横山潤子

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横山 潤子(よこやま じゅんこ、1960年10月18日 ‐ )は日本作曲家編曲家

略歴[編集]

広島県出身。幼い頃よりヤマハ音楽教室にて音楽を学び、16歳でジュニアオリジナルコンサート・フランス公演に参加。広島大学附属高等学校を卒業、東京芸術大学作曲科卒業、同大学院修了。和声・対位法を山田光生、ピアノを原田敦子野口明子、スコアリーディングをアンリエット・ピュイグ=ロジェに、作曲を浦田健次郎丸田昭三石桁真礼生松村禎三に師事。

NHK全国学校音楽コンクールの審査員なども務めている。最近はポピュラー作品の合唱曲への編曲依頼も多い。

作風[編集]

作品の大半は合唱曲、特に小学生~中学生世代が歌うことを想定した曲が多い。もっとも横山自身は合唱の経験はほとんどなく、「私は永遠の外様で永遠の新参者」[1]と自称している。作曲の道に進んだのも「人前に出るのもダメ。人前に出なくてよくて、物陰をこそこそ這っていていてよくて、間違えたら消して直せるのが好き」[1]として、演奏の現場からは距離をとるスタンスを堅持している。

合唱曲に使う詩については「ヴィジュアルが鮮やかで、喜怒哀楽どれでもイキの良いのが好き。苦しすぎるのや辛すぎるもの、社会派とオンナのどろどろは苦手かな」[2]として、情緒に走らない現代的な詩を好む。一方、合唱の世界で多くの作曲家が曲を付けている谷川俊太郎の詩には、編曲を除けば横山は一曲も作曲していない[3]

代表作品[編集]

()内の人物は作詞者。

合唱作品[編集]

  • 混声合唱
    • 混声合唱組曲「五つのファンファーレ」
    • 混声合唱とピアノのための「ほかにだれもいない」(H.サイクス=ディヴィーズ 作詩 吉田映子訳詩)
    • この町が好き(才木奈津子)
    • みどりごはそんなにも
    • 風は今(平井多美子)
    • 風になりたい(浦川堤)
    • 母の挽歌(真鍋郁子)
    • 友よ その日まで(東龍男)
    • 部屋(牧村則村)
    • 水のアーチ(青木景子)
    • わたしはドラムになりたい(寺内真)
    • 青空(青木景子)
    • 混声合唱とピアノのための「天の瑠璃」(多田智満子
    • 混声合唱とピアノのための「いないいない ばぁ」
      • 百八歳まで(ジョン・メイスフィールド 詞、吉田映子 訳)
      • 庭のベンチ(トマス・ハーディ 詞、吉田映子 訳)
      • ゴキブリのおじょうさん(木坂涼)
      • 子供たちのつどい(熊沢加代子)
    • 混声合唱とピアノのための「たましいのスケジュール」(覚和歌子
      • たましいのスケジュール
      • 子もりうたの前に
      • 影絵
    • 混声合唱曲集「笑いのコーラス」
      • 笑いのコーラス(ウィリアム・ブレイク 詩、吉田映子 訳)
      • 春風(マザーグースより、吉田映子 訳)
      • 人生が1時間だとしたら(高階杞一 詩)
      • 贈り物(高階杞一 詩)
      • 百八歳まで(ジョン・メイスフィールド 詩、吉田映子 訳)
    • 混声合唱とピアノのための「ここに海があって」(覚和歌子)
      • 向かい風は潮の匂い
      • りんご
      • ここに海があって
    • 混声合唱とピアノのための「未確認飛行物体」
      • 牧歌(辻征夫)
      • 天使のうた(新藤凉子)
      • 風(辻征夫)
      • 未確認飛行物体(入沢康夫)
    • オリジナル合唱ピース 混声編 95
      • 休み時間 -詩集『官能検査室』より-(岬多可子)
    • 混声合唱とピアノのための「きんぽうげの日々」
      • 聞けよ、ひばり(シェイクスピア 詞、吉田映子 訳)
      • きそくときまり(キャロル 詞、吉田映子 訳)
      • ねぼすけぼうず(デ・ラ・メア 詞、吉田映子 訳)
      • きんぽうげの日々(ミルン 詞、吉田映子 訳)
    • 混声合唱とピアノのための「アプローズ」
      • アプローズ(覚和歌子)
    • 混声合唱とピアノのための「ドゥーニィのヴァイオリン弾き」
      • あざらしのララバイ(キプリング 詞、吉田映子 訳)
      • 風が吹く夜(スティーヴンスン 詞、吉田映子 訳)
      • レディンウールのおばあちゃん(キプリング 詞、吉田映子 訳)
      • ドゥーニィのヴァイオリン弾き(イェイツ 詞、吉田映子 訳)
    • 混声合唱とピアノのための「その木々は緑」(覚和歌子)
      • むかし ことばは
      • くじらになりたい
      • こころのうつわ
      • その木々は緑
    • 混声合唱とピアノのための連作詩「誰かがいなくなっても青い空」
      • ようやく朝が
      • 夜明けの夢はもう惜しまない
      • それぞれの木
      • 誰かがいなくなっても青い空
  • 女声合唱児童合唱
    • 時のない野原
    • 夜あけ
    • 月の魚
    • 雨の花
    • 友よ その日まで(東龍男)
    • 神の生誕(大岡信)
    • 青の記念日(長井理佳)
    • ぼくにはわかる(高崎乃理子)
    • 七月堂の兎たち(水野るり子)
    • 横山潤子作品集 同声編1
      • 緑のしま馬(つくべあゆ)
      • おはよう ゆでたまご(小野寺悦子)
      • くしゃみザウルス(小野寺悦子)
      • ヒッコリーのおくさん(デ・ラ・メア 詞、吉田映子 訳)
      • ようこちゃんが(さねよしいさ子)
      • 風は今(平井多美子)
      • 七番目の月(つくべあゆ)
      • 夕べの星が紅に(ジョヴァンニ・パスコリ)
      • ほほう!(工藤直子)
      • おしゃれな気分できれいに歩こう(さねよしいさ子)
      • 南の絵本(岸田衿子)
    • 横山潤子作品集 同声編2
      • 学校のにんじん(さねよしいさ子 詞、つくべあゆ 補作詞)
      • 夏休み(木坂涼)
      • お日さま(ロバート L.スティーヴンスン 詞、吉田映子 訳)
      • 子ねこのいる部屋(高木あきこ)
      • ひとりでさびし[わらべうたによる四つのコラージュ]
      • 四方の景色を[わらべうたによる四つのコラージュ]
      • ねむらせ唄[わらべうたによる四つのコラージュ]
      • かくれんぼ[わらべうたによる四つのコラージュ](林柳波 詞、下総皖一 曲、横山潤子 編)
      • くしゃみザウルスJr.(小野寺 悦子)
      • アンナ・マリアちゃん(マザーグースより、吉田映子 訳)
    • オリジナル合唱ピース 同声編31
      • ゆかしたぐらしの ねずみのおはなし(ルイス・キャロル 詞、吉田映子 訳)
    • オリジナル合唱ピース 同声編45
      • おりたたみせんせい(ねじめ正一 詞)
    • 女声合唱曲集「笑いのコーラス」
      • 笑いのコーラス(ウィリアム・ブレイク 詩、吉田映子 訳)
      • 春風(マザーグースより、吉田映子 訳)
      • 人生が1時間だとしたら(高階杞一 詩)
      • 贈り物(高階杞一 詩)
      • 百八歳まで(ジョン・メイスフィールド 詩、吉田映子 訳)
    • 最新 女声合唱曲集「天使の時」
      • おしゃれな気分できれいに歩こう(さねよしいさ子)
      • 南国浮かれ唄~よさこい節・金比羅船々・鹿児島小原良節・谷茶前
      • 幼き日のアルバム~シャボン玉・かなりや・雨・鞠と殿様・村祭
      • 母の挽歌(真鍋郁子)
    • オリジナル合唱ピース 同声編47
      • 祝い唄 三つ、
    • 女声合唱とピアノのための「星の迷い子たち」(まど・みちお)
      • にじ
      • くさはら
      • 昼しずか
      • ミミズ
      • ラクダ
      • ねむり
      • ムカシヨモギのロゼット
      • きこえてくる
    • オリジナル合唱ピース 同声編66
      • わらべうた 三つ、~ジョロ ジョロ ハイ!~
    • 女声合唱とピアノのための「たましいのスケジュール」(覚和歌子)
      • たましいのスケジュール
      • 子もりうたの前に
      • 影絵
    • オリジナル合唱ピース 同声編68
      • わらべうた 三つ、~ホラホラほうらい豆~
    • 女声合唱曲集「妖精の市場」
      • 銀の色(ウォルター・デ・ラ・メア 詩、吉田映子 訳)
      • 不思議な馬(ジョン・メイスフィールド 詩、吉田映子 訳)
      • なにかが雁の群れに(レイチェル・フィールド 詩、吉田映子 訳)
      • 妖精の市場(クリスティーナ・ロセッティ 詩、吉田映子・内藤里永子 訳)
    • オリジナル合唱ピース 同声編 72
      • くらげダンス(高木あきこ)
    • オリジナル合唱ピース 女声編 43
      • 庭 -詩集『官能検査室』より-(岬多可子)
    • 同声(女声)合唱とピアノのための「青のアルバム」
      • ゆずちゃん(肥田美代子)
      • ゆめのふうせん屋さん(肥田美代子)
      • くじらになりたい(覚和歌子)
      • 未確認飛行物体(入沢康夫)
    • オリジナル合唱ピース 同声編88
      • だって、ねこがひざで(高木 あきこ)
    • 女声合唱とピアノのための「クローバーの原っぱで」
      • 雨は林です(まど・みちお)
      • おしゃべり ふうせん(まど・みちお)
      • ひとふさの葡萄(征矢泰子)
      • クローバーの原っぱで(高橋順子)
      • 紙風船(黒田 三郎)
    • オリジナル合唱ピース 女声編 54
      • ありったけの夏(覚 和歌子)
    • 女声合唱とピアノのための「ドゥーニィのヴァイオリン弾き」
      • あざらしのララバイ(キプリング 詞、吉田映子 訳)
      • 風が吹く夜(スティーヴンスン 詞、吉田映子 訳)
      • レディンウールのおばあちゃん(キプリング 詞、吉田映子 訳)
      • ドゥーニィのヴァイオリン弾き(イェイツ 詞、吉田映子 訳)
    • 女声(同声)合唱とピアノのための「その木々は緑」(覚和歌子)
      • むかし ことばは
      • こころのうつわ
      • その木々は緑
    • 女声合唱とピアノのための「ひとつぶの種子」(征矢泰子)
      • ひとつぶの種子
      • わたしの赤
      • 六月のかたつむり
      • 樹・天と地のあいだにあるもの
    • 同声(女声)合唱とピアノのための「ひかりのものがたり」(覚和歌子)
      • 子どもの領分 ~わたしたちがとくいなこと
      • ああ ひまわり
      • ベーグルと坂道
      • アプローズ
    • オリジナル合唱ピース 女声編 61
      • ふゆはたまもの(覚和歌子)
    • 女声合唱とピアノのための「きんぽうげの日々」
      • 聞けよ、ひばり(シェイクスピア 詞、吉田映子 訳)
      • きそくときまり(キャロル 詞、吉田映子 訳)
      • ねぼすけぼうず(デ・ラ・メア 詞、吉田映子 訳)
      • きんぽうげの日々(ミルン 詞、吉田映子 訳)
    • 同声(女声)合唱とピアノのための「にぎやかな心」
      • 満月の夜の猫の歌(工藤直子)
      • いねむりお鍋《こぶた遁走曲(フーガ)》①(小野寺悦子)
      • いそいで!《こぶた遁走曲(フーガ)》②(英語の伝承、内藤里永子 訳)
      • 未確認飛行物体〔二〇一六〕(入沢康夫)
      • 春の花うらない(フィールド 詩、内藤里永子 訳)
    • 無伴奏同声(女声)合唱のための「奄美の守姉(むいあに)のうた」
      • 奄美の守姉のうた
    • 同声合唱とピアノのための「ともだち おんがく」
      • ともだち おんがく(覚和歌子)
      • こころのすみっこにイスをおいて(木坂 涼)
      • カタツムリ(さねよしいさ子)
      • はなくそぼうや(まど・みちお)
      • モーメント(覚和歌子)
    • 同声合唱とピアノのための「時とところを超えたなら」(覚和歌子)
      • 何度生まれ変わっても君の恐竜になりたい
      • ぼくたちのにわ えいえんのにわ
      • ここよりもっと 星のみえる場所があるなら ぼくたちは どこへだって行く
      • たましいのスケジュール [二部合唱版]
  • NHK全国学校音楽コンクール課題曲

脚注[編集]

  1. ^ a b 『ハーモニー』194号 p.82
  2. ^ 『ハーモニー』194号 p.86
  3. ^ 横山に詩を多く提供している覚和歌子は「谷川さんは「俺は現代詩には含まれない」。ということはそこが(現代詩とそれ以前の詩との)境界線だと思う」(『ハーモニー』194号 p.85)と指摘している。

参考文献[編集]

  • 「続々・日本の作曲家シリーズ1 横山潤子」『ハーモニー』194号(全日本合唱連盟、2020年10月)