「イヴの時間」の版間の差分
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== 登場人物 == |
== 登場人物 == |
2013年6月23日 (日) 01:52時点における版
『イヴの時間 Are you enjoying the time of EVE ?』(イヴのじかん)とは、日本のアニメーション作品。
2008年8月から順次インターネット上で公開されている。「ファースト・シーズン」は各話約15分で全6話。2010年3月6日にファースト・シーズン全6話を編集した完全版が映画として公開された。
吉浦康裕演出、原作、脚本、監督。アニメーション制作は、スタジオ六花。製作は、ディレクションズ。
回り込むようなアングルの変化や刻々と画面上で推移する文字など、3DCGを含めたCG制作のメリットを全面に押し出した作品となっている。
東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞作品、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品。
あらすじ
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」--作中より
高校生のリクオは、所有するハウスロイド「サミィ」の行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。友人のマサキを誘って記録された場所に向かってみると、そこには「イヴの時間」という不思議な喫茶店があった。
そこに集う様々な人間やアンドロイド達との関わりの中で、それぞれが少しずつ影響を及ぼしあい、変わっていく。やがてそれは、外の世界へもかすかな、しかし確実に波紋を広げることとなる。
登場人物
主要人物
- 向坂リクオ
- 声 - 福山潤
- 本作の主人公で、物語の語り手。通称「リクオ」。作品世界では普通の男子高校生。11月26日生まれ[1]。両親、姉ナオコとの4人暮らし。自宅にはハウスロイドのサミィがいる。この時代の人間の常識として、ハウスロイドであるサミィを「便利な道具」とみなして、人間扱いすることがないように気をつかっているが、基本的にはサミィを信用している。「ロボット三原則」には疎いが、プログラムやデジタルツールには詳しい。父親はハウスロイドに携わる仕事をしているらしい。物腰は穏やかで人当たりもいいが意外な芯の強さをみせることも。思ったことをすぐ口に出すなど、場の空気を読むのは苦手。14歳までピアノを弾いていた。
- 真崎マサカズ
- 声 - 野島健児 / 三瓶由布子(少年時代)
- リクオの中学時代からの友人。通称「マサキ」。3月16日生まれ[2]。「特待生」でリクオと違い「ロボット三原則」に詳しい。父親が「倫理委員会」に務めている。リクオと比べてドライな部分があるが、その反面感情的になりやすい。
- サミィ
- 声 - 田中理恵
- アンドロイドで、リクオの家にいる若い女性の外観を持つハウスロイド。作中の会話からリクオの母からは溺愛されていることがうかがわれる。一方でリクオの姉ナオコからは疎んじられている。ふだんはハウスロイドらしく無表情で無機的な立ち振る舞いであるが、その裏では ひそかに「イヴの時間」の常連客となっていた。
- 「イヴの時間」の中ではリクオを含む向坂家の人たちを思いやる感情豊かな人格を現し、リクオと打ち解けた後も、6話では向坂家でリクオと会話をするに至った。
- ナギ
- 声 - 佐藤利奈
- 「イヴの時間」のウェイトレス。漢字表記は「凪」。イヤリング、ウインクが印象的。どんな客にも明るく接するが、その反面すねやすい。店内では、ある奇妙な「ルール」を客に強要する。トキサカ事件の関係者。
「イヴの時間」の常連客
- アキコ
- 声 - ゆかな
- リクオと同じ学校に通う生徒のハウスロイド。「イヴの時間」に居る間は、いかにも最近の若者然とした見た目のとおり、明るくおしゃべりである。初めて来店したリクオとマサキに親しげに接する。ニット帽を気に入っている。面倒見がよく、店内ではチエと一緒にいることが多い。また漫画においてはアキコのマスターである佐藤マサオミが話の中に登場する。
- コージ
- 声 - 中尾みち雄
- 中年男性風の容貌で控えめな性格。店内では、リナと共にいる事が多い。
- リナ
- 声 - 伊藤美紀
- 水商売を思わせる色香のある風貌。店内では、コージと共にいる事が多くコージに惚れているらしい。
- シメイ
- 声 - 清川元夢
- 人のいい老紳士を思わせる風体で、チエの保護者的存在。
- チエ
- 声 - 沢城みゆき
- シメイの里子である少女。子供らしい外見に違わず、奔放に店の中を駆け回ったりしている。猫の真似がマイブーム。アイスが好き。
- セトロ
- 声 - 杉田智和
- いつも本を読んでいる男性。寡黙な性格で、自分から他の常連客と触れ合うことはほとんどない。
主要人物の関係者
- 向坂ナオコ
- 声 - 水谷優子
- リクオの姉で女子大学生。酒が大好きだが大して強くは無い、この設定から年齢は20歳を越えていると思われる。ハウスロイドを所有する事自体を恥ずかしがっているが、この時代では極めて一般的な態度である。弟リクオが「ドリ系」となることを懸念しているが、サミィを溺愛する母親については世代が違うから別であると割り切っている。
- 真崎篤郎
- 声 - 野島昭生[3]
- 倫理委員会に所属するマサキの父親。
- テックス
- 声 - 斎賀みつき
- 旧型のTHXタイプ[4]のマサキの家のハウスロイド。マサキの父であるアツロウの命令によりマサキと話すことを禁じられている。
- 芦森博士
- 声 - 山口由里子
- ある組織の主任研究者。「イヴの時間」とも関わりがあるらしい。
- 潮月
- 声 - 小谷公一郎
- セトロと芦森博士の会話で語られた人物。
その他
- カヨ
- 声 - 榎本温子
- 女子高校生。リクオとマサキのクラスメイト。マサキとの会話から「ドリ系」を嫌っていることがうかがわれる。劇場版には登場しない。
- カトラン
- 声 - 石塚運昇
- LUH[4]タイプのアンドロイド。「リング」を外せば人間と区別がつかない現行型のハウスロイドとは明らかに容姿が異なり、骨格むき出しの機械的な外見である。思考パターンも機械然としている。第4話の主役。
作品設定
- イヴの時間
- 物語の主な舞台となる喫茶店。路地裏の雑居ビルの片隅でひっそりと営業している。特殊な「ルール」が適用され、人間とアンドロイドの区別がつかない場所。ふだんは無表情なアンドロイドに感情と個性が現れる。
- ルール
- イヴの時間の入り口にある電光掲示板に表示されている店内ルールのこと。いわく『当店内では… 人間とロボットの区別をしません ご来店の皆さまもご協力ください ルールを守って楽しいひと時を…』。ロボット法的にはグレーゾーンであるらしい。
- イヴレンド
- イヴの時間の特製コーヒー。舌を噛みそうな名前だが、意外に言いやすく違和感は無い[5]。
- ロボット
- さまざまな用途で運用され、この世界では一般化している。アンドロイド(ハウスロイドなど)・非人間型ロボット(農業用ロボットなど)の別がある。その行動はロボット三原則とロボット法に縛られている。
- 作中で広く普及している人型の機種は,容姿・身体能力・思考等が人間に酷似していて,リングが無い状態では人間と区別が付かない。人間かロボットかの区別が付かないのは人間・ロボット双方とも言える事であり,本作の重要な設定となっている。
- ハウスロイド
- 広く普及している家事用アンドロイド。人間の形をした家電でかつ蔑視の対象、持ち主の依存が社会問題化している、またアンドロイドに傾倒する者はドリ系などの蔑称を用いられ、社会的に未熟な人間として扱われている。
- リング
- アンドロイドと人間を区別するために、アンドロイドの頭上に表示される輪(ホログラム)。人間から命令を受けると、表示色が変わりその内容がタスクとして表示される。イヴの時間の店内では、「ルール」のため表示されない。このため、店内では客がアンドロイドか人間かを判断するのは難しい。アンドロイド自身の意志で消す事はできる。
- ロボット法
- アンドロイド・ロボットの運用に関して課せられた法。その中のひとつに、リングの投影義務がある。
- ロボット三原則
- ロボット三原則の記事を参照のこと。ロボットの全行動を絶対的に規定する大原則。
- ドリ系
- アンドロイドホリック(Android Holic、アンドロイド精神依存症)の略称。ハウスロイドを人間視してしまう若者を指す。近年アンドロイドを神聖視する新興宗教も増え始め、社会問題にもなっている。
- 倫理委員会
- 反ロボット団体。テレビCM等を通じ、ロボット・アンドロイドとの共存に異議を唱えている。十数年前の時坂事件以来過激な行動は控えていたが、近年ドリ系が増えだした事に懸念している。
- シネマタイド
- 携帯端末の一種。画像や動画の運用機能に優れている。
- イヴの時間のドア
- プライバシーを守るため、一度開くと次に開くまで少し時間がかかる。ドアのは普段は青色のランプが光っていているが、ドアが閉まっている時は赤色のランプがつく。
- トキサカ事件
- 十数年前のロボットが普及しはじめた頃、一般家庭にロボットを普及する事に反対する倫理委員会の反廃派がデモを起こし、時坂町で一般市民が重症を負う傷害事件が起きた。結果として当事の倫理委員会会長は責任を取り辞職、過激な行動もそれ以降自粛・沈静化した。
- 1138
- イヴの時間に与えられたルールで詳細は不明。潮月が関与しており、トキサカ事件とも関連がある模様。イヴの時間の入り口にある電光掲示板にも、ハウスロイドだけが確認できるほどの光度で表示されている。
スタッフ
- 絵コンテ、演出、3DCG、撮影、編集、音響監督、原作、脚本、監督 - 吉浦康裕
- キャラクターデザイン、作画監督 - 茶山隆介
- 音楽 - 岡田徹
- アニメーション制作 - スタジオ・リッカ
- 制作 - ディレクションズ
- プロデューサー - 長江努
主題歌
- エンディングテーマ「やさしい時間の中で」
- 作詞 - BANANA ICE / 作編曲 - 岡田徹 / 歌 - 田中理恵(サミィ)
各話概要
日本ではGyaO!(旧 Yahoo!動画)、ニコニコ動画と公式サイトで期間限定で配信されている(ニコニコ動画での配信はGyaO!〈Yahoo!動画〉の約1か月後)。海外でもフランス語や英語の動画サイトでそれぞれの言語で字幕を付けて公式に配信されている。今後、ドイツ語、イタリア語、スペイン語の字幕に対応予定[6]。
配信日はYahoo!動画を、DVD発売日は公式通販を基準とした。また、公式以外のDVD発売はact01 - act05が同月10日、act06は同月末日となっている。
話数 | サブタイトル | 配信日 | DVD発売 |
---|---|---|---|
act01 | AKIKO イヴの時間 | 2008年8月1日 (GyaO!:9月7日 - 10月31日) |
2009年1月1日 |
act02 | SAMMY イヴの仲間 | 2008年10月1日 | 2009年1月1日 |
act03 | KOJI&RINA イヴの恋人 | 2008年12月1日 | 2009年4月1日 |
act04 | NAMELESS イヴの人形 | 2009年5月1日 | 2009年6月1日 |
act05 | CHIE&SHIMEI イヴの旋律 | 2009年7月1日 | 2009年8月1日 |
act06 | MASAKI イヴの絆 | 2009年9月18日 | 2009年10月28日 |
劇場版
『イヴの時間 劇場版』は、2010年3月6日より再編集に新作シーンを加えた1st.シーズン完全版として、テアトル新宿および池袋テアトルダイヤで上映された劇場作品。2010年4月3日には大阪・テアトル梅田でも公開。配給はアスミック・エース。キャッチコピーは『ボクラノキョリ』。
2009年12月26日より発売される数量限定前売特別鑑賞券では特製DVDの引換券が同梱。GyaO!では公開に先駆け同年2月18日-2月28日にオンライン試写会を実施。同年3月6日-7日の2日間限定で池袋テアトルダイヤ劇場内でコーヒーを飲みながら鑑賞できる『EVLEND試飲会』も実施。
池袋テアトルダイヤでは3月6日の初日全回満席となり、池袋テアトルダイヤリニューアル後の初日動員興収成績第1位となっている[7]。
劇場版主題歌
他媒体展開
漫画
『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)2010年5号から2012年6号まで連載された。原作は吉浦康裕、作画は第14回スクウェア・エニックスマンガ大賞入選の太田優姫が担当[8]。
- 2010年9月25日初版 ISBN 978-4-7575-3011-9
- 2011年7月25日初版 ISBN 978-4-7575-3303-5
- 2012年4月25日初版 ISBN 978-4-7575-3574-9
小説
『イヴの時間 another act』著者は水市恵、原作は吉浦康裕、イラストは茶山隆介。小学館ガガガ文庫より2010年3月18日発売。 ISBN 978-4-09-451193-2
ファンブック
新紀元社より2010年2月発売。ISBN 978-4-7753-0793-9
コーヒー
2010年2月発売。シャディよりオリジナルブレンドコーヒー『EVLEND』が発売。
アプリ
『イヴの時間 act0X』 iPhoneアプリ。2012年1月10日公開。ボイスストーリー全6話やコーヒータイマー、アラーム機能が利用可能。[9]
脚注
- ^ イヴの時間公式オフィシャルブックより、なおこの日付はリクオを演じる福山の誕生日と同じである。
- ^ イヴの時間公式オフィシャルブックより、なおこの日付はマサキを演じる野島の誕生日と同じである。なおキャラの中で誕生日の設定があるのはリクオとマサキだけである。
- ^ マサキを演じる(野島)健児とは本当の親子である。
- ^ a b ジョージ・ルーカスの処女作「THX 1138」のオマージュ。本作には重要なキーワードとして「1138」という数字も登場している。
- ^ ファンの要望を受け、コーヒーマイスターであるえび店長の監修の下、イヴレンドコーヒーが誕生、現在シャディのHPにて注文が可能となっている。
- ^ 公式サイトTOPページより。
- ^ 遂に公開となった『イヴの時間 劇場版』より田中理恵さんのコメントが到着! MSNエンタメ 2010年3月9日。(2011年6月10日時点のアーカイブ)
- ^ イヴの時間:視聴300万回のSFウェブアニメの劇場版がマンガに ヤングガンガンで連載 毎日jp 2010年2月5日。(2010年2月9日時点のアーカイブ)
- ^ 『イヴの時間』の新作が楽しめる! iPhoneアプリ『イヴの時間 act0X』マイナビ 2012年1月11日、2012年4月26日閲覧。