「ネメシス'90改」の版間の差分

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基本的には原作『[[グラディウス2]]』と同じだが、システムやステージ構成などに細かい変更がある他、[[グラフィック]]の大幅なクォリティアップが為されており、全体的には[[アーケードゲーム|アーケード]]版の『[[グラディウスII -GOFERの野望-]]』相当に近づけられている印象がある。
基本的には原作『[[グラディウス2]]』と同じだが、システムやステージ構成などに細かい変更がある他、[[グラフィック]]の大幅なクォリティアップが為されており、全体的には[[アーケードゲーム|アーケード]]版の『[[グラディウスII -GOFERの野望-]]』相当に近づけられている印象がある。


しかしながら、本作への評価は賛否両論であり、とくにオリジナルのMSX版から遊んでいたユーザーに、本作の出来に満足しなかった者が多く存在した。その大きな原因としてはパワーアップやステージなどゲーム内の仕様にもリメイクが加えられたことや、『[[グラディウス (ゲーム)|グラディウス]]』シリーズでも1、2を争うほど難易度の上昇が早い作品となってしまったことが挙げられる。また[[バックグラウンドミュージック|BGM]]が音源が異なるにも関わらず満足な制御、アレンジ、音色作成行われておらず、音程が辛うじてわせられているレベルであったことも不評の原因と言われている。<!--これは同社に音楽に精通したスタッフがないに起因しており、移植元と同じ音源であれば遜色の無い再現でるものの、同社移植のストリートファイターIIにおいてもMIDI音源によるBGM再生は惨憺たる物である。これを受け、スーパーストリートファイターIIでは、CAPCOM側でMIDIのシーケンスデータを用意しているほどである。-->
しかしながら、本作への評価は賛否両論であり、とくにオリジナルのMSX版から遊んでいたユーザーに、本作の出来に満足しなかった者が多く存在した。その大きな原因としてはパワーアップやステージなどゲーム内の仕様にもリメイクが加えられたことや、『[[グラディウス (ゲーム)|グラディウス]]』シリーズでも1、2を争うほど難易度の上昇が早い作品となってしまったことが挙げられる。また[[バックグラウンドミュージック|BGM]]が音源が異なるにも関わらず満足な制御、アレンジ、音色作成行われておらず、音程が辛うじてわせられているレベルであったことも不評の原因と言われている。<!--これは同社に音楽に精通したスタッフがないことに起因しており、移植元と同じ音源であれば遜色の無い再現るものの、同社移植の[[ストリートファイターII]]'においても[[MIDI]]音源によるBGMアレンジは惨憺たる物である。これを受け、スーパーストリートファイターIIでは、[[カプコン|CAPCOM]]側でMIDIのシーケンスデータを用意しているほどである。-->


反対に、アーケード版のグラディウスシリーズ(主に『グラディウスII』)に親しんでいたプレイヤーやオリジナルを知らないプレイヤーからは比較的良い評価をされている。グラフィックが『グラディウスII』に近い事から手をつけやすかったり、アーケード版(またはそれを元にした移植作)にはない新しい世界観やゲームシステムが新鮮に見えたことが要因とされる。このためゲームとしては、[[X68000]]のゲームとして製作されたリメイク版として、良作の部類であると判断される。
反対に、アーケード版のグラディウスシリーズ(主に『グラディウスII』)に親しんでいたプレイヤーやオリジナルを知らないプレイヤーからは比較的良い評価をされている。グラフィックが『グラディウスII』に近い事から手をつけやすかったり、アーケード版(またはそれを元にした移植作)にはない新しい世界観やゲームシステムが新鮮に見えたことが要因とされる。このためゲームとしては、X68Kのゲームとして製作されたリメイク版として、良作の部類であると判断される。


タイトルが『NEMESIS'90"'''改'''"』となっている理由は、本来は[[1990年]]に発売予定であったが、開発の遅れにより90年に発売することが出来なかった為の名称であり、他に『NEMESIS'90』と言う名のゲームが存在したわけではない。
タイトルが『NEMESIS'90"'''改'''"』となっている理由は、本来は[[1990年]]に発売予定であったが、開発の遅れにより90年に発売することが出来なかった為の名称であり、他に『NEMESIS'90』と言う名のゲームが存在したわけではない。


なお、SPSは初代『グラディウス』、『[[沙羅曼蛇]]』などのコナミ製STGのX68000移植を行った実績があるメーカーであるが、ディスク1に入っているドキュメントからは、本作は製作発表してから開発がほとんど進まず、頓挫した数年後にSTG開発に携わった事の無いスタッフが<!-- 見切り発車で -->引き継いで完成させたらしい事が読み取れる。
なお、SPSは初代『グラディウス』、『[[沙羅曼蛇]]』などのコナミ製STGのX68K移植を行った実績があるメーカーであるが、ディスク1に入っているドキュメントからは、本作は製作発表してから開発がほとんど進まず、頓挫した数年後にSTG開発に携わった事の無いスタッフが<!-- 見切り発車で -->引き継いで完成させたらしい事が読み取れる。


== 変更点 ==
== 変更点 ==
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*多重スクロールする背景が追加され、メインの背景もスムーズにスクロールするようになった。
*多重スクロールする背景が追加され、メインの背景もスムーズにスクロールするようになった。
*ゲーム開始時のデモで、メタリオンが発進して画面手前側に飛び出すアニメーションと、エンディングで惑星に帰還するカットが追加されている。
*ゲーム開始時のデモで、メタリオンが発進して画面手前側に飛び出すアニメーションと、エンディングで惑星に帰還するカットが追加されている。
*効果音はADPCMで再生され、起動時にCPUパワーを判別の上、重再生を行うようになっている。効果音にはパワーアップや爆発の音等『グラディウス』『グラディウスII』から録音したらしい物も多い。
*効果音はADPCMで再生され、起動時にCPUを判別の上、[[MC68030]]シリーズ以上であれば4重再生を行うようになっている。効果音にはパワーアップや爆発の音等『グラディウス』『グラディウスII』から録音したらしい物も多い。
*BGMはMIDI音源にも対応している。
*BGMはMIDI音源にも対応している。
*パワーアップゲージの点灯部はAC版のデザインを踏襲したものの多段表示になっている。
*パワーアップゲージの点灯部はAC版のデザインを踏襲したものの多段表示になっている。
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;3'面(隕石ステージ):破壊不可能な多量の隕石の中を進んでいく。『沙羅曼蛇』の2面を横スクロールにしたようなイメージ。ボスは「ビッグコアMk.II」を小型にしたような外見。BGMは「帰還のテーマ」。
;3'面(隕石ステージ):破壊不可能な多量の隕石の中を進んでいく。『沙羅曼蛇』の2面を横スクロールにしたようなイメージ。ボスは「ビッグコアMk.II」を小型にしたような外見。BGMは「帰還のテーマ」。
;2'面(水ステージ):多数の滝が登場する美しいステージだが、滝に触れてしまうとミスになる。『[[グラディウスIII -伝説から神話へ-|グラディウスIII]]』2面のような泡も登場する。ボスも『グラディウスIII』の2面ボス「バブルアイ」に酷似している。BGMは「スペーストリッキーエリアのテーマ」。
;2'面(水ステージ):多数の滝が登場する美しいステージだが、滝に触れてしまうとミスになる。『[[グラディウスIII -伝説から神話へ-|グラディウスIII]]』2面のような泡も登場する。ボスも『グラディウスIII』の2面ボス「バブルアイ」に酷似している。BGMは「スペーストリッキーエリアのテーマ」。

=== その他 ===
原作はMSX用[[SCC]]音源内蔵1Mbit[[ロムカセット]]だったが本作は機種に合わせて1.2Mbyteフロッピーディスク2枚組みで発売されており、またデータを全て読み込んだ後、両ディスクとも排出して強制的にオン[[主記憶装置|メモリ]]動作する仕様になっていた。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2007年11月27日 (火) 13:48時点における版

ネメシス'90改
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 X68000
開発元 SPS
発売元 SPS
人数 1人
メディア FD2枚
発売日 1993年11月11日
その他 必須メモリ容量2MB
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NEMESIS'90改』(ネメシスきゅうじゅうかい)は、1993年11月に発売されたX68K用シューティングゲーム。MSX版『グラディウス2』のリメイク作品。開発はSPS

概要

基本的には原作『グラディウス2』と同じだが、システムやステージ構成などに細かい変更がある他、グラフィックの大幅なクォリティアップが為されており、全体的にはアーケード版の『グラディウスII -GOFERの野望-』相当に近づけられている印象がある。

しかしながら、本作への評価は賛否両論であり、とくにオリジナルのMSX版から遊んでいたユーザーに、本作の出来に満足しなかった者が多く存在した。その大きな原因としてはパワーアップやステージなどゲーム内の仕様にもリメイクが加えられたことや、『グラディウス』シリーズでも1、2を争うほど難易度の上昇が早い作品となってしまったことが挙げられる。またBGMが、音源が異なるにも関わらず満足な制御、アレンジ、音色作成を行われておらず、音程が辛うじて合わせられているレベルであったことも不評の原因と言われている。

反対に、アーケード版のグラディウスシリーズ(主に『グラディウスII』)に親しんでいたプレイヤーやオリジナルを知らないプレイヤーからは比較的良い評価をされている。グラフィックが『グラディウスII』に近い事から手をつけやすかったり、アーケード版(またはそれを元にした移植作)にはない新しい世界観やゲームシステムが新鮮に見えたことが要因とされる。このためゲームとしては、X68Kのゲームとして製作されたリメイク版として、良作の部類であると判断される。

タイトルが『NEMESIS'90""』となっている理由は、本来は1990年に発売予定であったが、開発の遅れにより90年に発売することが出来なかった為の名称であり、他に『NEMESIS'90』と言う名のゲームが存在したわけではない。

なお、SPSは初代『グラディウス』、『沙羅曼蛇』などのコナミ製STGのX68K移植を行った実績があるメーカーであるが、ディスク1に入っているドキュメントからは、本作は製作発表してから開発がほとんど進まず、頓挫した数年後にSTG開発に携わった事の無いスタッフが引き継いで完成させたらしい事が読み取れる。

変更点

グラフィック・サウンド

  • グラフィックが書き換えられ、自機や一部の敵キャラがデザインまで含め大幅に変更された外見になっている。
  • 多重スクロールする背景が追加され、メインの背景もスムーズにスクロールするようになった。
  • ゲーム開始時のデモで、メタリオンが発進して画面手前側に飛び出すアニメーションと、エンディングで惑星に帰還するカットが追加されている。
  • 効果音はADPCMで再生され、起動時にCPUを判別の上、MC68030シリーズ以上であれば4重再生を行うようになっている。効果音にはパワーアップや爆発の音等『グラディウス』『グラディウスII』から録音したらしい物も多い。
  • BGMはMIDI音源にも対応している。
  • パワーアップゲージの点灯部はAC版のデザインを踏襲したものの多段表示になっている。

パワーアップ

  • ミサイル、レーザー、アップ/ダウンレーザーの2段階パワーアップがなくなった。これによりパワーアップゲージは以下のような構成となる。

メタリオン初期パワーメーターゲージ

1 2 3 4 5 6
1st SPEED MISSILE DOUBLE LASER OPTION FORCE FIELD

メタリオン最終パワーメーターゲージ

1 2 3 4 5 6 7 8 9
1st SPEED MISSILE BACK BEAM DOUBLE UP LASER DOWN LASER LASER OPTION FORCE FIELD
2nd   NAPALM MISSILE   REFLEX RING     EXTEND LASER  
3rd       FIRE BLUSTER          
  • レーザーを発射し切った後もワインダーが使用できる・オプションが4つ装備できる・シールドが画面前方から飛来してくる等、自機の性能がAC版『グラディウス』の仕様に近くなった。
  • アップ/ダウンレーザーは最初から広がる形のものが撃てるが、MSX版より広がり幅が狭く威力が弱い。
  • ナパームミサイルは弾速が非常に遅い上に地形を這わなくなり、『グラディウスII』のスプレッドボムと同じような効果の装備になった。
  • 特殊アイテムのベクトルレーザーの性能が変化し、ほとんど広がらなくなった。
  • ボスを早く倒しても、追加パワーアップは1個しかもらえなくなった。
  • パワーアップをした瞬間は、自機が無敵になる。

ステージ

  • 全体的にザコ敵の動きが速くなっており、一部MSX版では出てこなかったザコが追加・差し替え等されている。
  • 敵を全滅させる青カプセルは、原作では出現箇所が固定されていたが、本作ではAC版シリーズのようにパワーアップカプセルn個出現毎に出現する。
  • ボスの攻撃パターンに一部変更や追加がある。またコアの遮蔽版を破壊すると1周目から大量の撃ち返し弾が発生する。
  • 5面では『沙羅曼蛇』3面のようなプロミネンスが地表から噴き出すようになった。
  • 2面と5面にオリジナルのボスが追加され、「ミスフィッツ艦」(3面)と「メイヘム艦」(4面)は1回ずつの登場となった。
  • ボス艦内の地形が変更され、狭くなった。また、ボスを倒した後のコア残骸にはバリアとの当たり判定があり、艦内へ入る時バリアを装着していてもこれに削られて無くなってしまう。
  • エクストラステージは、2面・4面・6面の特定の場所から入るように変わった。エクストラステージ内の地形なども変更されている。
  • 折り返し面で、オリジナルステージが出てくることがある。
パターン1、すべて従前の面
6面→5面→4面→3面→2面→1面
パターン2、オリジナル面が入りステージ数が1つ少なくなる
6面→5面→3'面→2'面→1面

オリジナル面は以下の2つ。従前の面は折り返し時はスクロールが早くなるが、オリジナル面のスクロールは通常の速度。

3'面(隕石ステージ)
破壊不可能な多量の隕石の中を進んでいく。『沙羅曼蛇』の2面を横スクロールにしたようなイメージ。ボスは「ビッグコアMk.II」を小型にしたような外見。BGMは「帰還のテーマ」。
2'面(水ステージ)
多数の滝が登場する美しいステージだが、滝に触れてしまうとミスになる。『グラディウスIII』2面のような泡も登場する。ボスも『グラディウスIII』の2面ボス「バブルアイ」に酷似している。BGMは「スペーストリッキーエリアのテーマ」。

その他

原作はMSX用SCC音源内蔵1Mbitロムカセットだったが本作は機種に合わせて1.2Mbyteフロッピーディスク2枚組みで発売されており、またデータを全て読み込んだ後、両ディスクとも排出して強制的にオンメモリ動作する仕様になっていた。

関連項目