モニーク・キャノン

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[1]モニーク・キャノン英語: Monique Cannon1967年10月27日 - )は、オーストラリアチョークアーティスト

オーストラリアの大手雑貨ブランドKLDA社、Splosh社、マクドナルド・オーストラリア、バージンブルー航空などとライセンス契約・作品提供。

モニークチョークアートスタディ2000年にオーストラリア・ゴールドコーストに開校した。

人物と概要[編集]

モニーク・キャノンは、1967年10月27日、オーストラリアニューサウスウェールズ・フォーブズにある、羊を飼い小麦を育てる農場で生まれた。農場の娘として兄と共に、幼少期から大自然と触れ合い、のびのびとした環境で育った。[2]

両親は身近にあるものをDIYする能力にも長けており、創作の教養を身につけていった。

18歳で高校を卒業し、美術の教師になる夢を叶えるために、シドニーで美術教員大学へ通うことを検討するものの、将来の方向性の違いを感じ、母親からのすすめでグラフィックデザインの学校へ入学。学位を取って卒業した。

卒業後は、グラフィックデザインの広告の仕事をこなしていたが、本来やりたいことではなかったという想いがあり、退職してクイーンズランドサーファーズパラダイスへ引っ越す。

23歳でゴールドコースト[注釈 1]に引っ越した後、ウェイトレスの仕事に就く。そこで初めて、アーティストとして店のボードを制作する仕事を、飲食店のオーナーから請け負う。

すべてが初体験であるため、素材の選定、作り込み方などを、自ら苦心して考案しながら納品したところ、オーナーに喜ばれ、アーティストとして仕事を全うする幸せを実感する。この時、父親がモニーク・キャノンの制作したボードの写真からビジネスカードを作ってくれた。そのカードにつけたビジネスネームが「モニークチョークアート(Monique's Chalk Art)」だった。

その後、両親に協力してもらい、市販されているあらゆる種類のアート用具を活用して、さまざまな実験を試み、最終的に、現在のチョークアートの技法に通ずる、ブラックボードペイントのスタイルを確立する。[注釈 2]

その後、数年にわたって技術を磨き、鮮やかな色合いのチョークアート作品を産み出すことが可能となり、映画会社のMovie World Australia[注釈 3]からの大型発注や、オーストラリアをはじめ、日本シンガポールドイツデンマークを中心に、その他の多くの国からの発注を受けるようになりチョークアーティストとして活躍することになった。

チョークアートの教育活動[編集]

モニーク・キャノンは、独自に築き上げてきたチョークアートの技法を非公開としてきたが、2000年に入り、モニーク・キャノンは、今後永きに渡って受け継がれていく芸術として昇華するため、教育を始めようと考え、チョークアート教室をスタートさせる。[3]

教室は好評となり、たくさんの生徒を受け入れるようになる[注釈 4]。その後、教え子たちの一部から、チョークアートのティーチャーコースを開講してほしいという要望が出るようになった。このアイディアは、当コースを受講して教師の資格を得た人がモニーク・キャノンの代理として、自国でチョークアートを教えられるようになるというものであり、現在では日本でも親しまれるアートのひとつとして広まってきている。[4]

なお、日本の歌手・女優タレントであり、世界で活躍するチョークアーティストとしても有名な松下萌子[注釈 5]も、過去にモニーク・キャノンのもとでチョークアートを学び[5]インストラクターの資格を取得している。[6]

2017年には、オーストラリアの教育機関からの依頼で、モニーク・キャノンはオーストラリアの学校数校で、チョークアートの授業を総勢3,000名に教えた。

2018年には、日本でさらにモニークチョークアートを浸透させることを目的に、神奈川県海老名市でMCA認定校として、チョークアートスクールを運営する山田浩と共に、株式会社ファストコム(東京都港区所在)がライセンス事業を開始。

物販事業である「モニークアートスタイル(Monique ART Style)」[7]、教育事業である「モニークチョークアートアカデミープロジェクト(Monique chalk art Academy Project)」を開始し、チョークアートを日本のカルチャーにするための活動に注力している。

モニークチョークアート協会[編集]

日本にモニークチョークアート協会(MCA)が設立されたのは2006年のことで、当協会の設立には、モニーク・キャノンと2002年から深い交友のある生徒であった佐藤真里[注釈 6]が協力した。

当協会は、モニーク・キャノンが理事長を務めている任意団体であり、初めてモニークチョークアートを学ぶ生徒や、モニークチョークアートの修了者、受講者のサポート、交流、技術向上等を目的とし、モニーク・キャノンとチョークアートの振興および発展に寄与することに尽力している。具体的な活動としては、年1回のチョークアート作品展を通常行事とし、各種イベント開催、チョークアーティスト育成セミナー開講、モニーク・キャノン来日時のイベントや、各種セミナーの企画などを行っている。[8]

なお、当協会ではMCA認定似顔絵講師資格という民間資格の提供を実施しており、これはオーストラリアでモニーク・キャノンから習ったモニークスタイルの似顔絵を、日本で教えることができる講師資格(サティフィケート)である。

モニークスタイルの似顔絵には、モニーク自身の意向で、現地オーストラリアで直接、似顔絵コースを受講した生徒のみが取得申請可能(審査あり)となる。

モニークチョークアート協会の展示[編集]

[9]

  • 2015年11月29日 池袋オレンジギャラリーにて、ぺんてる協賛MCA主催のチョークアート作品展を開催
  • 2015年3月29日 池袋アットビジネスセンターにて、MCA認定チョークアート講師専用セミナーを開催
  • 2015年5月16日~2015年5月18日 東京ビッグサイト東ホールにて、カフェ・喫茶ショー2015にモニークチョークアート協会として出展
  • 2016年3月17日~3月207日 池袋オレンジギャラリーにて、第8回MCAチョークアート展を開催[10]
  • 2016年12月17日 池袋にてMCA主催チョークアートビジネスセミナーを開催、午前の部では著作権基礎セミナー、午後の部ではイベント・カルチャー講師セミナーを行う
  • 2017年6月6日~2017年6月8日 東京ビッグサイト西ホールにてカフェ・喫茶ショー2017に、モニークチョークアート協会として出展
  • 2018年1月25日~2018年1月28日 池袋オレンジギャラリーにて、第9回MCAチョークアート展を出展[11]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ クイーンズランドのゴールドコーストはオーストラリア最大の観光保養地であり、モニーク・キャノンがかねてから住むのを夢見ていた街だったという。
  2. ^ 初期作品の頃は、モニーク・キャノンのチョークアートのフレームを作るのは、父親の仕事だった。
  3. ^ Movie World Australiaは、ワーナーブラザーズ傘下の映画会社。ゴールドコーストにあるワーナーブラザーズムービーワールド(Warner Bros. Movie World)が有名。
  4. ^ 日本の生徒を対象とした教室を開講する際に、モニーク・キャノン本人としてはアジアの国にチョークアート作品を提供することにあまり関心がなかったため、当初はほんの数人でも受講してくれれば良いと考えていたが、予想以上の反響に驚いたという。
  5. ^ 松下萌子(まつした もえこ、1982年12月19日 - )は日本の歌手、女優、タレント。兵庫県神戸市垂水区出身。オスカープロモーション所属。レコードレーベルはavex trax。2013年9月にハワイのGREEN ROOM hawaiiでチョークアーティストとしてデビュー。
  6. ^ 佐藤真里は、チョークアート・サインライター(Mari's Chalk Art)であり、モニークチョークアート日本校講師。2002年にオーストラリアでモニーク・キャノンのもとでチョークアート技法を習得。2003年にMari's Chalk Art(マリーズチョークアート)として日本でスタート。2004年にメルボルンでのモニーク・キャノンの展示会を兼ねて、チョークアート研修。2005年にオーストラリアにてモニーク・キャノンよりチョークアート業界初の講師資格を取得し、モニークチョークアート日本校を開講。2006年 Monique's Chalk Art協会【MCA】Internationalを設立。

出典[編集]

  1. ^ モニークキャノン - Google 検索”. www.google.co.jp. 2023年12月27日閲覧。
  2. ^ Monique CHALK ART(英語)”. 2018年11月1日閲覧。
  3. ^ モニークチョークアート協会(MCA)モニーク/MCAについて”. 2018年11月1日閲覧。
  4. ^ Moniqe CHALK ART/Chalk Art School(英語)”. 2018年11月1日閲覧。
  5. ^ MOECO CHALK ART/ABOUT”. 2018年11月1日閲覧。
  6. ^ 「全日本国民的美少女コンテスト」出身の注目アーティストMoecoさん”. 目黒経済新聞. 2019年7月1日閲覧。
  7. ^ モニークアートスタイル(Monique ART Style)サイト”. 2018年11月15日閲覧。
  8. ^ モニークチョークアート協会(MCA)”. 2018年11月1日閲覧。
  9. ^ モニークチョークアート協会(MCA)/活動報告”. 2018年11月1日閲覧。
  10. ^ モニークチョークアート協会作品展 BON VOYAGE”. 2018年11月1日閲覧。
  11. ^ 第9回MCAチョークアート作品展”. 2018年11月1日閲覧。

外部リンク[編集]