マルセル・モース

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マルセル・モース(Marcel Mauss, 1872年5月10日 - 1950年2月10日)はフランス社会学者、文化人類学者。ロレーヌ出身で、エミール・デュルケームの甥にあたる。デュルケームを踏襲し、「原始的な民族」とされる人々の宗教社会学、知識社会学の研究を行った。

人物[編集]

エピナル生まれ。ボルドー大学に入学し、デュルケーム、アルフレッド・エスピナスen:Octave Hamelinの下で哲学を学ぶ。またパリの高等研究実習院でインド宗教史を専攻。1902~30年は同研究院〈非文明民族の宗教史〉講座、1931~39年からはコレージュ・ド・フランス社会学講座を担当する。また、この間、1926~39年にかけてリュシアン・レヴィ=ブリュールが創設したパリ大学民族学研究所で民族誌学を講じた。

また、デュルケムの協力者として、アンリ・ユベールとともに『社会学年報』の宗教社会学部門等の編集に携わり、フランス社会学派の開拓に尽くした。

研究・思想[編集]

代表著作の『贈与論』はポトラッチクラなどの交換体系の分析を通じて、宗教,法,道徳,経済の諸領域に還元できない「全体的社会的事実」の概念を打ち出し、クロード・レヴィ=ストロース構造人類学に大きな影響を与えた。

また、「身体技法」論は、今日なお、社会学的身体論の基本文献となっている。マナなどの概念を通して呪術についても論じた。

著作[編集]

  • 1898, Essai sur la nature et la fonction du sacrifice, (with Henri Hubert) 邦訳『供儀』 小関藤一郎訳、法政大学出版局、1993年
  • 1901, La sociologie: objet et méthode, (with Paul Fauconnet)
  • 1902, De quelques formes primitives de classification, (with Durkheim) 邦訳『分類の未開形態』 小関藤一郎訳、法政大学出版局、1980年
  • 1902, Esquisse d'une théorie générale de la magie, (with Henri Hubert)
  • 1924, Essai sur le don 邦訳『贈与論 新装版』 有地亨訳、勁草書房、2008年 / 『贈与論』 吉田禎吾江川純一訳、筑摩書房ちくま学芸文庫〉、2009年。
  • 1950, Sociologie et anthropologie 邦訳『社会学と人類学 I、II』 有地亨・伊藤昌司山口俊夫訳、弘文堂、1973年。 - 贈与論、呪術論、身体技法論を所収

関連文献[編集]

  • モース研究会 『マルセル・モースの世界』 平凡社新書、2011年5月、※日本では初の入門書、同社で著作集を刊行開始。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]