新垣勉 (歌手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

新垣 勉(あらがき つとむ、1952年11月6日 - )は、沖縄県出身のテノール歌手バプティスト教会牧師

概要[編集]

沖縄県中頭郡読谷村在日米軍人であったメキシコアメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。出生後まもなく不慮の事故[1]で全盲となる。 1歳の時に両親が離婚し、父親は帰国。母親は再婚したため、母方の祖母に育てられる。その際、祖母を母親と、実の母親を姉と言い聞かされながら育てられた。その後自らの境遇を絶望し「将来は両親を殺害して自分も死ぬ」と考え、井戸へ飛び込み自殺を図ろうとするが友人に助けられ、未遂となるなどの少年時代を過ごした。14歳で祖母を亡くし、天涯孤独の身となる。しかし、ある日、ラジオから流れてきた賛美歌をきっかけに教会に行った。そして、一人の牧師に出会い、彼の今までの人生をすべて語った。 そして牧師は黙って彼の話を聞いていた。すべて話し終わると、勉は牧師が泣いていることに気づいた。 そのことをきっかけに声楽家牧師になる事を目指す様になり、沖縄県立沖縄盲学校東京キリスト教短期大学西南学院大学神学部専攻科を卒業し、日本バプテスト連盟系教会の副牧師になる。また、当時は聖歌隊としての奉仕も活発に行なっていた。

西南学院大学在学中にイタリア人ボイストレーナーのアンドレア・バランドーニに「君の声は日本人にはないラテン系の素晴らしい響きをしている」と激賞された。その際自分の出生について語ると、「辛い体験だったと思うが、同時にそれはプレゼントであり、感謝すべきものでもあるのだよ」と言われ、その言葉で両親を恨む気持ちが癒えたという。

聖歌隊での実績を元に本格的に歌手活動をしたいと考え売り込みを始めるが、売り込み先から「音大も出ていないのに声楽家を目指すとはおこがましい」と馬鹿にされ、屈辱を受ける。しかし音楽への思いを貫き34歳で武蔵野音楽大学に入学、大学院修士課程まで進み修了。チャリティーコンサートなどで歌を披露するようになる。

2001年寺島尚彦作詞·作曲の『さとうきび畑』で初のCDを発売した。現在、各地でコンサート活動等を行なっており、澄んだ歌声と逆境を乗り越えた半生、「私は体が楽器みたいなものです。名前が“アラガッキ”というくらいですから」など駄洒落も含むユーモアに富んだ語り口などが人々の共感を呼んでいる。

SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」の一節である「ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン」は、元来は新垣が語り続けてきた言葉に由来する。

2004年2月20日には、アフガン復興支援を行っている非政府組織ペシャワール会の活動に賛同し、日本武道館にてチャリティーコンサートを行い1万人を集めた。

新垣の半生は東京書籍から発行されている、中学2年生用英語教科書「NEW HORIZON」で教材となっている。題材は、「Try to Be the Only One」。

2009年8月4日NHK歌謡コンサートに出演。

主な作品[編集]

シングル[編集]

  1. さとうきび畑2002年5月22日発売)
    2001年発売のアルバムからのリカットシングル。
  2. 母三章2003年5月21日発売)
  3. 青い空は2003年8月6日発売)
  4. 千の風になって2004年9月22日発売)
  5. 青い空っていいな2005年3月2日発売)
  6. 白百合の花が咲く頃2005年7月21日発売)
    宮沢和史作詞・作曲
  7. 還ろう、あの日の森へ。2006年6月21日発売)
    テレビ金沢が提唱する森林保護キャンペーン「ふるさとの森 再び」のテーマソング。
  8. うたになりたい2009年11月25日発売)
    作詞は覚和歌子

アルバム[編集]

  1. さとうきび畑2001年7月25日発売)
  2. 出逢い〜我が心の歌〜2002年11月21日発売)
  3. 願い〜愛と平和の歌2003年11月21日発売)
  4. 新垣勉 武道館ライヴ-チャリティー・コンサート「願い〜愛と平和の歌」2004年9月22日発売)
  5. 命どぅ宝〜沖縄の心 平和の祈り2005年7月21日発売)
  6. 日本を歌う2006年12月6日発売)
  7. 魂の歌 ― 新垣 勉ベスト・コレクション2007年3月21日発売)
  8. 新垣 勉の軌跡2007年11月21日発売)

DVD[編集]

  • 新垣勉 武道館ライヴ-チャリティー・コンサート「願い〜愛と平和の歌」(2004年9月22日発売)

[編集]

新垣勉を基にしたテレビドラマ[編集]

  • 『まだ見ぬ父へ、母へ・魂で歌う青い海〜全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡』(フジテレビ系) [2]
新垣勉 役‐小池徹平 (2007年12月21日放送 視聴率10.2%)

脚注[編集]

  1. ^ 出生直後の乳児には点眼をするのだが、助産婦の医療ミスによって、目を洗浄する点眼ではなく家畜を洗う為の劇薬を点眼された。
  2. ^ フジテレビ『まだ見ぬ父へ、母へ・魂で歌う青い海〜全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡』

外部リンク[編集]