グリーゼ436b

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グリーゼ436b
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Gliese-436-b.jpg
グリーゼ436bのイメージ画像
主星
恒星 グリーゼ436
星座 しし座
赤経 (α) 11h 42m 11.0941s[1]
赤緯 (δ) +26° 42′ 23.652″[1]
視等級 (mV) 10.68
距離 33.4 ly
(10.2 pc)
スペクトル分類 M2.5 V[1]
軌道要素
軌道長半径 (a) 0.0291±0.0004[2] AU
(4.35 Gm)
    2.85 mas
近点距離 (q) 0.0247 AU
(3.70 Gm)
遠点距離 (Q) 0.0335 AU
(5.01 Gm)
離心率 (e) 0.150±0.012[2]
周期 (P) 2.643904±0.000005[3] d
(0.007238489 y)
軌道傾斜角 (i) 85.8+0.21
−0.25
[3]°
近日点引数 (ω) 351±1.2°
近日点通過時刻 (T0) 2,451,551.716
±0.01 JD
準振幅 (K) 18.68±0.8 m/s
物理的性質
質量 (m) 22.2±1.0[2] M
半径 (r) 4.327±0.183[2][4] R
密度 (ρ) 1510 kg/m3
表面重力 (g) 1.18 g
表面温度 (T) 712±36[2] K
発見
発見日 2004年8月31日
発見者 ポール・バトラー
スティーブン・S・ヴォート
ジェフリー・マーシー
発見方法 視線速度法、トランジット法
観測場所 アメリカ合衆国の旗カリフォルニア州
現況 発表
参照データベース
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data
SIMBAD data

グリーゼ436b(Gliese 436bまたはGJ 436b[5])は、赤色矮星グリーゼ436の周りを公転する、海王星程度の大きさの太陽系外惑星である[6]。2009年2月時点で、CoRoT-7bに次ぎ、主星の前面を通過する惑星としては2番目に小さい。

発見[編集]

グリーゼ436bは、2004年にポール・バトラージェフリー・マーシーの率いるカーネギー研究所カリフォルニア大学バークレー校の惑星探査チームによって発見された。かに座55番星eとともに、下限の質量が海王星程度の新しい分類の惑星となった。

2005年1月11日には、NMSUによって、恒星の前面を通過する様子が自動記録されたが、この出来事は当時は全く気にされなかった[7]。2007年にグリオンらは、地球に対して恒星の前面を通過したり掠めたりする惑星について観測を行なった。通過の観測によって、グリーゼの正確な質量と半径はどちらも海王星と近いことが明らかとなり、グリーゼ436bはそれまで発見された中で最も小さい太陽系外惑星であることが分かった。直径は、海王星より約4000km、天王星より約5000㎞大きく、質量も若干大きい。主星から400万㎞の軌道を公転しており、これは太陽と水星の間の15倍接近している。

物理的な特徴[編集]

グリーゼ436bと地球の大きさの比較
グリーゼ436bの内部の推定構造

軌道周期は、わずか2日と15.5時間である。表面温度は712Kと推定されている[2]。この温度は、熱源が恒星からの放射だけである場合に予想される520Kよりもかなり高い。潮汐力からくるエネルギー全てでを合わせても、温度に対してこれほどの影響を与えることはなく[8]、発見者らは温室効果の影響だと推定している[9]

主な構成成分は様々な圧力の熱い「氷」であり[9][10]、惑星の重力のために固体状態になっていると考えられた[11]。この惑星は、木星型惑星として今とは違った場所で形成され、内側の軌道まで移動してきたと考えられている。そして今の位置まで来ると、コロナ質量放出によって、水素の層を吹き飛ばされたと考えられている[12]

しかし、氷だけではその半径に説明がつかない。惑星の半径を説明するためには、質量の10%に当たる水素とヘリウムからなる大気の層が必要である[2][3]。この考えで、氷の核を仮定する必要はなくなり、惑星はスーパーアースであると考えられる[13]

なお、この惑星からは大気中に含まれると予想されていたメタンが検出されていない[14]

軌道の特徴[編集]

この惑星の軌道は、測定ほど軌道離心率が高くないと考えられる。長い期間この離心率を維持するためには、他の惑星の存在を考える必要がある[2][15]。2008年9月、2005年1月11日にNMSUに観測された恒星通過のデータから、その軌道は0.08天文単位で、質量は12地球質量以下と計算された[7]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c LHS 310”. Simbad. Centre de Données astronomiques de Strasbourg. 2007年11月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Drake Deming; Joseph Harrington; Gregory Laughlin; Sara Seager; Navarro, Sarah B.; Bowman, William C.; Karen Horning (2007年). “Spitzer Transit and Secondary Eclipse Photometry of GJ 436b”. arXiv:0707.2778 [astro-ph]. 
  3. ^ a b c Bean, J.L. et al. (2008). “A Hubble Space Telescope transit light curve for GJ 436b”. Astronomy & Astrophysics. http://www.aanda.org/index.php?option=article&access=standard&Itemid=129&url=/articles/aa/abs/2008/30/aa10013-08/aa10013-08.html. 
  4. ^ Confirmed, Pont, F.; Gilliland, R. L.; Knutson, H.; Holman, M.; Charbonneau, D. (2008年). “Transit infrared spectroscopy of the hot neptune around GJ 436 with the Hubble Space Telescope”. arXiv:0810.5731v1 [astro-ph]. 
  5. ^ Maness et al. (2006). “The M Dwarf GJ 436 and its Neptune-Mass Planet”. Submitted to Publications of the Astronomical Society of the Pacific. http://xxx.lanl.gov/abs/astro-ph/0608260. 
  6. ^ Butler et al. (2004). “A Neptune-Mass Planet Orbiting the Nearby M Dwarf GJ 436”. The Astrophysical Journal 617: 580?588. doi:10.1086/425173. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/617/1/580/60944.html. 
  7. ^ a b Coughlin, Jeffrey L.; Stringfellow, Guy S.; Becker, Andrew C.; Mercedes Lopez-Morales; Fabio Mezzalira; Tom Krajci (2008年). “New observations and a possible detection of parameter variations in the transits of Gliese 436b”. arXiv:0809.1664v1 [astro-ph]. 
  8. ^ Brian Jackson; Richard Greenberg; Rory Barnes (2008年). “Tidal Heating of Extra-Solar Planets”. arXiv:0803.0026v1 [astro-ph]. 
  9. ^ a b M. Gillon et al. (2007). “Detection of transits of the nearby hot Neptune GJ 436 b” (PDF). Astronomy and Astrophysics 472 2: L13-L16. http://www.aanda.org/articles/aa/pdf/2007/35/aa7799-07.pdf. 
  10. ^ Shiga, David (2007年5月6日). “Strange alien world made of "hot ice"”. New Scientist. http://space.newscientist.com/article/dn11864-strange-alien-world-made-of-hot-ice-and-steam.html 2007年5月16日閲覧。 
  11. ^ Fox, Maggie (2007年5月16日). “Hot "ice" may cover recently discovered planet”. Science News (Scientific American.com). http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSN1621607620070516 2008年8月6日閲覧。 
  12. ^ H. Lammer et al. (2007). “The impact of nonthermal loss processes on planet masses from Neptunes to Jupiters”. Geophysical Research Abstracts 9 (07850). http://www.cosis.net/abstracts/EGU2007/07850/EGU2007-J-07850.pdf?PHPSESSID=1eb3a7a98603083dda25d18001ea2a33.  By analogy with Gliese 876 d.
  13. ^ E. R. Adams, S. Seager, and L. Elkins-Tanton (February 2008). “Ocean Planet or Thick Atmosphere: On the Mass-Radius Relationship for Solid Exoplanets with Massive Atmospheres” (PDF). The Astrophysical Journal 673: 1160?1164. doi:10.1086/524925. http://occult.mit.edu/_assets/documents/publications/Adams2008ApJ673_1160.pdf 2008年8月6日閲覧。. 
  14. ^ メタンのない系外惑星に研究者は困惑
  15. ^ Bean, Jacob L.; Andreas Seifahrt (2008年). “Observational Consequences of the Recently Proposed Super-Earth Orbiting GJ436”. arXiv:0806.3270v2 [astro-ph]. 

主な論文[編集]