センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド

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センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド
別名 SAHB
出身地 スコットランドの旗 スコットランド グラスゴー
ジャンル
活動期間 1972年 - 1978年
レーベル
公式サイト sahbofficial.co.uk
旧メンバー
  • アレックス・ハーヴェイ
  • ザル・グレミンソン
  • クリス・グレン
  • テッド・マッケンナ
  • ヒュー・マッケンナ
  • トミー・アイアー

センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド[注釈 1]The Sensational Alex Harvey BandSAHB) は、1972年に結成されたイギリスのロック・バンドである。1970年代にイギリスの庶民から支持を得た。

経歴[編集]

1950年代のイギリスにおけるスキッフル・ブームの最中にデビューしたアレックス・ハーヴェイは、ミュージカルヘアー』に出演したり、自らのソウル・バンドを組織してハンブルクへ遠征に出るなどして(同地ではゲイリー・グリッターとしのぎを削った)キャリアを積み重ねていた。

1970年代初頭、同郷出身のバンドであるティア・ガス(Tear Gus)の面々と知り合い、意気投合。センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド結成へ動く。

1972年、ヴァーティゴ・レコードよりアルバム『フレイムド』をリリースしデビューを飾る。基本となる音楽性はハードロックであったが、ハーヴェイの多彩な音楽遍歴を反映するかのように、ブルースブギミュージカル曲など様々な要素を内包するバンドに成長していく。グレミンソンはピエロのメイクをして演奏し、ライブでは高い演奏技術を基本にしながら、滑稽なパフォーマンスやシアトリカルな演出をふんだんに織り込み、大きな庶民的人気を獲得。

1978年、ヒューが脱退。アイアーが加入するが、ハーヴェイの体調不良が影響し、同年バンドは分解する。

解散後のメンバーの経歴[編集]

ハーヴェイはアレックス・ハーヴェイ・ザ・ニュー・バンド(Alex Harvey-The New Band)、エレクトリック・カウボーイズ(the Electric Cowboys)などを率いるが、1982年、心臓発作で急死。

グレミンソンは1981年まで同郷のバンド、ナザレスに参加。グレンとテッドはマイケル・シェンカー・グループ(MSG)に参加(テッドはその前にロリー・ギャラガー、G-Forceの一員としてゲイリー・ムーアグレッグ・レイクと活動していた)し、2017年からはマイケル・シェンカーの新プロジェクト「マイケル・シェンカー・フェスト」にも参加[2]。アイアーはハーヴェイとの活動のほか、ゲイリー・ムーア、マイケル・シェンカー、グレッグ・レイク、ワム!などとも活動をともにした。

1990年代からは別のボーカリストを加え、SAHBが何度か再結成されるようになり(キーボードはヒュー)、2000年前後からは継続的なライブ活動を行うようになる。ステージではSAHBの往年の曲のほか、テッドとグレンの経歴を反映してMSGの曲も演奏されている。2008年にグレミンソンが脱退し引退を表明した。

エピソード[編集]

  • 横縞のシャツは、ハーヴェイのトレード・マーク。
  • ストーン・ザ・クロウズのギタリストだったレス・ハーヴェイはアレックスの実弟。1972年にステージ上で感電死。
  • ROLLYがSAHBのファンであることを公言している。すかんちのシアトリカルな要素はSAHBを参考に作り出したことを明かしている[3]

メンバー[編集]

結成メンバー[編集]

テッドとヒューはいとこ同士。

途中参加メンバー[編集]

ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  • 『フレイムド』 - Framed (1972年)
  • 『センセイショナル!!』 - Next... (1973年)
  • 『見果てぬ夢 怪傑アレックス・ハーヴェイ・バンド』 - The Impossible Dream (1974年)
  • 『明日はセンセイショナル!』 - Tomorrow Belongs to Me (1975年)
  • 『ペントハウスの大騒動』 - The Penthouse Tapes (1976年)
  • 『アレックス・ハーヴェイの物語』 - SAHB Stories (1976年)
  • Rock Drill (1978年)

SAHB (without Alex)[編集]

  • Fourplay (1977年)

ライブ・アルバム[編集]

  • 『ライヴ!!オデオン座のセンセイション!』 - Live (1975年)
  • Alex Harvey Presents: The Loch Ness Monster (1977年)
  • 『ライヴ・イン・コンサート』 - BBC Radio 1 Live in Concert (1991年)
  • Live on the Test (1995年)
  • The Gospel According to Alex Harvey (1998年)
  • 『ブリティッシュ・ツアー '76』 - British Tour '76 (2004年)
  • 『USツアー'74』 - US Tour 74 (2006年)
  • Live at the BBC (Spectrum/Universal 2009年)

再結成アルバム[編集]

  • Live in Glasgow 1993 (1994年) (with Stevie Doherty on vocals)
  • Zalvation (2006年) ※with "Mad" Max Maxwell (ボーカル)。旧題『Zalvation: Live in the 21st Century』

コンピレーション・アルバムなど[編集]

  • Vambo Rools: 'Big Hits and Close Shaves' (1977年、Vertigo)
  • The Sensational Alex Harvey Band Collection (1986年、Castle Communications)
  • The Best of the Sensational Alex Harvey (1987年) ※全英148位[5]
  • All Sensations (1992年、Vertigo)
  • ...Delilah (1998年、Spectrum)
  • Faith Healer - An Introduction to (2001年、Mercury Records)
  • Considering the Situation (2003年、Universal)
  • 『ホット・シティ』 - Hot City (2009年) ※『見果てぬ夢 怪傑アレックス・ハーヴェイ・バンド』の初期バージョン[6]
  • Last of the Teenage Idols (2016年) ※14枚組CD、217曲入のボックスセット。未リリース21曲、CD初収録59曲、豊富でレアな録音とハードカバーの写真集が含まれている。
  • Shout: The Essential Alex Harvey (2018年、Spectrum Audio)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ センセイショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド」の表記もある。

出典[編集]

  1. ^ a b c d The Sensational Alex Harvey Band Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年12月11日閲覧。
  2. ^ マイケル・シェンカー・フェスト、ついにアルバム登場”. BARKS (2017年12月1日). 2018年2月27日閲覧。
  3. ^ 『bounce book HR/HM STANDARDS』TOKYO FM出版、2006年、141頁。ISBN 4-8874-5175-X 
  4. ^ 元マイケル・シェンカー・グループのドラマー、テッド・マッケンナ、死去”. berks (2019年1月21日). 2019年8月11日閲覧。
  5. ^ CHART LOG UK: NEW ENTRIES UPDATE : Chart Date: 06.08.2011”. Zobbel.de. 2014年8月6日閲覧。
  6. ^ Hot City: The 1974 Unreleased Album – Alex Harvey”. allmusic.com. 2012年6月13日閲覧。

外部リンク[編集]