同じ方法が不可欠である。

以上のような具体的な母集団は有限であるが、数学的な厳密式が計算困難なために便宜上、無限大の要素からなる母集団を仮定する方法をとることが多い。ある分布を仮定した母集団から標本の大きさnの標本(有限のn個からなる標本,大きさまたはサイズnの標本という)を取り出すものとし、これから逆に確率論的に母集団を推定する訳である。

母集団という言葉は、「測定する要素」でなく「測定値」の集合という意味に用いられる。例えば、カラス成鳥の体重を対象とする場合には、各カラスの体重の集合を「体重の母集団」と呼ぶ。前述のpopulationとuniverseという用語で説明すれば、カラスの集合がuniverseであり、カラスの体重の集合がpopulationとなる。

母数[編集]

母集団の分布を記述する数値を母数といい、よく知られているものには平均標準偏差などがある(それぞれ母平均、母標準偏差などという)。これらにそれぞれ対応して、標本から計算される数値(標本平均、標本標準偏差など)を統計量といい、これは標本を記述する数値であるとともに、母数を推定するのにも用いられる。

母集団の大きさ[編集]

母集団の大きさ(size of population)とは、対象となる母集団に含まれる測定値をもつ要素の数のことである。標本調査法では大文字のNで表すのが慣例である。なお、母集団(population)は集合名詞であるので、母集団数(number of population)というのは誤解を受ける使用法である。例として、家族(family)で示す。家族も集合名詞なので、「家族数」と言われれば、家族を構成する人々の数ではなく、まとまりとしての家族の数となる。

関連項目[編集]