「X線分光撮像衛星」の版間の差分
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== 概要 == |
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⚫ | プリプロジェクトの段階では「X線天文衛星代替機 (X-ray Astronomy Recovery Mission: XARM)」という仮称で呼ばれていた<ref>田代信、前島弘則、戸田謙一[他], [https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsgaiyo/73.1/0/73.1_494/_article/-char/ja X線天文衛星代替機の現状] 日本物理学会講演概要集 2018年 73.1巻, セッションID 25pK307-8, p.494, {{doi|10.11316/jpsgaiyo.73.1.0_494}}</ref>が、プロジェクト移行時に「X線分光撮像衛星」と変更された{{R|JAXA20180802}}。他の日本の人工衛星と同様に名称を公募するかについては未定{{R|mext20180802}}。 |
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ひとみに搭載されていた硬X線関連や軟ガンマ線の観測機器は搭載されず、軟X線に絞った構成となっている{{R|mext20180802}}。 |
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== 観測機器 == |
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2台の軟X線反射鏡の焦点面に、それぞれX線マイクロカロリメータ分光撮像器 (Resolve) と広視野のX線CCDカメラ (Xtend) を搭載する{{R|cao20190507}}。観測機器のうち、Resolveは、NASA、ESA、オランダ宇宙研究機関 (SRON) が開発する{{R|JAXA20180802}}。 |
2台の軟X線反射鏡の焦点面に、それぞれX線マイクロカロリメータ分光撮像器 (Resolve) と広視野のX線CCDカメラ (Xtend) を搭載する{{R|cao20190507}}。観測機器のうち、Resolveは、NASA、ESA、オランダ宇宙研究機関 (SRON) が開発する{{R|JAXA20180802}}。 |
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* X線反射鏡 : 10秒角(HPD)の空間分解能を有する<ref name=jpsgaiyo.70.1.0_477>鶴剛、田中孝明、信川正順 [他]、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsgaiyo/70.1/0/70.1_477/_article/-char/ja/ 23pDK-12 軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画NGHXT] 日本物理学会講演概要集 70.1巻 (2015), セッションID: 23pDK-12, {{doi|10.11316/jpsgaiyo.70.1.0_477}}</ref>。 |
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* X線撮像検出器 : 0.5-80 keVという広帯域を1台でカバーする<ref name=jpsgaiyo.70.1.0_477 />。 |
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== 打ち上げ == |
== 打ち上げ == |
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2021年度中に、小型月着陸実証機[[SLIM]]を相乗りさせてH-IIAロケットで打ち上げることが予定されている{{R|JAXA20180802_2}}{{efn2|ひとみの不具合はちょうど小型月着陸実証機[[SLIM]]がプロジェクトに移行した時期と重なったため、SLIMも運用計画が見直された。その結果、H-IIAでXRISMに相乗りして打ち上げるほうが探査機重量を増やせるなどの利点があることから、相乗りが妥当と判断された{{R|JAXA20180802_2}}}}。 |
2021年度中に、小型月着陸実証機[[SLIM]]を相乗りさせてH-IIAロケットで打ち上げることが予定されている{{R|JAXA20180802_2}}{{efn2|ひとみの不具合はちょうど小型月着陸実証機[[SLIM]]がプロジェクトに移行した時期と重なったため、SLIMも運用計画が見直された。その結果、H-IIAでXRISMに相乗りして打ち上げるほうが探査機重量を増やせるなどの利点があることから、相乗りが妥当と判断された{{R|JAXA20180802_2}}}}。 |
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== ミッションの目的 == |
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太陽の数倍から10倍程度の質量をもつ[[恒星ブラックホール]]と、1億太陽質量を超える[[超大質量ブラックホール]]の間にある[[中間質量ブラックホール]]はミッシングブラックホールと呼ばれている<ref>牧野淳一郎, [https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri1946/57/5/57_5_330/_article/-char/ja 大質量ブラックホールの形成過程] 日本物理学会誌 2002年 57巻 5号 p.330-336, {{doi|10.11316/butsuri1946.57.330}}</ref>。この中間質量ブラックホールを探査し宇宙の形成史を解明する事にある<ref>中澤知洋, 森浩二, 村上弘志 [ほか]、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsgaiyo/72.1/0/72.1_508/_article/-char/ja 1-80 keV の広帯域X線を高感度で撮像分光する次世代の小型科学衛星計画 FORCE:2017年のステータス] |
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日本物理学会講演概要集 2017年 72.1巻, セッションID 20aK21-5, p.508, {{doi|10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_508}}</ref>。 |
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※森浩二(2016)「軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 NGHXT - Next Generation Hard X-ray Telescope -」より引用し改変<ref>{{PDFlink|[https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/560377/1/SA6000046259.pdf 軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 NGHXT - Next Generation Hard X-ray Telescope -]}} </ref> |
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== 脚注 == |
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== 外部リンク == |
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* 中澤知洋、森浩二、[https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/handle/a-is/609717 軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 FORCE- Focusing On Relativisticuniverseand Cosmic Evolution -] 2017年 第17回宇宙科学シンポジウム 講演集 |
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{{日本の宇宙探査機・人工衛星}} |
{{日本の宇宙探査機・人工衛星}} |
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{{デフォルトソート:えつくすせんふんこうさつそうえいせい}} |
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2019年12月12日 (木) 02:28時点における版
X線分光撮像衛星[1][2] XRISM[1][2] | |
---|---|
所属 | 宇宙科学研究所 (ISAS)/宇宙航空研究開発機構 (JAXA) |
主製造業者 | NECスペーステクノロジー[2] |
公式ページ | XRISM X線分光撮像衛星|JAXA |
国際標識番号 | 2023-137A |
カタログ番号 | 57800 |
目的 |
宇宙の構造形成と銀河団の進化、宇宙の物質循環の歴史、宇宙のエネルギー輸送と循環の研究 超高分解能X 線分光による新しいサイエンスの開拓 |
設計寿命 | 3年[2] |
打上げ機 | H-IIA[3][4] |
打上げ日時 | 2021年度予定[3][5] |
物理的特長 | |
最大寸法 | 7.9m x 9.2m x 3.1m[2] |
質量 | 2.3トン[2] |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 円軌道[2] |
高度 (h) | 550 ± 50 km[2] |
軌道傾斜角 (i) | 31度[2] |
観測機器[2] | |
Resolve |
軟X線分光検出器 soft X-ray spectrometer (SXS) |
Xtend |
軟X線撮像検出器 soft X-ray imager (SXI) |
X線分光撮像衛星[1][2](えっくすせんぶんこうさつぞうえいせい)、XRISM[1][2](クリズム[6]、X-Ray Imaging and Spectroscopy Mission)は、2016年に姿勢制御系の不具合のため短期間で運用終了したX線天文衛星「ひとみ」の代替機として、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究所 (ISAS) が2021年度打上げを目標に開発中のX線天文衛星[2]。ひとみと同じく、アメリカ航空宇宙局 (NASA) 、欧州宇宙機関 (ESA) との国際協力ミッションである[7]。特にNASAではJAXA主導の下に行うジョイント・プロジェクトとして位置付けしている[7]。
概要
プリプロジェクトの段階では「X線天文衛星代替機 (X-ray Astronomy Recovery Mission: XARM)」という仮称で呼ばれていた[8]が、プロジェクト移行時に「X線分光撮像衛星」と変更された[2]。他の日本の人工衛星と同様に名称を公募するかについては未定[9]。
ひとみに搭載されていた硬X線関連や軟ガンマ線の観測機器は搭載されず、軟X線に絞った構成となっている[9]。
観測機器
2台の軟X線反射鏡の焦点面に、それぞれX線マイクロカロリメータ分光撮像器 (Resolve) と広視野のX線CCDカメラ (Xtend) を搭載する[7]。観測機器のうち、Resolveは、NASA、ESA、オランダ宇宙研究機関 (SRON) が開発する[2]。
打ち上げ
2021年度中に、小型月着陸実証機SLIMを相乗りさせてH-IIAロケットで打ち上げることが予定されている[11][注 1]。
ミッションの目的
太陽の数倍から10倍程度の質量をもつ恒星ブラックホールと、1億太陽質量を超える超大質量ブラックホールの間にある中間質量ブラックホールはミッシングブラックホールと呼ばれている[12]。この中間質量ブラックホールを探査し宇宙の形成史を解明する事にある[13]。
上位となる科学目的 | 科学目標 | |
---|---|---|
フルサクセス | エクストラサクセス | |
巨大ブラックホールと銀河の共進化の解明 | 1) 埋もれた AGN の光度関数を決定し、 AGN のダウンサイジング進化の有無を明らかにすること |
|
中間質量ブラックホールの探査 | 2) 超高光度X線天体(ULX)の正体を明らかにすること | |
銀河系内ミッシングブラックホールの探査 | 3) 硬X線において、銀河中心付近に存在する LX = 1032erg s-1 の点源を捉えること |
※森浩二(2016)「軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 NGHXT - Next Generation Hard X-ray Telescope -」より引用し改変[14]
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “XRISM X線分光撮像衛星|JAXA”. ISAS/JAXA. 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o "X線分光撮像衛星(XRISM) プロジェクト移行審査の結果について" (PDF) (Press release). ISAS/JAXA. 2018-8-2. 2018-12-08閲覧。
{{cite press release2}}
:|date=
の日付が不正です。 (説明) - ^ a b “日本の打ち上げ予定”. 宇宙技術開発. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “X-ray Imaging and Spectroscopy Mission (XRISM)”. ゴダード宇宙センター. 2018年12月8日閲覧。
- ^ 國中均 (2019年10月25日). “宇宙科学・探査および国際宇宙探査に関する取り組み状況および今後の進め方について”. 宇宙航空研究開発機構. 2019年12月11日閲覧。
- ^ “平成30年7月理事長定例記者会見”. 宇宙航空研究開発機構. 2018年12月8日閲覧。
- ^ a b c “宇宙科学技術ロードマップ(2/2)”. ISAS/JAXA (2019年3月29日). 2019年12月11日閲覧。
- ^ 田代信、前島弘則、戸田謙一[他], X線天文衛星代替機の現状 日本物理学会講演概要集 2018年 73.1巻, セッションID 25pK307-8, p.494, doi:10.11316/jpsgaiyo.73.1.0_494
- ^ a b “宇宙開発利用部会(第43回) 議事録:文部科学省”. 文部科学省. 2018年12月8日閲覧。
- ^ a b 鶴剛、田中孝明、信川正順 [他]、23pDK-12 軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画NGHXT 日本物理学会講演概要集 70.1巻 (2015), セッションID: 23pDK-12, doi:10.11316/jpsgaiyo.70.1.0_477
- ^ a b "小型月着陸実証機(SLIM)の画見直しについて" (PDF) (Press release). ISAS/JAXA. 2 August 2018. 2019年11月7日閲覧。
- ^ 牧野淳一郎, 大質量ブラックホールの形成過程 日本物理学会誌 2002年 57巻 5号 p.330-336, doi:10.11316/butsuri1946.57.330
- ^ 中澤知洋, 森浩二, 村上弘志 [ほか]、1-80 keV の広帯域X線を高感度で撮像分光する次世代の小型科学衛星計画 FORCE:2017年のステータス 日本物理学会講演概要集 2017年 72.1巻, セッションID 20aK21-5, p.508, doi:10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_508
- ^ 軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 NGHXT - Next Generation Hard X-ray Telescope - (PDF)
外部リンク
- 中澤知洋、森浩二、軟X線から硬X線の広帯域を高感度で撮像分光する小型衛星計画 FORCE- Focusing On Relativisticuniverseand Cosmic Evolution - 2017年 第17回宇宙科学シンポジウム 講演集