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:: この言語が各学問を記述する基盤となっている。論理学や倫理学であれ理論や道徳であれ、学問は言語で書かれる。各学習者の頭脳で基盤となる言語がしっかり確立していないので記するまでもなく学問が全く理解できない、ないしは、新たに記述することもできない。(なお[[古代ギリシア]]では[[古代ギリシア語]]が使われ、[[中世ヨーロッパ]]では[[ラテン語]]が国境をまたいで共通の[[外交]]や[[学術]]学問用[[国際言語]]として用いられた。)
:: この言語が各学問を記述する基盤となっている。論理学や倫理学であれ理論や道徳であれ、学問は言語で書かれる。各学習者の頭脳で基盤となる言語がしっかり確立していないので記するまでもなく学問が全く理解できない、ないしは、新たに記述することもできない。(なお[[古代ギリシア]]では[[古代ギリシア語]]が使われ、[[中世ヨーロッパ]]では[[ラテン語]]が国境をまたいで共通の[[外交]]や[[学術]]学問用[[国際言語]]として用いられた。)
*[[論理学]]
*[[論理学]]

2021年12月22日 (水) 09:02時点における版

人文科学(じんぶんかがく、英語: humanities)あるいは人文学(じんぶんがく、中国語:人文学科)とは、人間人為の所産を研究の対象とする科学、学問であり、またそれを可能にする人間本性を研究する学問である。

多数ある学問分類法のひとつで、以下の場合に人文科学という分類名が使われる。

  • 学問を人文科学と自然科学に二分する分類法を採用する場合。この場合、社会科学は人文科学に含まれる。
  • 学問を人文科学・社会科学・自然科学に三区分する場合。この場合、社会を人間と対比された形で別個の研究対象と見ている。

概要

もともと humanitiesヒューマニティーズは、リベラルアーツのひとつだった。 明治期以降の日本語では人文学と呼ばれていたが、人文科学はそれに新たにあたえられた訳語である。

なおhumanitiesという用語は、scienceという言葉は含まない。自然科学系の人の中には、自然科学だけが科学だと考え、人文学に「科学」という名称が与えられてしまうことに批判的な論者もいる。そういった論者は人文学と呼びたがる。

人文科学における、研究方法は多岐にわたる。たとえば考古学民族学文化人類学などでは発掘調査現地調査フィールドワークなどが主となる。現在は話されていない言語について研究するような分野では、主に文献学的方法を採用する。

人間の研究のうちでも特に人間行動にかかわる分野を行動科学と称し、別個に学問の分類に加える場合がある。この場合、教育学心理学社会学宗教学などは人文科学でなく、実験・実証が可能であるために行動科学として別個に分類される。これは学問手法による分類でなく、学問の目的・対象による分類である。

なお心理学の分類については議論が多く、自然科学としての性質を持つように変化してきた歴史があり、分類が一定しない。現在では心理学のほとんどの部門で実験観察統計などの手法が重視される。だが、心理学内の細かい分野ごとに事情は異なり、自然科学あるいは人文学どちらに分類したほうが良いのかはっきりしないこともある。統計や実験など自然科学的手法をもちいた学問分野はすべて自然科学である、という考え方もあるわけで、人間をただの実験動物(モルモット)のように扱う大学の実験心理学は自然科学に分類される。だが現実の社会で悩んでいる人々の話を傾聴し、実際に人々の心を救っている臨床心理学は、人間をモルモットのようには扱っておらず、自然科学ではない。こちらの臨床心理学のほうは、現実世界で人々の役に立っている。

一般的な分野

基礎

この言語が各学問を記述する基盤となっている。論理学や倫理学であれ理論や道徳であれ、学問は言語で書かれる。各学習者の頭脳で基盤となる言語がしっかり確立していないので記するまでもなく学問が全く理解できない、ないしは、新たに記述することもできない。(なお古代ギリシアでは古代ギリシア語が使われ、中世ヨーロッパではラテン語が国境をまたいで共通の外交学術学問用国際言語として用いられた。)

応用

なお日本の大学では、たいていは、これらの学問分野の教育研究を主に文学部などがおこなうが、大学によっては「人文科学部」という学部を設置しているところもある[1]

アメリカにおける人文系学部の就職率低下と縮小傾向。学部ごとの向き不向き。

アメリカでは、大学の専攻分野と就職内容の一致が高く、工学系や自然科学系学部出身者の就職率が高くなってきているのに対して、人文科学・社会科学系の学部は就職率が悪化し、それに気付いた若者の間で人文系志望者・人文系専攻学生の減少が起きており、その結果、一部有名大学でも縮小や閉鎖が進んでいる[2]

ただしこの話には例外があり、どんな場合でも自然科学系の学部・学科のほうが就職に有利なわけではなく、自然科学系や工学系のほうがかえって不利になる場合がある。何になりたいか、によるのである。たとえばジャーナリストになる、報道関係の仕事につく、と目的がはっきりしている場合は、人文系の学部に進学したほうがよい。ジャーナリストになるには人文系学部のほうが圧倒的に有利である。また外交官になる、とか、世界を飛び回る商社社員(商社マン)になる、という目的がはっきりしている場合は、人文系の学部、特に外国語学部などに進学して外国語をみっちりトレーニングして流暢に話せるようになったほうがよい。自然科学系学部に進学して実験室に籠って実験ばかりしていたり数式ばかりいじくるようなことをしてしまうと、外交官になりたい場合や商社員になりたい場合は圧倒的に不利になり、外交官や商社員にはほぼなれない。

脚注

  1. ^ 就実大学、就実短大「人文科学部」
  2. ^ 『クーリエジャポン』2013年11月号p43「ハーバードの学生たちに広がる急激な文系離れの波紋」 2013年11月号の情報によると、「アメリカのハーバード大学で人文科学専攻の学生が急激に減っている。また、クーリエ・ジャポンの調査でどの学科専攻ならば大学4年間の学費と卒業後のリターンが得られるのか15位まで調査した。その1位が医学部卒業、2位がコンピュータシステム工学部卒、3位が薬学部卒。15位までをリストアップしたが、文系科学・社会科学系は13位の経済学のみである。この順位外の「就職には役に立たない」という枠外扱いがリベラルアーツ(学)だった。例えばアメリカのスタンフォード大学では、人文科学系の教員は全体の45%いるが、学生はわずか15%にまで下がっている。同国のハーバード大学でも1954年の36%から、2012年には20%まで人文科学系の学生割合が落ち込んだ。2010年には全米で人文科学系を卒業した人はわずか7%で、1966年から半減している。また、アメリカでは大学を卒業した学生の失業率は人文科学系の学生は自然科学系の2倍だった。志願者数の減少傾向から人文科学系学部の閉鎖や縮小が進んでいる。」

関連項目

外部リンク