ヴァスーラ・リデン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ヴァスーラ・リデン
生誕 ヴァシリキ・クラウディア・ペンダキス Vassiliki Claudia Pendakis
1942年1月18日(72歳)
カイロエジプト王国
職業 主婦
宗派 ギリシャ正教
子供 2人
公式サイト
True Life in God

ヴァスーラ・リデンVassula Rydén1942年1月18日 - )は、宗教家、預言者である。

1942年、エジプトでギリシャ正教徒の家族のもとに生まれた。幼少のころに二つの預言的な夢を見たといい、また1985年よりイエス・キリストのヴィジョンを受けているという。彼女は受けたそのメッセージを「神のうちの真のいのち」(かみのうちのまことのいのち)と呼ばれる本に著した。メッセージを記した107冊のノートは「神のうちの真のいのち」シリーズとして12巻に分けられたが、現在では「神のうちの真のいのち」として一冊の本にまとめられており、ボランティアの手によって42の言語に翻訳出版されている(日本語版では全10巻の分冊)。1989年以来、ヴァスーラは72以上の国で900回を超える講演を行っている。アメリカ合衆国では90回以上。彼女はこの著作と講演旅行による出版印税、講演料、あらゆる種類の報酬を一切受け取っていない。

略歴[編集]

ヴァスーラ・リデンはエジプトに移住したギリシャ人の両親の娘として、1942年1月18日、カイロ郊外のヘリオポリスで生まれた。エジプトの学校に通いはじめ、15歳の時ヨーロッパに移住した。

まだ若かった頃から、サタンによる恐ろしい悪夢を体験する。10歳から12歳の頃、神秘的な体験をしており、その中にはイエス・キリストと霊的な結婚をするというものもあった。10代のあいだに何度か、死者の霊魂(煉獄の霊魂)たちが彼女を取り囲んでいるのを見たという。その後、彼女は宗教的な事柄に対し無関心になっていった。

1966年11月、彼女はスイスローザンヌ市のギリシャ正教の教会でルター派の男性と民法上の結婚(つまり、正教会の婚配機密には当たらない)するが、のち1980年11月にスウェーデンで離婚した。1981年6月、現在の夫、スウェーデン国教会(ルター派)信徒のペル・リデンと民法上の結婚をする。1991年10月31日、ローザンヌ市のギリシャ正教会でこの結婚を教会法上の正規のものとし、宗教的な結婚式を挙げる。1971年1976年に生まれた2人の息子を持つ。彼女は自身をギリシャ正教徒であると表明している。多言語を話すが、日常的には英語を使っている。

「神のうちの真のいのち」の始まり[編集]

1985年11月の終わり、バングラデシュに住んでいた頃、自分を「守護の天使ダニエル」だとする目に見えない存在がヴァスーラに接触してきたという。この存在は、ヴァスーラの手を取って動かし、言葉を書き絵を描くことで自分自身を表し、その最中でも、ヴァスーラは手を自分でコントロールすることができる。こういった方法で、ヴァスーラは英語で「メッセージ」を受け取り始めた。この導きによる「口述筆記」は、通常1日に4時間から6時間におよぶ。

3ヶ月後、彼女は「父なる神」だという別の存在からの短い介入を経験する。「守護の天使ダニエル」は、彼女を清めの期間に服させ、その後「イエス・キリスト」とする存在が「守護の天使」に取って代わるようになる。この存在はこれまでと同じく、コミュニケーションのために口述筆記の方法を用い、そのメッセージは「神のうちの真のいのち」と呼ばれた。時おり「聖母マリア」「大天使聖ミカエル」「聖パードレ・ピオ」「悪魔」など他の者による介入も見られる。

メッセージの内容は宗教的なもので、カトリック教会正教会の教え、また聖書のテキストの復興といった種のもの。主なテーマは次のようなものである。「キリスト者の一致」「教皇への忠実」「"清め"の時が近づいていること」「キリスト者の分裂に終止符を打ち、さらに諸宗教にまで及ぶ一致を確実なものとするために、このメッセージを知らせること」

今日までに、書かれたもの(何千ページにも及ぶ)は42の言語に翻訳出版されている。ヴァスーラはこれはチャネリング降霊術による自動書記といった類のものではなく、メッセージの真の著者はイエス・キリストであるとしている。マルセイユ祓魔師(ふつまし)であるクリスチャン・カーティ神父(コンベンツァル聖フランシスコ会)は、ヴァスーラの受け取っているものは「ヒエラティック体」(聖なる書体、の意)で書かれていると説明している。

1995年、ローマ・カトリック教会はこの著作に対して公告において否定的な見解を示し、いくつかの否定的な要素と誤りを指摘した。この公告は信徒に対して、リデン夫人の著作と講演をからのもの、あるいは超自然の起源によるものとは考えず、むしろ夫人の個人的な黙想ととらえるよう求め、結論づけた。しかしこの後、ヴァスーラによる同省への要望により新たに調査が行われ、ヴァスーラはそのメッセージについて、また聖書と教会の聖なる伝統とメッセージとの関連について、5つの質問に答えるよう求められた。この対話の最後、当時の信仰教理省長官H.E.ヨセフ・ラッツィンガー長官(現教皇ベネディクト16世) は、2004年7月10日付けで、ヴァスーラの信徒に与えた影響に否定的だった5つの司教会議に対して手紙を書き、「前述の通達文書の中で指摘したヴァスーラ・リデン夫人の結婚状況および彼女の著書と秘跡への参与に関する異議に対し、同夫人は役立つ釈明を提示しています」とした。同省はカトリック信徒に、リデン夫人によってつくられたエキュメニカルな祈りのグループについては、各教区司教たちの方針に従わなければならない、と求めている。

ルルドファティマといった「私的啓示」においても、これらのメッセージは信仰箇条の対象ではない。最近の声明によって「神のうちの真のいのち」にはもはや教義的な疑問は存在しないことが明らかとなっている[1]が、デンマークのカトリック教会司教総代理、メッサーシュミット神父はこう書いている。「ラッツィンガー枢機卿の短い書簡に基づき、曇りない良心を持つカトリック信者がヴァスーラを神から遣わされた人として見なすことが出来るということは、もはや疑いの影を残さないこととなりました。もちろん、誰にとってもそのように見なさないことも自由ですが、彼女を拒絶するために教義的な根拠を前提とすることはもはやできなくなりました。霊的な事柄を判断するために、私たちは自分の心に耳を傾けなければなりません。自由と互いの意見の尊重は、様々な御出現や預言を取り扱う際になくてはならない姿勢なのです。」

H.E.ラモン・アルグエイェス大司教によるコメントも参照のこと。 またヴァスーラのトッポ枢機卿とスフェイル枢機卿(マロン派教会の総主教。マロン派はローマとの交わりのうちにある)との面会の様子はこちら。 この他に報告されているイエス・キリストと聖母マリアの出現については聖母の出現、ウィキペディア英語版のen:Visions of Jesus and Maryも参照のこと。

預言[編集]

1991年9月11日のメッセージには次のように書かれている。

「地上は震えおののこう─そして塔のうちに築かれたすべての悪は どれも崩れて塵の山となり 罪咎(つみとが)の埃(ほこり)の中に埋もれよう! 天上では、天が揺さぶられ 地の基も揺れ動く! 御父のみ手が冬に下されないように 祈りなさい。」

1990年1月10日のメッセージでは、キリスト者の一致がまもなく、夜明けとともに訪れると書かれている。

「そして一致はあけぼののように訪れ それは共産主義の崩壊のように突然訪れるでしょう。それは神によって与えられ くに民は偉大な奇跡、歴史上の祝された日と銘打つでしょう。」

出典[編集]

  • « Le Phénomène Vassula – Etude critique », Marie-France James, Nouvelles Editions Latines, Paris, 1992.
  • « Mon Ange Daniel – Les débuts de La Vraie Vie en Dieu » , Vassula Rydén, Editions du Parvis, Hauteville (Suisse), 2001.
  • « Quand Dieu Fait Signe » , René Laurentin, F.X. de Guibert, Paris, 1993
  • 「神のうちの真のいのち」第I巻〜第X巻, ヴァッスーラ・ライデン, 天使館
  • 「神のうちの真のいのち」教理省との諸問題に関する解明, 天使館
  • 「神のうちの真のいのち」公式サイト
  • 天使館ウェブサイト

脚注[編集]

  1. ^ 2005年11月28日付けで、カトリック教会の権威が書物に与える無害証明(en:Nihil obstat)と印刷許可(en:Imprimatur)が公布された(第X巻巻末参照)。Nihil ObstatとImprimaturは、書物の内容が教会の教義と道徳に照らして間違いが無いということを担保するもの。

外部リンク[編集]

日本語[編集]

英語[編集]