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[[File:ARS red onion.jpg|thumb|食用球根の代表であるタマネギ(紫色品種)]] |
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⚫ | '''球根'''(きゅうこん)とは、[[宿根草]]のうち、根、茎、葉などの特定の部分に[[養分]]がたまって変形・肥大化してできた貯蔵器官<ref name="chishiki">『これだけは知っておきたい園芸の知識』 16頁。</ref><ref name="kyuumin">{{Cite journal |和書|author=大久保敬 |title=生物コーナー 球根の休眠 植物の生活環をどうとらえるか |url=https://doi.org/10.1271/kagakutoseibutsu1962.33.582 |accessdate=2020-02-19|naid=10004973043|journal=化学と生物 |volume=33 |issue=9 |date=1995 |doi=10.1271/kagakutoseibutsu1962.33.582 |publisher=日本農芸化学会}}</ref>。[[園芸]]や[[農学]]分野で用いられる[[用語]]である。 |
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2020年2月19日 (水) 02:00時点における版
球根(きゅうこん)とは、宿根草のうち、根、茎、葉などの特定の部分に養分がたまって変形・肥大化してできた貯蔵器官[1][2]。園芸や農学分野で用いられる用語である。
球根の分類
球根は以下の6種類の総称であるが、狭義には鱗茎だけをさす。塊根と担根体以外の4種は植物学的には地下茎である。
- 鱗茎(りんけい)
- タマネギのように、短縮茎に葉(鱗葉)が重なり合い層状になっているもので、他には、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウなどがある。ユリのように、爪状のはがれやすい肥厚化した鱗葉が瓦状に重なったものは鱗状鱗茎(うろこじょうりんけい)という[1]。食用のいわゆるユリ根は通常鱗茎に含まれる。また、ランの仲間には偽鱗茎と呼ばれる構造をもつものがあるが、これは構造的には塊茎に近い。
- 球茎(きゅうけい)
- 茎自身が肥大化して球状になったもので、葉鞘が乾燥した薄皮で包まれているもの。クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャクなど[1]。
- 塊茎(かいけい)
- 短縮した地下茎自身が肥大化し球状になったもので、薄皮で包まれていないもの。シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモなど[1]。
- 根茎(こんけい)
- 水平方向に伸びた地下茎が肥大化したもの。ライゾームともいう[2]。カンナ、ハス(レンコン)、ショウガなど[2][3]。
- 塊根(かいこん)
- 根の部分が肥大化したもの[2]。ダリア、サツマイモ、キャッサバなど[2][4]。
- 担根体(たんこんたい)
- 根でも茎でもない、ヤマノイモ属に特有の器官。ヤマノイモ、ナガイモなどのヤムイモ類。
植え付け時期による分類
球根は、植え付け時期により、春植え、夏植え、秋植えに分類される[3]。
- 春植え球根
- 春分のころから5月上旬に植え付けるもの。主に熱帯地方の原産で、寒さによわく、降霜で地上部がかれる。ダリア、グラジオラス、カンナ、チューベローズなど。このほかに、室内栽培専用のグロキシニア、球根ベゴニア、カラディウム、アキメネスなどがある[3]。
- 夏植え球根
- 秋植え秋咲き球根ともいう。しばしば秋植え球根にふくめられる。8月下旬から秋分のころに植え付け、晩秋から初冬に開花するもの。リコリス(彼岸花属)、ステルンベルギア、コルチカム、サフランなど[3]。
- 秋植え球根
- 10月から11月に植え付け、冬の寒さに感応して、花芽分化、花芽の伸長、茎葉の伸長がおこなわれて、翌年の春から初夏にかけて開花するもの。耐寒性種にチューリップ、ヒヤシンス、クロッカス、ムスカリ、ダッチアイリス、アネモネ、シラーなど[3]。半耐寒性種にラナンキュラス、フリージア、イキシア、バビアナ、スパラキシスなどがある。
脚注
参考文献
- 平城好明 著「太るのが一番 球根類」、日本放送協会 編 編『これだけは知っておきたい園芸の知識』(初版)日本放送出版協会〈別冊NHK趣味の園芸〉、1984年5月15日。ASIN B000J6U5SM。ISBN 9784146457133。全国書誌番号:85055067。