死ぬのがいいわ
「死ぬのがいいわ」 | |||||||
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藤井風の楽曲 | |||||||
収録アルバム | 『HELP EVER HURT NEVER』 | ||||||
英語名 | I'd Rather Die (Shinunoga E-Wa) | ||||||
リリース | 2020年5月20日 | ||||||
ジャンル | J-POP | ||||||
時間 | 3分6秒 | ||||||
レーベル | HEHN RECORDS / UNIVERSAL SIGMA | ||||||
作詞者 | 藤井風 | ||||||
作曲者 | 藤井風 | ||||||
プロデュース | Yaffle | ||||||
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「死ぬのがいいわ」(しぬのがいいわ、英語: I'd Rather Die)は、日本のシンガーソングライター・藤井風の楽曲。2020年5月20日にHEHN RECORDS / ユニバーサルミュージックより発売された1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』に収録されている。
音楽性
[編集]藤井がアルバム『HELP EVER HURT NEVER』リリース前に自身のYouTubeチャンネルで配信したListening Partyで語ったセルフライナーノーツ[1]。
上京後、買い物帰りに「あなたとこのままおサラバするより 死ぬのがいいわ〜♩」というサビのフレーズが降りてきた。ずいぶん昭和な歌詞とメロディだなと思ったけど、それがイマっぽいトラップ風ビートと合わさったおかげで、絶妙にオモロい個性的な曲になって大満足!
音楽雑誌「MUSICA」でのインタビューでは、親が聴いていた昭和歌謡を聴いて育ったことを「貴重な体験」とし、「自身の音楽ルーツの一つには昭和歌謡もある」「歌力が強い」「言葉の数もシンプルなのに、歌が持ってる強度が強い」「昭和歌謡の芯みたいなものに惹かれる」として、そうした昭和歌謡の影響が、旧き良き音楽観と最先端の手法が融合した本楽曲にも反映されているとしている[2]。
特にこの曲は歌としての強度も強いと思ってるし、かつ新しいこともしてるし――そこのバランスが取れた時は凄い満足感があるので、"死ぬのがいいわ" は自分でも凄い好きな曲です。あんまり自分の曲を聴かないんですけど、"死ぬのがいいわ" は結構聴いてしまう。音楽好きの方とかクリエイターの方に誉めていただくことが多い曲でもあるし、自分でも凄く気に入ってますね[2]。
2022年12月28日に放送された『NHK MUSIC SPECIAL「藤井 風 いざ、世界へ」』(NHK総合)において、藤井は本楽曲について「そもそも日本では一番聴かれてなくて、でもワシは凄い好きな曲だったんで、何でなんやろうなとはずっと思ってた」と回顧し[3][4]、後に世界から大反響を受け「うわっ、認めてくれる人おったみたいな。おっ、見つけてくれた見つけてくれたみたいな」と、喜びを感じた事を明かした[3][4]。
歌詞に込めた意味については、「サビの『あなたとこのままおサラバするより 死ぬのがいいわ』という歌詞は、上京してからのドン・キホーテの買い物帰りに頭にシュッと降ってきた」と告白し、歌詞の「あなた」については、「自分の中にいる愛しい人、自分の中にいる最強の人にしがみつきたいと」と返答、守りたい自分の中の大切な自分ということか、という質問には「そうですね、それを忘れてしまっては死んだも同然みたいな」、自分との対話みたいな?という質問にも「なってると思うんですけど、多分誰もそんな解釈をほとんどしてないと思うんで、それがまた興味深い」と言及した[3][4]。「自分の理想の形は自分の中で見えとって、それに近づきたくてでも近づけない事もあって、そっからの救いを求めてるというか、もがき、そういう事が閉じ込められている事が多いのかなと」と、楽曲の捉え方を説明した[3][4]。
TikTokでの反響とチャートアクション
[編集]2022年7月28日、TikTokにタイの利用者が投稿した、本楽曲をBGMに、テレビアニメ『呪術廻戦』のキャラクター・狗巻棘のシーンを編集した約20秒のアニメ・ミュージック・ビデオが人気となり、本楽曲でアニメなどの好きなキャラクターを紹介する動画が次々に投稿されるなど、TikTokを通じてタイでの本楽曲の人気が高まり、7月30日には、Spotifyにおけるタイの国内バイラルチャートで1位を獲得[5]。藤井もSpotifyの画面のスクリーンショットを自身のTwitterに投稿し、「タイで "死ぬのがいいわ" がTikTokとかで広がってくれてるみたい。個人的にめちゃお気に入りの曲だし嬉しい」と喜びを綴った[6]。
8月23日、2020年に日本武道館にて開催されたワンマンライブ「Fujii Kaze "NAN-NAN SHOW 2020" HELP EVER HURT NEVER」での本楽曲の公演映像が、公式YouTubeチャンネルに公開され、コメント欄にはタイのみならず、インド、エジプト、チュニジア、アルジェリアなど世界各国からの絶賛コメントが寄せられた[7]。以降、YouTubeチャンネルの登録者数は激増し、後に200万人を達成した記念として、「Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVE」用に撮り下ろされた本楽曲の演出用映像も公開された[8]。
ライター・萩原梓は、本楽曲のTikTokでの爆発的な流行について「投稿の多くがこの曲をそれぞれの好きなアイドルやアニメキャラクターの映像と共に使っており、自身の "推し愛" を自由にコンテンツ化している。それがファンコミュニティの間で共有されたことで、大きな流行を生み出したのだと考えられる」としている[9]。
Spotifyの9月17日付のデイリーバイラルチャートでは、国別チャートが公表されている世界73か国全てにチャートイン[10]。以降、10月3日付まで連続で73カ国チャートインを達成した。デイリーバイラルチャート1位を獲得した国は23か国。Spotifyの9月4日付のグローバルチャート「Daily Top Songs Global」では159位に初登場、11月13日付では、最高位の57位に達した[11]。
12月7日にSpotifyが発表した、2022年の音楽やポッドキャストシーンを振り返る年間ランキングのうち「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」において、本楽曲が1位を獲得した[12]。Spotifyにおける累計再生回数は、11月4日に1億回を突破、2023年1月8日に2億回突破、3月25日には3億回突破まで到達し、世界中のファンを魅了し続けている。
ビルボードのグローバルチャート「Global 200」の10月1日付では、2週目で118位にチャートインしている[13]。
12月31日に放送された『第73回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)では、本楽曲を歌唱した[5]。2023年6月30日には、中国語訳の歌詞が収録されて台湾で発売された『HELP EVER HURT NEVER』が、プラチナセールス認定され、『LOVE ALL SERVE ALL』が、ゴールドセールス認定された[14]。同年には、『HELP EVER HURT NEVER』が、タイでダブルプラチナ、香港でゴールド、『LOVE ALL SERVE ALL』が、タイでプラチナ、香港でゴールドとして認定された。
脚注
[編集]- ^ 藤井風 (18 May 2020). 藤井 風(Fujii Kaze) - "HELP EVER HURT NEVER" Listening Party (LiveStream) (インターネット番組). 該当時間: 35m40s. 2022年10月3日閲覧。
- ^ a b MUSICA 2022, pp. 48–49
- ^ a b c d 「藤井 風「死ぬのがいいわ」歌詞の真意を解説 「今までと全然違って聞こえる」と驚きの声殺到」『モデルプレス』2022年12月29日。2023年1月4日閲覧。
- ^ a b c d “藤井風『死ぬのがいいわ』は恋愛ソングじゃなかった!?歌詞『あなた』の真意を本人解説”. COCONUTS. 合同会社BizNews (2022年12月29日). 2023年1月4日閲覧。
- ^ a b 柴那典 (2022年12月4日). “<コラム>紅白出場決定、藤井 風「死ぬのがいいわ」のグローバル現象をおさらい”. Billboard JAPAN. 2023年1月4日閲覧。
- ^ 藤井風 [@FujiiKaze] (2022年4月2日). "タイで"死ぬのがいいわ"がtiktokとかで広がってくれてるみたい". 2022年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。X(旧Twitter)より2023年1月7日閲覧。
- ^ 徳力基彦「藤井風「死ぬのがいいわ」の世界的ヒットは、日本のアーティストの海外への扉を開くか」『Yahoo!ニュース』2023年1月10日。2023年9月10日閲覧。
- ^ 「藤井風、圧巻の「死ぬのがいいわ」パフォーマンス映像に言葉を失うファンが続出」『THE FIRST TIMES』2022年10月27日。2023年1月4日閲覧。
- ^ “藤井風、いよいよ世界に見つかる アルバム曲「死ぬのがいいわ」世界各国でバイラルヒットの理由”. リアルサウンド. 2022年10月3日閲覧。
- ^ “Spotify Daily Viral Songs”. Spotify. 2022年10月4日閲覧。
- ^ “Spotify Charts 'Daily Top Songs Global'”. 2022年11月13日閲覧。
- ^ “Spotify年間ランキング第2弾、藤井 風「死ぬのがいいわ」が海外から大反響”. Rolling Stone Japan (2022年12月7日). 2023年1月4日閲覧。
- ^ “Billboard Global 200”. Billboard. 2022年10月4日閲覧。
- ^ “藤井風、アルバム2作品が台湾でプラチナ&ゴールドセールスを記録 「死ぬのがいいわ」はバイラルチャートを席巻”. リアルサウンド. 2023年9月10日閲覧。
参考資料
[編集]- 『HELP EVER HURT NEVER』(ライナーノーツ)藤井風、ユニバーサルミュージック、2020年5月20日。UMCK-1659。 - 通常盤。通常盤ブックレット(写真5枚と歌詞・スタッフリスト掲載のみ)にページ番号の記載はない。
- 「藤井風」『MUSICA 2022年5月号』第181巻、FACT、8-69頁、2022年5月15日。ASIN B09YDLJ3MS。