品川同性愛者殺害事件

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品川同性愛者殺害事件(しながわどうせいあいしゃさつがいじけん)とは、2005年東京都品川区で発生した殺人事件である。

概要[編集]

犯人の女M(当時41歳)が同性愛者だったS(当時39歳・女性)を東京都品川区のマンションで殺害した。新聞配達を止めさせるなどの偽装工作を施した上でMは逃亡し、Sの遺体は2005年4月19日に腐乱した状態で発見された。状況などから警察はMを指名手配した。Mは逃亡中、11の偽名を使い、4人の男性と交際して生計を立てたといわれる。このため、マスコミなどから「第2の福田和子」とまでいわれた。

2007年3月、東京都北区健康ランドにMがいたところを知り合いに発見され、警察に通報されて逮捕された。そのときの所持金は950円で、警察の質問には素直に答えたという。同年10月22日懲役15年の判決が下される。

犯人像[編集]

広島市内で複数の飲食店を経営する裕福な家庭に生まれる。母親のエリート意識が強かったため、地元の有名な国立大学の付属小学校に入学。ピアノバレエなどの習い事も多く経験したという。しかし両親の仲が悪く、特に母親夫婦喧嘩の後、虐待まがいの暴力をMにふるったとされている。

大学受験での宿泊中、1982年に発生したホテルニュージャパン火災に被災し、受験票と筆記用具を部屋に置いたまま避難している。大学卒業後に実家が倒産。定職に就かず、売春まがいのこともしていたという。女優の大原麗子岩下志麻を尊敬しており、後に事件を起こしたときに使った偽名に「大原志麻」がある。

愛人となった男性から店を任されるまでになるが、1990年代後半に経営悪化で倒産。そのため、吉原ソープランドデリバリーヘルスを転々としたという。

被害者のSとは同性愛の関係にあった。ところがそのためにSはMから性病をうつされてしまい、さらにMが別の愛人と付き合いをしていたことから、激怒して品川のマンションに監禁。これを機にMとSは不仲になって衝突しあうようになり、殺害に至ったという。

判決を言い渡された際、ハンカチを握り締めて「はい」とだけ答えたという。また逃走中、被害者の写真を持ち歩いていたという。