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「陸羽地震」の版間の差分

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== 地震断層 ==
== 地震断層 ==
この地震は秋田県と岩手県の県境付近に南北方向に延びる横手盆地北部の東縁に位置する横手盆地東縁断層帯(白岩(しらいわ)・六郷断層群と、この断層群の東側に並行する川舟断層が)活動して発生した。その後の調査により[[田沢湖町]](現 [[仙北市]])から[[六郷町 (秋田県)|六郷町]](現 [[美郷町 (秋田県)|美郷町]])に至る約30kmの区間で[[地震断層]]の[[千屋断層]]が確認された。それによると、田沢湖町の生保内(おぼない)断層、[[角館町]](現 仙北市)から[[中仙町]](現 [[大仙市]])にかけての白岩断層、[[太田町 (秋田県)|太田町]](現 大仙市)の太田断層、[[千畑町]](現 美郷町)の[[千屋断層]]が垂直に最大3.5m変位(東側が上昇)した。また、岩手県[[和賀郡]][[沢内村]](現 [[西和賀町]])の川舟断層でも西側が最大で2m上昇している。
この地震は秋田県と岩手県の県境付近に南北方向に延びる横手盆地北部の東縁に位置する横手盆地東縁断層帯(白岩(しらいわ)・六郷断層群と、この断層群の東側に並行する川舟断層が)活動し地表には千屋断層や川舟断層などいくつかの断層が出現した<ref>[http://www.akita-u.ac.jp/honbu/social/column/item.cgi?column&7 秋田災害忘れじの旅ある記 その2 地震の痕跡と仙北郡の惨話【水田 敏彦】(24.6.14) ] 秋田大学</ref>。その後の調査により[[田沢湖町]](現 [[仙北市]])から[[六郷町 (秋田県)|六郷町]](現 [[美郷町 (秋田県)|美郷町]])に至る約30kmの区間で[[地震断層]]の[[千屋断層]]が確認された。それによると、田沢湖町の生保内(おぼない)断層、[[角館町]](現 仙北市)から[[中仙町]](現 [[大仙市]])にかけての白岩断層、[[太田町 (秋田県)|太田町]](現 大仙市)の太田断層、[[千畑町]](現 美郷町)の[[千屋断層]]が垂直に最大3.5m変位(東側が上昇)した。また、岩手県[[和賀郡]][[沢内村]](現 [[西和賀町]])の川舟断層でも西側が最大で2m上昇している。


== 誘発地震 ==
== 誘発地震 ==
約2か月半前の6月15日に発生した[[明治三陸地震]]の影響を受け、その震源域及び余震域から離れた地域で発生した[[誘発地震]]と考えられている<ref name="201103_tohoku">[http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/inducedeq/ 2011年 東北地方太平洋沖地震 過去に起きた大きな地震の余震と誘発地震] 東京大学地震研究所 広報アウトリーチ室</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20140826025241/http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~tamao/TohokuPaci_rikuu1896.html 1896年陸羽地震の謎] 弘前大学理 地球環境学科 地圏環境学講座 佐藤研究室</ref>。また、1891年[[濃尾地震]]との関連性を指摘する研究がある<ref>{{PDFlink|[http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf111-2/p212-221.pdf 吉田明夫, 青木元 - Journal of Geography, 2002 大地震の前に日本海沿岸の広域に現れた地震活動の静穏化]}} 東京地学協会</ref>。
約2か月半前の6月15日に発生した[[明治三陸地震]]の影響を受け、その震源域及び余震域から離れた地域で発生した[[誘発地震]]と考えられている<ref name="201103_tohoku">[http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/inducedeq/ 2011年 東北地方太平洋沖地震 過去に起きた大きな地震の余震と誘発地震] 東京大学地震研究所 広報アウトリーチ室</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20140826025241/http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~tamao/TohokuPaci_rikuu1896.html 1896年陸羽地震の謎] 弘前大学理 地球環境学科 地圏環境学講座 佐藤研究室</ref>。また、1891年[[濃尾地震]]との関連性を指摘する研究がある<ref>吉田明夫、青木元、「[https://doi.org/10.5026/jgeography.111.2_212 大地震の前に日本海沿岸の広域に現れた地震活動の静穏化] 地学雑誌 2002年 111巻 2号 p.212-221, {{doi|10.5026/jgeography.111.2_212}}</ref>。


== 出典 ==
== 出典 ==
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{{Reflist}}
* [http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/05sonota/rikuu/rikuu.html 陸羽地震] 国立科学博物館地震資料室
* [http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/05sonota/rikuu/rikuu.html 陸羽地震] 国立科学博物館地震資料室
* {{Cite journal|和書|author=水田敏彦 |author2=鏡味洋史 |title=1896.8.31 陸羽地震の秋田県における被害分布に関する文献調査 |date=2009-06 |publisher=日本建築学会 |journal=日本建築学会技術報告集 |volume=15 |number=30 |naid=40016793257 |pages=597-600 |doi=10.3130/aijt.15.963 |ref=harv}}
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2019年2月20日 (水) 05:38時点における版

陸羽地震
陸羽地震の位置(日本内)
陸羽地震
本震
発生日 1896年(明治29年)8月31日
発生時刻 17時6分27秒(JST
震央 日本の旗 日本 秋田県岩手県県境付近
北緯39.5度
東経140.7度(北緯42.5度分秒 東経140.7度分秒
規模    マグニチュード(M)7.2
最大震度    震度6
地震の種類 逆断層型大陸プレート内
被害
被害地域 秋田県・岩手県
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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陸羽地震(りくうじしん)は、1896年明治29年)8月31日午後5時06分27秒に、秋田県岩手県の県境にある真昼山地の直下(北緯39.5度、東経140.7度)で発生した逆断層型の内陸直下型地震大陸プレート内地震)である。

マグニチュード(M)は7.2、2008年(平成20年)の岩手・宮城内陸地震と並ぶ東北地方最大規模の直下型地震。震源は10kmより浅く、震源地付近で震度6、一部では震度7の揺れがあったと推定されている。被害は、横手盆地の内部と東側の山地に集中し、仙北郡の千屋・長信田・畑屋・飯詰・六郷などの集落では、全戸数の7割以上が全半壊した。全体では、死者209人、負傷者779人、家屋全壊5792戸、半壊3045戸、山崩れ9899箇所に及ぶ。

地震断層

この地震は秋田県と岩手県の県境付近に南北方向に延びる横手盆地北部の東縁に位置する横手盆地東縁断層帯(白岩(しらいわ)・六郷断層群と、この断層群の東側に並行する川舟断層が)活動し地表には千屋断層や川舟断層などいくつかの断層が出現した[1]。その後の調査により田沢湖町(現 仙北市)から六郷町(現 美郷町)に至る約30kmの区間で地震断層千屋断層が確認された。それによると、田沢湖町の生保内(おぼない)断層、角館町(現 仙北市)から中仙町(現 大仙市)にかけての白岩断層、太田町(現 大仙市)の太田断層、千畑町(現 美郷町)の千屋断層が垂直に最大3.5m変位(東側が上昇)した。また、岩手県和賀郡沢内村(現 西和賀町)の川舟断層でも西側が最大で2m上昇している。

誘発地震

約2か月半前の6月15日に発生した明治三陸地震の影響を受け、その震源域及び余震域から離れた地域で発生した誘発地震と考えられている[2][3]。また、1891年濃尾地震との関連性を指摘する研究がある[4]

出典

  • 陸羽地震 国立科学博物館地震資料室
  • 水田敏彦、鏡味洋史「1896.8.31 陸羽地震の秋田県における被害分布に関する文献調査」『日本建築学会技術報告集』第15巻第30号、日本建築学会、2009年6月、597-600頁、doi:10.3130/aijt.15.963NAID 40016793257 

関連項目

外部リンク