「谷山–志村予想」の版間の差分

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{{要改訳}}
{{要改訳}}
数学において、'''谷山・志村予想'''たにやましむらよそうTaniyama–Shimura conjecture)は、「すべての有理数体上に定義された[[楕円曲線]]は[[モジュラー形式|モジュラー]]であ」という主張であり、[[アンドリュー・ワイルズ]]とその弟子[[クリストフ・ブ]]、[[ブライアン・コンラッド]]、[[フレッド・ダイアモンド]]、[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]]らによって証明された。
数学の{{読み仮名_ruby不使用|'''谷山・志村予想'''|たにやましむらよそう|{{lang-en-short|Taniyama–Shimura conjecture}}}}とは、「[[有理数]]体上に定義された[[楕円曲線]]はすべて[[モジュラー形式|モジュラー]]であろう」という予想である。この予想は[[アンドリュー・ワイルズ]]と[[クリストフ・ブ]]、[[ブライアン・コンラッド]]、[[フレッド・ダイアモンド]]、[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]]らによって証明された{{Efn|コンラッドとダイアモンド、テイラーの3人はワイルズの学生である。{{MathGenealogy|id=9696|title=Andrew John Wiles}} 参照
}}。


今日では'''モジュラー性定理'''または'''モジュラリティ定理''' (modularity theorem) と呼ばれ、数論における一つの帰結考えられている。ワイルズは半安定楕円曲線における谷山・志村予想を証明することで[[フェルマーの最終定理]]証明した。
今日では'''モジュラー性定理'''または'''モジュラリティ定理'''(modularity theorem)と呼ばれ{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|text=Modularity Theorem|page=vii|vii}}}}20世紀学の快挙の一つとれている{{Sfn|Zagier|2008|p=46}}。ワイルズは半安定楕円曲線に対する谷山・志村予想を証明することで[[フェルマーの最終定理]]証明した{{Sfn|Zagier|2008|p=47}}


モジュラリティ定理は、[[ロバート・ラングランズ]]によるより一般的な予想の特別な場合でもある。[[ラングランズ・プログラム]]は、[[保型形式]]、あるいは[[保型表現]](適切なモジュラ形式の一般化)を、例えば[[代数体|数体]]上の任意の楕円曲線のような、より一般的な数論的代数幾何学の対象へ関連付けようとする。拡張された予想のうち、ほとんどのケースは未だ証明されていないが、{{harvtxt|Freitas|Le Hung|Siksek|2015}} が実二次体上定義された楕円曲線がモジュラーであることを証明した。
モジュラリティ定理は、[[ロバート・ラングランズ]]によるより一般的な予想の特別な場合でもある<ref>
{{Cite journal| doi = 10.2307/2324924| issn = 0002-9890| volume = 98| issue = 7| page = 606| last = Mazur| first = B.| title = Number theory as gadfly| journal = American Mathematical Monthly| date = 1991| url = https://doi.org/10.2307/2324924}}
</ref>。[[ラングランズ・プログラム]]は、[[保型形式]]、あるいは[[保型表現]](適切なモジュラ形式の一般化)を、例えば[[代数体|数体]]上の任意の楕円曲線のような、より一般的な数論的代数幾何学の対象へ関連付けようとする{{Sfn|Langlands|1997|p=1}}。拡張された予想のうち、ほとんどのケースは未だ証明されていない{{Sfn|Langlands|1997|p=12|ps=. Except for n = 1 and n = 2,these are scarcely accessible at present. と書いてある。}}が、{{harvtxt|Freitas|Le Hung|Siksek|2015}} が実二次体上定義された楕円曲線がモジュラーであることを証明した。


== 谷山・志村予想の内容 ==
== 谷山・志村予想の内容 ==
谷山・志村予想とは、[[志村五郎]]による定式化によれば任意の '''Q''' 上の[[楕円曲線]]は、ある整数 N に対する[[モジュラー曲線]](modular curve)
谷山・志村予想とは、[[志村五郎]]による定式化によれば{{Efn|
{{harvtxt|飯高・吉田|1994|p=178}} にある通り、志村は一貫してかつ意識的にこの予想に言及することを避けてきたので、「志村による定式化」と言ってもおそらく出版された志村の学術論文の中で以降に述べるような定式化を見つけることはできないと思われる。しかし、{{harvtxt|Langlands|1997|p=12}} に「Shimura’s reformulation」という言葉が見えるように、以降に述べるような代数幾何学的な定式化を「志村による定式化」と呼ぶようである。また、{{harvtxt|志村|2008}} の付録三においても、この代数幾何学的な定式化を志村は「私の予想」と呼んでいる。
}}、任意の '''Q''' 上の[[楕円曲線]]には、ある整数 {{mvar|N}} に対する[[モジュラー曲線]]

:<math>X_0(N)\ </math>
:<math>X_0(N)\ </math>
からの非定数{{仮リンク|有理写像|en|rational mapping}}(rational map)を通して得ることができる。この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ。Level N のモジュラのパラメタ表示と呼ばれる。N がそのようなパラメタ表示の中で最小の整数(モジュラリティ定理自体により、'''[[導手]]'''という数値として知られる)であれば、このパラメタ表示は、Weight 2 とLevel N の特殊なモジュラ形式、すなわち、(必要であれば[[同種 (数学)|同種]]に従い)正規化された 整数の[[モジュラー形式#q-展開|q-展開]]をもつ{{仮リンク|新形式|en|newform}}(newform)の生成する写像として、定義される。


からの非定数{{仮リンク|有理写像|en|rational mapping}}が存在する、というものである{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|text=Modularity Theorem|page=292|292}}}}{{Efn|
モジュラリティ定理は、次の[[谷山豊]]による解析的なステートメントにも言い換えられる。'''Q''' 上の楕円曲線 E [[ハッセ・ヴェイユのゼータ函数|楕円曲線のL-函数]]を対応させる。このL-函数は、[[ディリクレ級数]]であり、
ここに挙げた参考文献では「非定数有理写像」ではなく「全射の射」が存在する、と定式化しているが、非特異かつ基礎体上固有な代数曲線についてはどちらでも同じことになる。[https://stacks.math.columbia.edu/tag/0BY1 The Stacks project, Tag 0BY1]や[https://math.stackexchange.com/questions/553217/rational-map-on-smooth-projective-curve Rational map on smooth projective curve]、
[https://math.stackexchange.com/questions/2336888/morphism-between-curves-constant-of-surjective Morphism between curves constant of surjective]を参照。
}}。この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ{{要説明|date=2022年10月}}{{Efn|モジュラー方程式という2変数の多項式があり、これで定義される曲線を非特異化したものが {{math|''X''{{sub|0}}(''N'')}} と {{math|'''Q'''}} 上同型になる{{Sfn|Milne|2006|p=186}}。しかしこの多項式は特異点を持つので、「この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ」という記載の根拠になり得ない。[https://projecteuclid.org/journals/tokyo-journal-of-mathematics/volume-18/issue-2/Defining-Equations-of-Modular-Curves-X_0N/10.3836/tjm/1270043475.full こうした研究]があることを考えると、{{math|''X''{{sub|0}}(''N'')}} の定義方程式を見つけることは非自明な問題と思われる。したがって「この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ」という記載は妥当ではないと考えられる。
}}。レベル {{mvar|N}} の{{訳語疑問点範囲|モジュラのパラメタ表示|date=2022年11月|modular parametrization|cand_prefix=原文}}(modular parametrization)と呼ばれる<ref>
{{Google検索|modular parametrization of level N}}</ref>{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|text=modular parameterization|page=63|63}}}}。{{mvar|N}} がそのようなパラメタ表示の中で最小の整数(モジュラリティ定理自体により、'''[[導手]]'''という数値として知られる{{Efn|
{{harvtxt|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|text=analytic
conductor|page=292|292}}}} では、この整数を解析的導手と呼び、これが楕円曲線の導手に等しいことをモジュラー性定理の主張の一部としている{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=356|356}}}}。
}})であれば、このパラメタ表示は、重さ 2 でレベル {{mvar|N}} の特殊なモジュラ形式、すなわち、(必要であれば[[同種 (数学)|同種]]に従い{{Efn|
これは「followed if need be by an isogeny.」の翻訳と思われ、翻訳元の英語版に明記はないものの {{harvtxt|Knapp|1992|p=390}} が出典になっているものと思われる。この文献では follow を「写像の合成」の意で使っているようなので follow を「従い」と訳すのは誤訳だと思われる。また、同種の合成が必要なのはモジュラー性定理を「任意の有理数体上の楕円曲線は(同種による違いを除き)モジュラー曲線から Shimura construction で得られる」といった形で定式化するときであり、ここでの定式化であれば同種を持ち出す必要はないと思われる。
}}{{Efn|{{harvtxt|Cremona|1997|p=47}} にあるように、「モジュラのパラメタ表示」があれば、それで楕円曲線上の正則微分形式を引き戻すことで新形式 {{mvar|f}} が得られるので、この定式化では同種の楕円曲線に取り替える必要はない。}})正規化された整数の[[モジュラー形式#q-展開|q-展開]]をもつ{{Efn|「整数をフーリエ係数に持つ」の意と思われる。}}{{仮リンク|新形式|en|newform}}(newform)の生成する写像として、定義される{{Efn|{{harvtxt|Cremona|1997|p=47}} によれば、「新形式の生成する写像」が「モジュラのパラメタ表示」になるのではなく、新形式の'''不定積分'''により定義される写像が「モジュラのパラメータ表示」になる。}}。

モジュラリティ定理は、次の[[谷山豊]]による解析的なステートメントにも言い換えられる{{Efn|谷山は谷山・志村予想を正確な形で述べたことはない{{Sfn|志村|2008|loc=付録三}}ことには注意が必要}}。{{math|'''Q'''}} 上の楕円曲線 {{mvar|E}} [[ハッセ・ヴェイユのゼータ函数|楕円曲線のL-函数]]を {{math|''L''(''s'', ''E'')}} とする。このL-函数は、[[ディリクレ級数]]であり、
:<math>L(s, E) = \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n^s}</math>
:<math>L(s, E) = \sum_{n=1}^\infty \frac{a_n}{n^s}</math>
と表すことができる。
と表すことができる。


従って、係数 <math>a_n</math> の[[母函数]]は、
係数 <math>a_n</math> の一種の[[母函数]]
:<math>f(q, E) = \sum_{n=1}^\infty a_n q^n</math>
:<math>f(q, E) = \sum_{n=1}^\infty a_n q^n</math>
る。
定義する。{{mvar|q}} に


:<math>q = e^{2 \pi i \tau}\ </math>
:<math>q = e^{2 \pi i \tau}\ </math>
を代入すると、複素変数 '''τ''' の函数 <math>f(\tau, E)</math> の[[フーリエ級数|フーリエ展開]]の形に書くことがき、従って、q-展開の係数は <math>f</math> のフーリエと考えることができる。この方法で得られた函数注目すべきことに、ウェイト 2 でレベル N の[[カスプ形式]]であり、(モジュラ形式でもあるので)[[ヘッケ作用素]]の固有ベクトルなっている。これ'''ハッセ・ヴェイユ予想'''(Hasse–Weil conjecture)であり、モジュラリティ定理より従うこととなる
を代入すると、上半平面上の複素変数 '''τ''' の函数 <math>f(\tau, E)</math> が得られる。これは一種の[[フーリエ級数]]でる。このようにして得られた函数重さ 2 でレベル {{mvar|N}}新形式{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=362|362}}}}、特に正規化された[[カスプ形式]]であり[[ヘッケ作用素]]の同時固有形式である{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=195|195}}}}、というのがモジュラリティ定理の別の述べ方である。これから {{mvar|E}} に対する'''ハッセ・ヴェイユ予想'''(Hasse–Weil conjecture)従う{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=362|362}}}}


逆に、ウェイト 2 のモジュラ形式は、楕円曲線の{{仮リンク|正則微分|en|holomorphic differential}}(holomorphic differential)に対応する。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種を同一視すると、ウェイト 2 のヘッケ固有形式に対応する既約[[アーベル多様体]]の積として書くことができる。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在、すべてではないが、ヘッケ固有形式が有理楕円曲線へ対応する。)曲線は、対応するカスプ形式より得れるので、この方法で構成され曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない)。
逆に、重さ 2 の有理数係数の新形式は、有理数体上定義された楕円曲線の{{仮リンク|正則微分|en|holomorphic differential}}(holomorphic differential)に対応する{{Sfn|Cremona|1997|pp=24-25, 47}}。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種によ違いを除くと、重さ 2 のヘッケ固有形式に対応する既約[[アーベル多様体]]の積として書くことができる{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=244|244}}}}。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在するのでこの積表示に出てくるアーベル多様体がすべて楕円曲線であるわけではない。有理数係数のヘッケ固有形式に対応するアーベル多様体が楕円曲線になっている。)有理数体上の楕円曲線の {{mvar|L}} 函数に対応するカスプ形式らこの方法で構成される楕円曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない){{Efn|楕円曲線が同種ならその {{mvar|L}} 函数は等しく{{Sfn|Milne|2006|p=196}}、この {{mvar|L}} 函数に対応するカスプ形式は定義より唯一であることによる。}}
<!--== Statement ==
<!--== Statement ==
The [[theorem]] states that any [[elliptic curve]] over '''Q''' can be obtained via a [[rational map]] with [[integer]] [[coefficient]]s from the [[classical modular curve]]
The [[theorem]] states that any [[elliptic curve]] over '''Q''' can be obtained via a [[rational map]] with [[integer]] [[coefficient]]s from the [[classical modular curve]]
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与えられた<math>f\in \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma \right)</math>から作られる 1形式 <math>\omega\left( f \right)</math> は一意的
与えられた<math>f\in \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma \right)</math>から作られる 1形式 <math>\omega\left( f \right)</math> は一意的
(本質的に、<math>f(\tau) d \tau</math> に等しい{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=227}})。つまり、写像
(本質的に、<math>f(\tau) d \tau</math> に等しい{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=227|227}}}})。つまり、写像
:<math>\omega : \mathcal{S}_{2}\left( \Gamma \right) \rightarrow \Omega^{1}_{hol} \left( X \right),</math>
:<math>\omega : \mathcal{S}_{2}\left( \Gamma \right) \rightarrow \Omega^{1}_{hol} \left( X \right),</math>
は同相である。よって、その双対写像
は同相である。よって、その双対写像
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<math>\mathrm{Jac}( X \left( \Gamma \right))
<math>\mathrm{Jac}( X \left( \Gamma \right))
:= \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma \right)^{\wedge} / \omega^{\wedge}\left( H_{1} \left( X \left( \Gamma \right), \mathbb{Z} \right) \right)</math>
:= \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma \right)^{\wedge} / \omega^{\wedge}\left( H_{1} \left( X \left( \Gamma \right), \mathbb{Z} \right) \right)</math>
{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=231}}。
{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=231|231}}}}。


モジュラー曲線を直接扱わずヤコビアンを扱うことには以下のような理由があることを留意すべきである。1つは、モジュラー曲線にカスプを加えてコンパクト化したリーマン面は一般に種数 <math>g\ge 0</math> であり、<math>g > 1</math> の場合、群構造を持たなくなるのに対して、ヤコビアンの方はその場合でも群構造を持っているので扱いやすい点{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=211}}と、もう1つはモジュラー曲線をヤコビアンに埋め込むことができる{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=215}}点である。
モジュラー曲線を直接扱わずヤコビアンを扱うことには以下のような理由があることを留意すべきである。1つは、モジュラー曲線にカスプを加えてコンパクト化したリーマン面は一般に種数 <math>g\ge 0</math> であり、<math>g > 1</math> の場合、群構造を持たなくなるのに対して、ヤコビアンの方はその場合でも群構造を持っているので扱いやすい点{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=211|211}}}}と、もう1つはモジュラー曲線をヤコビアンに埋め込むことができる{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=215|215}}}}点である。


=== 新形式に付随するアーベル多様体 ===
=== 新形式に付随するアーベル多様体 ===
{{仮リンク|新形式|en|new form}}(new form)<math>f \in \mathcal{S}_{2}\left(\Gamma_{0}\left( N \right)\right)</math>に対して、[[アーベル多様体]] <math>A_{f}</math>を
{{仮リンク|新形式|en|new form}}(new form)<math>f \in \mathcal{S}_{2}\left(\Gamma_{0}\left( N \right)\right)</math>に対して、[[アーベル多様体]] <math>A_{f}</math>を
:<math>A_{f} := J_{0}\left( N \right) / I_{f} J_{0}\left( N \right),</math>
:<math>A_{f} := J_{0}\left( N \right) / I_{f} J_{0}\left( N \right),</math>
によって定義する{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=246}}。ただし、<math>I_{f}</math>は、
によって定義する{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=246|246}}}}。ただし、<math>I_{f}</math>は、
:<math>I_{f} := \{T \in \mathbb{T}_{Z}:= \mathbb{Z}[T_{p}, \langle d \rangle]| T f = 0\}</math>。
:<math>I_{f} := \{T \in \mathbb{T}_{Z}:= \mathbb{Z}[T_{p}, \langle d \rangle]| T f = 0\}</math>。
ここで<math>T_{p}</math>を[[ヘッケ作用素]]、<math>\langle d \rangle</math>をダイアモンド作用素{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=241}}である。即ち<math>\mathbb{T}_{Z}</math>は整数係数の[[ヘッケ環]]である。
ここで<math>T_{p}</math>を[[ヘッケ作用素]]、<math>\langle d \rangle</math>をダイアモンド作用素{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=241|241}}}}である。即ち<math>\mathbb{T}_{Z}</math>は整数係数の[[ヘッケ環]]である。
(アーベル多様体<math>A_{f}</math>の次元は<math>\mathbb{[K}_{f}: \mathbb{Q}] = 1</math>である。ただし、<math>K_{f} := \mathbb{Q}\left(\{a_{n}\}\right)</math>は<math>f(\tau) = \sum^{\infty}_{n=1} a_{n} q^{n}</math>の[[代数体|数体]]である{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=234}}){{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=359}}。
(アーベル多様体<math>A_{f}</math>の次元は<math>\mathbb{[K}_{f}: \mathbb{Q}] = 1</math>である。ただし、<math>K_{f} := \mathbb{Q}\left(\{a_{n}\}\right)</math>は<math>f(\tau) = \sum^{\infty}_{n=1} a_{n} q^{n}</math>の[[代数体|数体]]である{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=234|234}}}}){{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=359|359}}}}。


ここで<math>T</math>を<math>T_{p}</math>または<math>\langle d \rangle</math>とするとき、これはヤコビアン<math>J_{0} \left( N \right) := \mathrm{Jac} \left( X_{0} \left( N\right)\right)</math>に以下のように作用する{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=229}}。
ここで<math>T</math>を<math>T_{p}</math>または<math>\langle d \rangle</math>とするとき、これはヤコビアン<math>J_{0} \left( N \right) := \mathrm{Jac} \left( X_{0} \left( N\right)\right)</math>に以下のように作用する{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=229|229}}}}。
:<math>T : J_{0} \left( N \right) \rightarrow J_{0} \left( N \right),\quad
:<math>T : J_{0} \left( N \right) \rightarrow J_{0} \left( N \right),\quad
[\varphi]\mapsto[\varphi \circ T], \quad \varphi \in \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma_{0} \left( N \right) \right)^{\wedge}.</math>
[\varphi]\mapsto[\varphi \circ T], \quad \varphi \in \mathcal{S}_{2} \left( \Gamma_{0} \left( N \right) \right)^{\wedge}.</math>
これは、double coset operatorの定義と、ヘッケ作用素がdouble coset operatorの特殊な場合であることから導かれる{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=229}}。なお、記号<math>[\quad]</math>は同値類の意味である。
これは、double coset operatorの定義と、ヘッケ作用素がdouble coset operatorの特殊な場合であることから導かれる{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=229|229}}}}。なお、記号<math>[\quad]</math>は同値類の意味である。


=== モジュラー曲線のヤコビアンの分解 ===
=== モジュラー曲線のヤコビアンの分解 ===
この時、ヤコビアン<math>J_{0} \left( N \right):= \mathrm{Jac}( X_{0} \left( N \right))</math>は、ヘッケ作用素によって次のように分解される{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=246}}。
この時、ヤコビアン<math>J_{0} \left( N \right):= \mathrm{Jac}( X_{0} \left( N \right))</math>は、ヘッケ作用素によって次のように分解される{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=246|246}}}}。
:<math>J_{0} \rightarrow \bigoplus_{f}\left(A_{f}\right)^{m_{f}}.</math>
:<math>J_{0} \rightarrow \bigoplus_{f}\left(A_{f}\right)^{m_{f}}.</math>
ここで、<math>f</math>に関する和は、新形式<math>f\in\mathcal{S}_{2}\left(\Gamma_{0}\left( M_{f}\right)\right)</math>に
ここで、<math>f</math>に関する和は、新形式<math>f\in\mathcal{S}_{2}\left(\Gamma_{0}\left( M_{f}\right)\right)</math>に
入れたある同値関係によって分類される同値類の代表元についての和{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=244}}{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=246}}、
入れたある同値関係によって分類される同値類の代表元についての和{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=244|244}}}}{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=246|246}}}}、
<math>M_{f}</math>は<math>N</math>の約数、<math>m_{f}</math>は<math>N/M_{f}</math>の約数の数である{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=244}}。
<math>M_{f}</math>は<math>N</math>の約数、<math>m_{f}</math>は<math>N/M_{f}</math>の約数の数である{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=244|244}}}}。
また、写像<math>\rightarrow</math>は、同種({{lang|en|isogeny}}, 2つのトーラス間に成立する正則な準同型写像のこと。ここで、トーラスは必ずしも種数<math>g=1</math>でなくてよい。)の意味である{{Sfn|Diamond and Schurman|2005|p=246}}。
また、写像<math>\rightarrow</math>は、同種({{lang|en|isogeny}}, 2つのトーラス間に成立する正則な準同型写像のこと。ここで、トーラスは必ずしも種数<math>g=1</math>でなくてよい。)の意味である{{Sfn|Diamond|Schurman|2005|p={{Google books quote|id=d8JS2Ui8iT8C|page=246|246}}}}。


<math>A_{f}</math>は<math>1</math>次元アーベル多様体であるから複素トーラスに同相、したがって楕円曲線に同相である。このようにして構成された楕円曲線(に同種な楕円曲線)を'''モジュラーな楕円曲線'''と言う{{Sfn|黒川ほか|2005|p=590}}。
<math>A_{f}</math>は<math>1</math>次元アーベル多様体であるから複素トーラスに同相、したがって楕円曲線に同相である。このようにして構成された楕円曲線(に同種な楕円曲線)を'''モジュラーな楕円曲線'''と言う{{Sfn|黒川ほか|2005|p=590}}。
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[[アンドリュー・ワイルズ]](Andrew Wiles、[[プリンストン大学]]教授)により、この予想はまず半安定な場合について解決された(1993~1995年)。ワイルズが1993年に発表した証明には一箇所致命的なギャップが存在したため、その修正に当っては[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]](Richard Taylor)も貢献した。1994年9月、ワイルズはギャップを回避することに成功し、修正された証明は翌1995年に2編の論文として出版された{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995a}}{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995b}}。このことにより、ワイルズは谷山・志村予想の系である[[フェルマーの最終定理|フェルマー予想]]をも解決した。
[[アンドリュー・ワイルズ]](Andrew Wiles、[[プリンストン大学]]教授)により、この予想はまず半安定な場合について解決された(1993~1995年)。ワイルズが1993年に発表した証明には一箇所致命的なギャップが存在したため、その修正に当っては[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]](Richard Taylor)も貢献した。1994年9月、ワイルズはギャップを回避することに成功し、修正された証明は翌1995年に2編の論文として出版された{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995a}}{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995b}}。このことにより、ワイルズは谷山・志村予想の系である[[フェルマーの最終定理|フェルマー予想]]をも解決した。


一般の場合については2001年に[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]]([[ハーバード大学]]教授)、[[ブライアン・コンラッド]]([[ミシガン大学]]教授)、[[フレッド・ダイアモンド]]([[ブランダイス大学]]教授)、{{仮リンク|クリストフ・ブイユ|en|Christophe Breuil}}([[IHES]]長期研究員)の4人による共著論文''On the modularity of elliptic curves over Q''により肯定的に解決された{{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}}。
一般の場合については2001年に[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]]([[ハーバード大学]]教授)、[[ブライアン・コンラッド]]([[ミシガン大学]]教授)、[[フレッド・ダイアモンド]]([[ブランダイス大学]]教授)、[[クリストフ・ブイユ]]([[IHES]]長期研究員)の4人による共著論文''On the modularity of elliptic curves over Q''により肯定的に解決された{{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}}。
<!--1995年、[[アンドリュー・ワイルズ]]は{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995}}で、[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]](Richard Taylor)の助けも借りて、全ての{{仮リンク|半安定楕円曲線]]についての谷山・志村予想を証明した。この証明方法は、[[フェルマーの最終定理]]の証明にも使われ、谷山・志村予想の全体の証明にも使われ、{{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}} により最終的に証明された。彼らはワイルズの仕事を作り上げ、徐々に気付き上げる方法を取って、全結果を証明した。-->
<!--1995年、[[アンドリュー・ワイルズ]]は{{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995}}で、[[リチャード・テイラー (数学者)|リチャード・テイラー]](Richard Taylor)の助けも借りて、全ての{{仮リンク|半安定楕円曲線]]についての谷山・志村予想を証明した。この証明方法は、[[フェルマーの最終定理]]の証明にも使われ、谷山・志村予想の全体の証明にも使われ、{{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}} により最終的に証明された。彼らはワイルズの仕事を作り上げ、徐々に気付き上げる方法を取って、全結果を証明した。-->
<!--In 1995 {{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995}}, with some help from [[Richard Taylor (mathematician)|Richard Taylor]], proved the Taniyama–Shimura–Weil conjecture for all [[semistable elliptic curve]]s, which he used to prove [[Fermat's Last Theorem]], and the full Taniyama–Shimura–Weil conjecture was finally proved by {{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, and {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}} who, building on Wiles' work, incrementally chipped away at the remaining cases until the full result was proved.
<!--In 1995 {{harvs|txt|authorlink=Andrew Wiles|last=Wiles|year=1995}}, with some help from [[Richard Taylor (mathematician)|Richard Taylor]], proved the Taniyama–Shimura–Weil conjecture for all [[semistable elliptic curve]]s, which he used to prove [[Fermat's Last Theorem]], and the full Taniyama–Shimura–Weil conjecture was finally proved by {{harvtxt|Diamond|1996}}, {{harvtxt|Conrad|Diamond|Taylor|1999}}, and {{harvtxt|Breuil|Conrad|Diamond|Taylor|2001}} who, building on Wiles' work, incrementally chipped away at the remaining cases until the full result was proved.
{{further|Fermat's Last Theorem|Wiles' proof of Fermat's Last Theorem}}-->
{{further|Fermat's Last Theorem|Wiles' proof of Fermat's Last Theorem}}-->


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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

* {{Wikicite|ref={{Sfnref|Diamond and Schurman|2005}} |reference=F. Diamond and J. Schurman, A First Course in Modular Forms, Springer Verlag, 2005, ISBN 978-1441920058}}
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|last2 = Schurman
|first2 = J.
|authorlink1 = フレッド・ダイアモンド
|year = 2005
|title = A First Course in Modular Forms
|url = {{google books|d8JS2Ui8iT8C|A First Course in Modular Forms|plainurl=yes}}
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*{{Citation | last1=Freitas | first1=Nuno | last2 = Le Hung | first2 = Bao V. | last3 = Siksek | first3 = Samir | title=Elliptic curves over real quadratic fields are modular | year=2015 | journal={{仮リンク|Inventiones Mathematicae|en|Inventiones Mathematicae}} | issn=0020-9910 | volume=201 | issue=1 | pages=159–206 | doi=10.1007/s00222-014-0550-z | mr=3359051| arxiv=1310.7088 | bibcode=2015InMat.201..159F }}
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|黒川ほか|2005}} |reference=黒川重信、栗原将人、斎藤毅『数論II 岩澤理論と保型形式』岩波書店、2005年、ISBN 4-00005528-3。}}
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*{{Citation | last1=Wiles | first1=Andrew | author1-link=Andrew Wiles | title=Modular elliptic curves and Fermat's last theorem | jstor=2118559 | mr=1333035 | year=1995a | journal=[[Annals of Mathematics|Annals of Mathematics. Second Series]] | issn=0003-486X | volume=141 | issue=3 | pages=443–551}}
*{{Citation | last1=Wiles | first1=Andrew | author1-link=Andrew Wiles | title=Modular elliptic curves and Fermat's last theorem | jstor=2118559 | mr=1333035 | year=1995a | journal=[[Annals of Mathematics|Annals of Mathematics. Second Series]] | issn=0003-486X | volume=141 | issue=3 | pages=443–551}}
*{{Citation | last1=Wiles | first1=Andrew | author1-link=Andrew Wiles | title=Proceedings of the International Congress of Mathematicians, Vol. 1, 2 (Zürich, 1994) | publisher=Birkhäuser | location=Basel, Boston, Berlin | mr=1403925 | year=1995b | chapter=Modular forms, elliptic curves, and Fermat's last theorem | pages=243–245}}
*{{Citation | last1=Wiles | first1=Andrew | author1-link=Andrew Wiles | title=Proceedings of the International Congress of Mathematicians, Vol. 1, 2 (Zürich, 1994) | publisher=Birkhäuser | location=Basel, Boston, Berlin | mr=1403925 | year=1995b | chapter=Modular forms, elliptic curves, and Fermat's last theorem | pages=243–245}}
* {{Cite book|
|first = J.S.
|last = Milne
|year = 2006
|title = Elliptic Curves
|url = https://www.jmilne.org/math/Books/ectext6.pdf
|format = PDF
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* {{cite book
| first = Anthony W.
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| authorlink = Anthony W. Knapp
| year = 1992
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* {{Cite journal|和書| doi = 10.11429/sugaku1947.7.268 | volume = 7| issue = 4| pages = 268–272|author = 谷山豊ほか | title = 問題| journal = 数学| date = 1956 | ref = {{SfnRef|問題}}}}
* {{Cite journal|和書| doi = 10.11429/sugaku1947.7.268 | volume = 7| issue = 4| pages = 268–272|author = 谷山豊ほか | title = 問題| journal = 数学| date = 1956 | ref = {{SfnRef|問題}}}}
* {{Cite journal|和書| doi = 10.11429/sugaku1947.46.177| volume = 46| issue = 2| pages = 177–180| author1 = 飯高茂| authorlink1= 飯高茂| author2 = 吉田敬之| title = 谷山-志村予想の由来| journal = 数学| date = 1994 | ref = {{SfnRef|飯高・吉田|1994}} }}
* {{Cite journal|和書| doi = 10.11429/sugaku1947.46.177| volume = 46| issue = 2| pages = 177–180| author1 = 飯高茂| authorlink1= 飯高茂| author2 = 吉田敬之| title = 谷山-志村予想の由来| journal = 数学| date = 1994 | ref = {{SfnRef|飯高・吉田|1994}} }}

* {{Cite book| publisher = Springer| isbn = 978-3-540-74119-0| page = 1–103| editors = Jan Hendrik Bruinier, Gerard van der Geer, Günter Harder, Don Zagier, Kristian Ranestad (eds.)| last = Zagier| first = Don| title = The 1-2-3 of Modular Forms: Lectures at a Summer School in Nordfjordeid, Norway| chapter = Elliptic Modular Forms and Their Applications| location = Berlin, Heidelberg| series = Universitext| date = 2008| chapterurl = https://doi.org/10.1007/978-3-540-74119-0_1 | ref = harv}}
** 著者のホームページで公開しているPDFファイル:[https://people.mpim-bonn.mpg.de/zagier/files/doi/10.1007/978-3-540-74119-0_1/fulltext.pdf Elliptic modular forms and their applications]
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** [http://homepages.warwick.ac.uk/~masgaj/book/fulltext/ J.E. Cremona, ''Algorithms for Modular Elliptic Curves(second edition)''] -- 著者が全文をネット上で公開している。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://homepages.warwick.ac.uk/~masgaj/book/fulltext/ J.E. Cremona, ''Algorithms for Modular Elliptic Curves(second edition)''] -- 著者が全文をネット上で公開している。
* [http://mathematics-pdf.com/column/taniyama_shimura.html 谷山・志村予想について: MATHEMATICS.PDF]
* [http://mathematics-pdf.com/column/taniyama_shimura.html 谷山・志村予想について: MATHEMATICS.PDF]
* {{Wayback |url=http://toyokeizai.net/articles/-/2911 |title=(第35回)近世日本人数学者列伝~志村五郎~(前編)|オリジナル|東洋経済オンライン|新世代リーダーのためのビジネスサイト |date=20130304072754}}
* {{Wayback |url=http://toyokeizai.net/articles/-/2911 |title=(第35回)近世日本人数学者列伝~志村五郎~(前編)|オリジナル|東洋経済オンライン|新世代リーダーのためのビジネスサイト |date=20130304072754}}

2022年11月5日 (土) 00:42時点における版

数学の(たにやましむらよそう、: Taniyama–Shimura conjecture)とは、「有理数体上に定義された楕円曲線はすべてモジュラーであろう」という予想である。この予想はアンドリュー・ワイルズクリストフ・ブルイユブライアン・コンラッドフレッド・ダイアモンドリチャード・テイラーらによって証明された[注釈 1]

今日ではモジュラー性定理またはモジュラリティ定理(modularity theorem)と呼ばれ[1]、20世紀数学の快挙の一つとされている[2]。ワイルズは半安定楕円曲線に対する谷山・志村予想を証明することでフェルマーの最終定理を証明した[3]

モジュラリティ定理は、ロバート・ラングランズによるより一般的な予想の特別な場合でもある[4]ラングランズ・プログラムは、保型形式、あるいは保型表現(適切なモジュラ形式の一般化)を、例えば数体上の任意の楕円曲線のような、より一般的な数論的代数幾何学の対象へ関連付けようとする[5]。拡張された予想のうち、ほとんどのケースは未だ証明されていない[6]が、Freitas, Le Hung & Siksek (2015) が実二次体上定義された楕円曲線がモジュラーであることを証明した。

谷山・志村予想の内容

谷山・志村予想とは、志村五郎による定式化によれば[注釈 2]、任意の Q 上の楕円曲線には、ある整数 N に対するモジュラー曲線

からの非定数有理写像英語版が存在する、というものである[7][注釈 3]。この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ[要説明][注釈 4]。レベル Nモジュラのパラメタ表示[訳語疑問点](modular parametrization)と呼ばれる[9][10]N がそのようなパラメタ表示の中で最小の整数(モジュラリティ定理自体により、導手という数値として知られる[注釈 5])であれば、このパラメタ表示は、重さ 2 でレベル N の特殊なモジュラ形式、すなわち、(必要であれば同種に従い[注釈 6][注釈 7])正規化された整数のq-展開をもつ[注釈 8]新形式英語版(newform)の生成する写像として、定義される[注釈 9]

モジュラリティ定理は、次の谷山豊による解析的なステートメントにも言い換えられる[注釈 10]Q 上の楕円曲線 E楕円曲線のL-函数L(s, E) とする。このL-函数は、ディリクレ級数であり、

と表すことができる。

係数 の一種の母函数

で定義する。q

を代入すると、上半平面上の複素変数 τ の函数 が得られる。これは一種のフーリエ級数である。このようにして得られた函数が、重さ 2 でレベル N の新形式[13]、特に正規化されたカスプ形式でありヘッケ作用素の同時固有形式である[14]、というのがモジュラリティ定理の別の述べ方である。これから E に対するハッセ・ヴェイユ予想(Hasse–Weil conjecture)が従う[13]

逆に、重さ 2 の有理数係数の新形式は、有理数体上定義された楕円曲線の正則微分英語版(holomorphic differential)に対応する[15]。モジュラ曲線のヤコビ多様体は、同種による違いを除くと、重さ 2 のヘッケ固有形式に対応する既約アーベル多様体の積として書くことができる[16]。1-次元要素は楕円曲線である。(高次元要素も存在するので、この積表示に出てくるアーベル多様体がすべて楕円曲線であるわけではない。有理数係数のヘッケ固有形式に対応するアーベル多様体が楕円曲線になっている。)有理数体上の楕円曲線の L 函数に対応するカスプ形式からこの方法で構成される楕円曲線は、元々の曲線と同種である(一般には同型にはならない)[注釈 11]

モジュラーな楕円曲線

楕円曲線モジュラーな楕円曲線であるとはモジュラー曲線から射影代数曲線としての全射があること、と説明するのが最も簡潔である。これは上のL函数の一致という定義と同値である。またヤコビ多様体を使った言い換えも出来る。以下ではそれを説明する。

モジュラー曲線のヤコビアン

リーマン面 ヤコビアン(Jacobian(もしくはヤコビ多様体)は がコンパクト化されたモジュラー曲線である場合にはより明示的な表示が出来る。

この場合、 の要素は、 ウェイト 2 のカスプ形式と強く結びついている。

与えられたから作られる 1形式 は一意的 (本質的に、 に等しい[18])。つまり、写像

は同相である。よって、その双対写像

もまた同相であるからと同一視出来る。よって次のような定義は妥当である;

[19]

モジュラー曲線を直接扱わずヤコビアンを扱うことには以下のような理由があることを留意すべきである。1つは、モジュラー曲線にカスプを加えてコンパクト化したリーマン面は一般に種数 であり、 の場合、群構造を持たなくなるのに対して、ヤコビアンの方はその場合でも群構造を持っているので扱いやすい点[20]と、もう1つはモジュラー曲線をヤコビアンに埋め込むことができる[21]点である。

新形式に付随するアーベル多様体

新形式英語版(new form)に対して、アーベル多様体

によって定義する[22]。ただし、は、

ここでヘッケ作用素をダイアモンド作用素[23]である。即ちは整数係数のヘッケ環である。 (アーベル多様体の次元はである。ただし、数体である[24])[25]

ここでまたはとするとき、これはヤコビアンに以下のように作用する[26]

これは、double coset operatorの定義と、ヘッケ作用素がdouble coset operatorの特殊な場合であることから導かれる[26]。なお、記号は同値類の意味である。

モジュラー曲線のヤコビアンの分解

この時、ヤコビアンは、ヘッケ作用素によって次のように分解される[22]

ここで、に関する和は、新形式に 入れたある同値関係によって分類される同値類の代表元についての和[16][22]の約数、の約数の数である[16]。 また、写像は、同種(isogeny, 2つのトーラス間に成立する正則な準同型写像のこと。ここで、トーラスは必ずしも種数でなくてよい。)の意味である[22]

次元アーベル多様体であるから複素トーラスに同相、したがって楕円曲線に同相である。このようにして構成された楕円曲線(に同種な楕円曲線)をモジュラーな楕円曲線と言う[27]

与えられた、有理数係数を持ったからモジュラーな楕円曲線の方程式を構成するアルゴリズムについては文献[28]を参照せよ。

経緯

谷山・志村予想は、1955年9月に日光の国際シンポジウムで谷山豊が提出した2つの「問題」(問題12と問題13)[29]を原型とする[30]。これらの問題が互いに関連しているらしいことは谷山も気付いていたが、実は同じ命題の言い換えであることが後に判明した。谷山自身は若くして自殺したため、1960年代に谷山の盟友である志村五郎によって、代数幾何学的な解釈によって正確に定式化された[31][32]。その後、1967年のヴェイユによる研究によって広く知られるようになった[31]

内容的に「ゼータの統一」というテーマを扱う豪快な予想であり、数論の中心に位置するものの一つと目されるまでにいたったが、攻略自体は絶望視されていた。1984年秋、この予想からフェルマーの最終定理が出るというアイディアがゲルハルト・フライにより提示され、セールによる定式化を経て(フライ・セールのイプシロン予想英語版)、1986年夏にケン・リベットによって証明されたことにより俄然注目を集めたが、アンドリュー・ワイルズを除いては、まともに挑もうとする数学者は依然として現れなかった。

アンドリュー・ワイルズ(Andrew Wiles、プリンストン大学教授)により、この予想はまず半安定な場合について解決された(1993~1995年)。ワイルズが1993年に発表した証明には一箇所致命的なギャップが存在したため、その修正に当ってはリチャード・テイラー(Richard Taylor)も貢献した。1994年9月、ワイルズはギャップを回避することに成功し、修正された証明は翌1995年に2編の論文として出版された Wiles (1995a) Wiles (1995b)。このことにより、ワイルズは谷山・志村予想の系であるフェルマー予想をも解決した。

一般の場合については2001年にリチャード・テイラーハーバード大学教授)、ブライアン・コンラッドミシガン大学教授)、フレッド・ダイアモンドブランダイス大学教授)、クリストフ・ブルイユIHES長期研究員)の4人による共著論文On the modularity of elliptic curves over Qにより肯定的に解決されたDiamond (1996), Conrad, Diamond & Taylor (1999), Breuil et al. (2001)

呼称に関する議論

ヨーロッパの数学界にこの予想を最初に持ち込んだのが当時の数学界の権威であったアンドレ・ヴェイユであったため、欧米ではこの予想の呼称は「谷山=志村=ヴェイユ予想」「谷山=ヴェイユ予想」「ヴェイユ予想」と呼ばれることもある。しかし、数学者のサージ・ラングは谷山・志村予想の調査・研究を進めた上で、ヴェイユはこの予想には何の貢献もしていないことを明らかにした[33][34]。ちなみに普通ヴェイユ予想といえば非特異代数多様体上の合同ゼータ関数に関する定理のことをさす。

また志村は『記憶の切繪図』(筑摩書房、2008年)のなかで「有理数体上の楕円曲線はモジュラー関数で一意化される」という命題を「私の予想」と呼んでおり、谷山が1955年に提案した問題とは無関係だとしている。志村は

ここで「有理数体上の楕円曲線はモジュラー関数で一意化される」という私の予想について説明しておこう。これは一九六四年九月頃に私がふたりの数学者に話した[注釈 12]もので、その事はよく知られている。この予想はその三十数年後に証明されて、今では定理になっている。 ところで、これに関係ある言明を谷山豊がしているが、その意味と上記の私の言ったこととの関係を完全に理解している人は数学者も含めてほとんどいないのではないかと思われるので、その事を詳しく説明しよう。また私の口からはっきり言ってほしいと思っている人も多いであろう。
(中略)
私はこの問題に関する限り谷山と議論したことはない。はじめに書いたように私は私流の理論をひとりで構築していたから、彼のこの言明には全く重きをおいていなかった。その上、モジュラー関数以外のヘッケのいう保型形式は役に立たないと始から考えていたから無視していた。実はそれ以外に重要な保型形式があるが、そのことはここで考えない。また私は谷山と共著の本があるが、それは全く無関係である。もうひとつ書くと、一九五五年以後一九六〇年代にかけて、そういう代数曲線のゼータ関数を研究し、それを決定するなどという研究をしたのはおそらく私ひとりであったと思われる。谷山はそういうことはやらなかった。彼はヘッケの論文は読んでいたが、一変数の保型形式・関数の理論を自分のものにしていなかったように思われる。…

と述べている[35]

脚注

注釈

  1. ^ コンラッドとダイアモンド、テイラーの3人はワイルズの学生である。Andrew John Wiles - Mathematics Genealogy Project 参照。
  2. ^ 飯高・吉田 (1994, p. 178) にある通り、志村は一貫してかつ意識的にこの予想に言及することを避けてきたので、「志村による定式化」と言ってもおそらく出版された志村の学術論文の中で以降に述べるような定式化を見つけることはできないと思われる。しかし、Langlands (1997, p. 12) に「Shimura’s reformulation」という言葉が見えるように、以降に述べるような代数幾何学的な定式化を「志村による定式化」と呼ぶようである。また、志村 (2008) の付録三においても、この代数幾何学的な定式化を志村は「私の予想」と呼んでいる。
  3. ^ ここに挙げた参考文献では「非定数有理写像」ではなく「全射の射」が存在する、と定式化しているが、非特異かつ基礎体上固有な代数曲線についてはどちらでも同じことになる。The Stacks project, Tag 0BY1Rational map on smooth projective curveMorphism between curves constant of surjectiveを参照。
  4. ^ モジュラー方程式という2変数の多項式があり、これで定義される曲線を非特異化したものが X0(N)Q 上同型になる[8]。しかしこの多項式は特異点を持つので、「この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ」という記載の根拠になり得ない。こうした研究があることを考えると、X0(N) の定義方程式を見つけることは非自明な問題と思われる。したがって「この曲線には明示的に定義が与えられ、整数係数を持つ」という記載は妥当ではないと考えられる。
  5. ^ Diamond & Schurman (2005, p. 292) では、この整数を解析的導手と呼び、これが楕円曲線の導手に等しいことをモジュラー性定理の主張の一部としている[11]
  6. ^ これは「followed if need be by an isogeny.」の翻訳と思われ、翻訳元の英語版に明記はないものの Knapp (1992, p. 390) が出典になっているものと思われる。この文献では follow を「写像の合成」の意で使っているようなので follow を「従い」と訳すのは誤訳だと思われる。また、同種の合成が必要なのはモジュラー性定理を「任意の有理数体上の楕円曲線は(同種による違いを除き)モジュラー曲線から Shimura construction で得られる」といった形で定式化するときであり、ここでの定式化であれば同種を持ち出す必要はないと思われる。
  7. ^ Cremona (1997, p. 47) にあるように、「モジュラのパラメタ表示」があれば、それで楕円曲線上の正則微分形式を引き戻すことで新形式 f が得られるので、この定式化では同種の楕円曲線に取り替える必要はない。
  8. ^ 「整数をフーリエ係数に持つ」の意と思われる。
  9. ^ Cremona (1997, p. 47) によれば、「新形式の生成する写像」が「モジュラのパラメタ表示」になるのではなく、新形式の不定積分により定義される写像が「モジュラのパラメータ表示」になる。
  10. ^ 谷山は谷山・志村予想を正確な形で述べたことはない[12]ことには注意が必要。
  11. ^ 楕円曲線が同種ならその L 函数は等しく[17]、この L 函数に対応するカスプ形式は定義より唯一であることによる。
  12. ^ 飯高・吉田 (1994, p. 177) にセールとヴェイユに話したことが書かれている。

出典

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  3. ^ Zagier 2008, p. 47.
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  5. ^ Langlands 1997, p. 1.
  6. ^ Langlands 1997, p. 12. Except for n = 1 and n = 2,these are scarcely accessible at present. と書いてある。
  7. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 292.
  8. ^ Milne 2006, p. 186.
  9. ^ 「modular parametrization of level N」をGoogle検索する
  10. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 63.
  11. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 356.
  12. ^ 志村 2008, 付録三.
  13. ^ a b Diamond & Schurman 2005, p. 362.
  14. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 195.
  15. ^ Cremona 1997, pp. 24–25, 47.
  16. ^ a b c Diamond & Schurman 2005, p. 244.
  17. ^ Milne 2006, p. 196.
  18. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 227.
  19. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 231.
  20. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 211.
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  22. ^ a b c d Diamond & Schurman 2005, p. 246.
  23. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 241.
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  25. ^ Diamond & Schurman 2005, p. 359.
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  27. ^ 黒川ほか 2005, p. 590.
  28. ^ J.E. Cremona, Algorithms for Modular Elliptic Curves(second edition), Cambridge University Press, 1997, ISBN 978-0521598200.
  29. ^ 問題, p. 269.
  30. ^ 足立恒雄『フェルマーの大定理:整数論の源流』、ちくま学芸文庫、2006年、ISBN 4-480-09012-6、pp. 312–313.
  31. ^ a b 黒川ほか 2005, p. 589.
  32. ^ 黒川ほか 2005, p. 591.
  33. ^ 足立 1995, pp. 189–191.
  34. ^ ラング 1995.
  35. ^ 志村 2008, pp. 250–251.

参考文献

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外部リンク