コンテンツにスキップ

「ナヌークサウルス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
en:Nanuqsaurus 00:48, 31 May 2018‎ UTC を部分的に翻訳
27行目: 27行目:
* ナヌークサウルス・ホグルンディ<br /><small>Fiorillo & Tykoski, 2014</small> ([[模式種]])
* ナヌークサウルス・ホグルンディ<br /><small>Fiorillo & Tykoski, 2014</small> ([[模式種]])
}}
}}
'''ナヌークサウルス'''(''Nanuqsaurus'')は、[[白亜紀]]後期の[[北極圏]]で発見された、[[ティラノサウルス科]]の恐竜の1属。
'''ナヌークサウルス'''(''Nanuqsaurus'')は、[[白亜紀]]後期[[マーストリヒチアン]]の[[アラスカ]]ノーススロープ(ブルックス山脈の斜面)プリンスクリーク層に生息していた、絶滅した[[ティラノサウルス科]]の恐竜の1属。部分的な頭骨の化石のみが発見されており、知られている種はナヌークサウルス・ホグルンディ1種のみである

== 概要 ==
== 概要 ==
ティラノサウルス科の中では小型な部類に属する。これは北極圏という過酷な気候のもと適応したものだと考えられている。かつては[[ゴルゴサウルス]]と同一視されていた。
[[File:Nanuqsaurus.png|thumb|left|頭部の復元図]]
ナヌークサウルスはティラノサウルス亜科の中では中型の部類であり、全長は[[ティラノサウルス]]の約半分にあたる6メートルと推定されている<ref>http://news.nationalgeographic.com/news/2014/03/140313-new-species-dinosaurs-tyrannosaurus-rex-animals-science/</ref>。この体格の小ささは北極圏という高緯度地域の過酷な気候のもと適応したものと古生物学者フィオリロとティコスキーは推測した<ref name="FT2014" />。

ナヌークサウルスの頭部には鋭い鼻筋があり、ティラノサウルスに近縁であったことを示唆している。近縁種の肉食恐竜の形態に基づき、ナヌークサウルスの頭骨の長さは60センチメートルから70センチメートル程度と推定されている<ref name="FT2014"/>。

ティラノサウルス亜科として同定された根拠としては、[[前頭葉]]と[[涙腺]]が吻の側に突出した長い構造により分けられている点、口腔先端に位置する歯が後方の歯より小型である点、頭頂部の骨が癒着した構造が挙げられる<ref name="FT2014"/>。

== 発見と命名 ==
[[2006年]]、アラスカノーススロープのキカク・テゴシーク採石場から中型の[[獣脚類]]の化石の断片が発見され、頭骨長は約60センチメートルから70センチメートルと推定された。初めは[[ゴルゴサウルス]]に、その後は[[アルバートサウルス]]に含まれていたが、ペロー自然科学博物館([[ダラス自然史博物館]])を経て新たな属であることが認められた<ref name="FT2014"/>。タイプ標本である「DMNH 21461」はプリンスクリーク層で発見されており、6910万年前の物である。頭骨の下顎の一部分から構成され、断片は互いに付近で発見された。頭頂葉の一部や前頭葉、右側の鼻腔、左側の歯列も発見されている<ref name="FT2014"/> The specimen is from a fully mature individual, as it has a smooth nasal contact.<ref name="FT2014">{{Cite journal| last1 = Fiorillo | first1 = A. R. | authorlink = Anthony Fiorillo| last2 = Tykoski | first2 = R. S. | authorlink2 = Ronald Tykoski| year = 2014| title = A Diminutive New Tyrannosaur from the Top of the World| url = http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0091287| editor-last = Dodson| editor-first = Peter| editor-link = Peter Dodson| journal = [[PLoS ONE]]| volume = 9| issue = 3| pages = e91287| doi = 10.1371/journal.pone.0091287| ref = {{sfnRef|Fiorillo & Tykoski|2014}} | pmid=24621577 | pmc=3951350}}</ref>
。標本は完全に成熟した個体であり、鼻筋が滑らかであった<ref name="FT2014">。

ナヌークサウルスは[[2014年]]にアンソニー・R・フィオリロとロナルド・S・ティコスキーにより記載・命名された。模式種はナヌークサウルス・ホグルンディである。属名は「[[ホッキョクグマ]]」を意味するnanuqとトカゲを意味するsaurosに由来する。種小名は、慈善事業家フォレスト・ホグランドの慈善事業などでの功績を称えたものである<ref name="FT2014"/>。

== 出典 ==
<references/>


{{Dinosaur-stub}}
{{Dinosaur-stub}}

2018年8月14日 (火) 14:00時点における版

ナヌークサウルス
生息年代: 中生代白亜紀後期, 69.1 Ma
ナヌークサウルスの復元図
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
約6910万年前
中生代白亜紀後期マーストリヒチアン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
階級なし : (未整理)真正爬虫類 Eureptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
階級なし : (未整理)主竜類 Archosaurs
(未整理)鳥頸類 Ornithodira
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : (未整理)コエルロサウルス類 Coelurosauria
上科 : ティラノサウルス上科 Tyrannosauroidea
: ティラノサウルス科 Tyrannosauridae
亜科 : ティラノサウルス亜科 Tyrannosaurinae
: ナヌークサウルス属 Nanuqsaurus
学名
Nanuqsaurus
Fiorillo & Tykoski, 2014
タイプ種
Nanuqsaurus hoglundi
Fiorillo & Tykoski, 2014
下位分類(
  • ナヌークサウルス・ホグルンディ
    Fiorillo & Tykoski, 2014 (模式種)

ナヌークサウルスNanuqsaurus)は、白亜紀後期マーストリヒチアンアラスカノーススロープ(ブルックス山脈の斜面)プリンスクリーク層に生息していた、絶滅したティラノサウルス科の恐竜の1属。部分的な頭骨の化石のみが発見されており、知られている種はナヌークサウルス・ホグルンディ1種のみである。

概要

頭部の復元図

ナヌークサウルスはティラノサウルス亜科の中では中型の部類であり、全長はティラノサウルスの約半分にあたる6メートルと推定されている[1]。この体格の小ささは北極圏という高緯度地域の過酷な気候のもと適応したものと古生物学者フィオリロとティコスキーは推測した[2]

ナヌークサウルスの頭部には鋭い鼻筋があり、ティラノサウルスに近縁であったことを示唆している。近縁種の肉食恐竜の形態に基づき、ナヌークサウルスの頭骨の長さは60センチメートルから70センチメートル程度と推定されている[2]

ティラノサウルス亜科として同定された根拠としては、前頭葉涙腺が吻の側に突出した長い構造により分けられている点、口腔先端に位置する歯が後方の歯より小型である点、頭頂部の骨が癒着した構造が挙げられる[2]

発見と命名

2006年、アラスカノーススロープのキカク・テゴシーク採石場から中型の獣脚類の化石の断片が発見され、頭骨長は約60センチメートルから70センチメートルと推定された。初めはゴルゴサウルスに、その後はアルバートサウルスに含まれていたが、ペロー自然科学博物館(ダラス自然史博物館)を経て新たな属であることが認められた[2]。タイプ標本である「DMNH 21461」はプリンスクリーク層で発見されており、6910万年前の物である。頭骨の下顎の一部分から構成され、断片は互いに付近で発見された。頭頂葉の一部や前頭葉、右側の鼻腔、左側の歯列も発見されている[2] The specimen is from a fully mature individual, as it has a smooth nasal contact.[2] 。標本は完全に成熟した個体であり、鼻筋が滑らかであった<ref name="FT2014">。

ナヌークサウルスは2014年にアンソニー・R・フィオリロとロナルド・S・ティコスキーにより記載・命名された。模式種はナヌークサウルス・ホグルンディである。属名は「ホッキョクグマ」を意味するnanuqとトカゲを意味するsaurosに由来する。種小名は、慈善事業家フォレスト・ホグランドの慈善事業などでの功績を称えたものである[2]

出典

  1. ^ http://news.nationalgeographic.com/news/2014/03/140313-new-species-dinosaurs-tyrannosaurus-rex-animals-science/
  2. ^ a b c d e f g Fiorillo, A. R.; Tykoski, R. S. (2014). Dodson, Peter. ed. “A Diminutive New Tyrannosaur from the Top of the World”. PLoS ONE 9 (3): e91287. doi:10.1371/journal.pone.0091287. PMC 3951350. PMID 24621577. http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0091287.