デカローグ

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デカローグ1989年ポーランドクシシュトフ・キェシロフスキ 監督のテレビドラマ・シリーズ[1]。キェシロフスキとKrzysztof Piesiewiczが脚本を、音楽をZbigniew Preisnerが担当した[2]。10話の1時間フィルムで構成され、十戒をモチーフにしている[3]。現代ポーランドに住む役柄が直面するモラル・倫理的な問題が各話で扱われる。

このシリーズはキェシロフスキ作品で最も称賛されており、「テレビ作品では最もドラマティックな作品」と言われている[4]。国際的に多数の賞を受賞し、1990年代後半にヨーロッパ以外でも販売された[5]。1991年に出版された脚本の前書きでキューブリック監督はあこがれに満ちた文章を書いた[6]

制作[編集]

各話は独立しているが、大半がワルシャワの公営団地という設定である。役柄の何人かはお互いに知り合いである。キャストの多くは有名・無名の俳優で、多くが他のキェシロフスキ作品に出演している。いかにもキェシロフスキらしく大半の物語のトーンはメランコリックであるが、最終話『ある希望に関する物語』は『トリコロール:白』と同じくブラックコメディーである。

15世紀の芸術作品で十戒のテーマをそれぞれ古代のシーンに描いたものがあり、それを現代に翻案して生まれた。 監督はその哲学的挑戦に興味を抱き、ポーランド社会の難題、初期には避けていた政治的問題も描くことにした。 元々は十人の監督を雇うつもりだったが、自分で撮ることにした。 ただ、撮影監督はバラバラにした。 例外として第3話と第9話はPiotr Sobocińskiが撮影した[7]

テーマ[編集]

それぞれのタイトルは数字で表された。Roger EbertのDVD解説によると[8]、キェシロフスキは「十戒に正確に即しているわけではなく、十戒に言及したことはない」と発言した。

エピソード[編集]

エピソード キャスト 撮影監督
デカローグ I Henryk Baranowski
Wojciech Klata
Maja Komorowska
Wieslaw Zdort
デカローグ II Krystyna Janda
Aleksander Bardini
Olgierd Łukaszewicz
Edward Klosinski
デカローグ III Daniel Olbrychski
Maria Pakulnis
Joanna Szczepowska
Piotr Sobociński
デカローグ IV Adrianna Biedrzyńska
Janusz Gajos
Adam Hanuszkiewicz
Krzysztof Pakulski
デカローグ V Miroslaw Baka
Jan Tesarz
Krzysztof Globisz
Sławomir Idziak
デカローグ VI Olaf Lubaszenko
Grażyna Szapołowska
Witold Adamek
デカローグ VII Anna Polony
Maja Barelkowska
Katarzyna Piwowarczyk
Dariusz Kuc
デカローグ VIII Teresa Marczewska
Maria Koscialkowska
Andrzej Jaroszewicz
デカローグ IX Ewa Blasczyk
Piotr Machalica
Jan Jankowski
Piotr Sobociński
デカローグ X Jerzy Stuhr
Zbigniew Zamachowski
Jacek Blawut

名前のない役柄がポーランドの俳優 Artur Barciśにより演じられ、超自然的な存在として描かれている。7と10を除くすべての話に登場しており、キーとなる瞬間に主人公を観察し、(手出しせずに)自由にやらせる。

Episode Artur Barciśが演じた役柄
Decalogue I 湖のそばで焚き木にあたっているホームレス
Decalogue II 病院の用務員
Decalogue III 車掌
Decalogue IV ボートをこぐ男
Decalogue V はしごをかつぐ工事作業員
Decalogue VI 食品袋を持つ男
Decalogue VII 出番なし[9]
Decalogue VIII 大学の学生
Decalogue IX 自転車をこぐ男
Decalogue X 登場せず

いくつかの話で牛乳が記号として使われている。

Episode 牛乳の登場シーン
Decalogue I 牛乳がすっぱい
Decalogue II 医者が常に牛乳を持ち歩く
Decalogue IV ミカルは最後に牛乳を買いに行く
Decalogue VI トメクが牛乳を運び、マグダがそれをひっくりかえす
Decalogue VII エヴァはアニアを母乳で育てようとし、ヴォジェクはマイカに「アニアには牛乳が必要だ」と説く
Decalogue IX 子供らが遊ぶのを見ながらロマンは牛乳を注ぐ

批評[編集]

デカローグはキューブリックなどの大物に称賛された[10]

DVDボックスはRotten Tomatoesで28のレビューがあり、評価平均が100%[11]。 Roger Ebert、Robert Fulfordなどの映画批評家も称賛した[12][13][14][15]

映画版[編集]

キェシロフスキは56の映画版『殺人に関する短編映画』と『愛に関する短編映画』を作った。同じキャストで、物語をわずかに変更している。映画版のほうがポーランド外で配給しやすいとのプロデューサーからの依頼に従った。

シリーズ自体は2000年に5枚組DVDボックスで発売された。

参照[編集]

外部リンク[編集]