うお座54番星

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うお座54番星
LuhmanTstarSpitzer (54 Psc).jpg
うお座54番星Aと褐色矮星うお座54番星B(円内)
データ
元期 J2000.0      Equinox J2000.0
星座 うお座
赤経 00h 39m 21.81s[1]
赤緯 +21° 15′ 01.7″[1]
視等級 (V) 5.80
特徴
スペクトル分類 K0V / T7.5V
U-B 色指数 0.57
B-V 色指数 0.85
変光星 Suspected
アストロメトリー
視線速度 (Rv) -34.2 km/s
固有運動 (μ) 赤経: -461.32 ± 0.33[1] ミリ秒/
赤緯: -370.02 ± 0.28[1] ミリ秒/
年周視差 (π) 90.42 ± 0.32[1] ミリ秒
距離 36.1 ± 0.1 光年
(11.06 ± 0.04 パーセク)
絶対等級 (MV) 5.65
詳細
質量 0.78 / 0.051 M
半径 0.944 ± 0.033[2] R
光度 0.48 L
表面温度 5,062 ± 88[2] K
金属量 110%
年齢 6.4 × 109[3]
他の名称
BD+20°85, GCTP 110.00, Gliese 27, HD 3651, HIP 3093, HR 166, LHS 1116, LTT 10224, SAO 74175
参照データベース
SIMBAD data

うお座54番星は、うお座の方角に約36光年の位置にある橙色矮星である。2002年の時点で、周囲を公転する太陽系外惑星の存在が確認されている。また2006年には、周囲を公転する褐色矮星が発見され、「連星」を形成していることが明らかとなった。

恒星系[編集]

太陽と比べたうお座54番星(左)の大きさ

うお座54番星はスペクトル型K0Vの橙色矮星であり、太陽質量の79%、光度は太陽の46%である。半径はCHARA arrayを用いて干渉法で直接測定され[2]、太陽の94%であった。自転周期は約48日間である。彩層活動と等時分析により、約51億歳と推定されている。水素より重い元素の割合は、太陽の約1.1倍である。

褐色矮星うお座54番星Bと太陽系外惑星うお座54番星bの想像図

2006年、うお座54番星の直接観測により、うお座54番星Aの伴星として褐色矮星が存在することが明らかとなった[4]。うお座54番星Bはスペクトル型T7.5Vの「メタン褐色矮星」であると考えられている。光度の比較により、準恒星は太陽の0.051倍(木星の50倍)の質量を持つことが分かった。グリーゼ570Dと同様に、この褐色矮星の表面温度は500から600℃であると考えられている。

うお座54番星Bがアメリカ航空宇宙局スピッツァー宇宙望遠鏡で直接撮影されると、褐色矮星は主星から約476億キロメートル離れたところに位置することが明らかとなった[5]。うお座54番星Bは、太陽系が存在することが分かっている恒星の周囲で見つかった、初の褐色矮星となった。

惑星系[編集]

2002年1月16日、ジェフリー・マーシーに率いられた天文学者のチームが、うお座54番星bと名付けられた太陽系外惑星の発見を発表した[6][7]。惑星の質量は木星質量の20%程度と推定され、土星と同程度の半径と質量を持つとみられている。

惑星は、親星から0.28天文単位の軌道を約62日間で公転しており、これは水星の軌道半径よりも短い。約0.63という高い軌道離心率を持つ。この扁平な軌道は、さらに遠い軌道に未知の惑星が存在し、重力を及ぼしているためであると提案されたが、系の中に褐色矮星が発見され、高い離心率には説明がついた。

うお座54番星の惑星[7]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 半径
b >0.227±0.023 MJ 0.296±0.017 62.206±0.021 0.618±0.051

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e van Leeuwen, F. (2007年). “HIP 3093”. Hipparcos, the New Reduction. 2009年12月5日閲覧。
  2. ^ a b c van Belle, Gerard T.; von Braun, Kaspar (2009). “Directly Determined Linear Radii and Effective Temperatures of Exoplanet Host Stars” (abstract). The Astrophysical Journal 694 (2): 1085-1098. doi:10.1088/0004-637X/694/2/1085. http://www.iop.org/EJ/abstract/0004-637X/694/2/1085/. (web Preprint)
  3. ^ Mamajek, Eric E.; Hillenbrand, Lynne A. (November 2008). “Improved Age Estimation for Solar-Type Dwarfs Using Activity-Rotation Diagnostics”. The Astrophysical Journal 687 (2): 1264-1293. Bibcode 2008ApJ...687.1264M. doi:10.1086/591785. 
  4. ^ Mugrauer et al. (2006). “HD 3651 B: the first directly imaged brown dwarf companion of an exoplanet host star” (abstract). Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Letters 373 (1): L31-L35. doi:10.1111/j.1745-3933.2006.00237.x. http://www3.interscience.wiley.com/journal/118593359/abstract.  web preprint
  5. ^ Luhman et al. (2007). “Discovery of Two T Dwarf Companions with the Spitzer Space Telescope”. The Astrophysical Journal 654 (1): 570-579. doi:10.1086/509073. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/654/1/570/65872.html. 
  6. ^ Fischer et al. (2003). “A Sub-Saturn Mass Planet Orbiting HD 3651”. The Astrophysical Journal 590 (2): 1081-1087. doi:10.1086/375027. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/590/2/1081/57495.html. 
  7. ^ a b Butler et al. (2006). “Catalog of Nearby Exoplanets”. The Astrophysical Journal 646 (1): 505-522. doi:10.1086/504701. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/646/1/505/64046.html. 

外部リンク[編集]

座標: 星図 00h 39m 21.8s, +21º 15' 01.7''