ノネット (菓子)
ノネット | |
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ノネット | |
種類 | ペイストリー |
フルコース | デザート |
発祥地 | フランス |
主な材料 | ハチミツ |
その他お好みで | オレンジマーマレード |
ノネット (フランス語: nonnette) 、あるいはノネット・ド・ディジョン (フランス語: nonnette de Dijon) はフランスのペイストリーの一種である。ノネットとは「若い修道女」を意味する。ショウガとハチミツが入った生地から作られたパンで、中にマーマレードなどのジャム類を入れる。ディジョンの名物である。
製法
[編集]スパイスやハチミツを使って作る伝統的なフランスのパンであるパン・デピスの一種であり、丸い形をしている[1][2]。直径は5-6センチメートル程度、厚さは3センチメートルほどである[3]。ハチミツとライ麦粉から作られる小さなジンジャーブレッドケーキで、中にオレンジマーマレードなどのジャムが入っている[4]。カシスやアプリコット、ブルーベリーなどのジャムを絞り入れることもある[1][3][5][6]。通常は卵白、砂糖、レモン汁をまぜたグレーズをかける[4]。この糖衣はグラス・ア・ローと呼ばれている[1]。ショウガの他にシナモン、ナツメグ、アニス、カルダモンなどを使うこともある[4]。
来歴
[編集]ノネットはもともとフランスのブルゴーニュ地方のディジョンで作られた菓子である[7]。ディジョンはもともとパン・デピス作りが盛んであった[8]。はじめは中世ヨーロッパの修道院で修道女たちによって作られていたので「若い修道女」を意味する名前がついたと言われている[3][6][9][10]。1796年にディジョンで開業したベーカリーであるミュロ・エ・プティジャンがノネットを包装して一般に売ることを始めたため、この菓子はよく知られるようになった[11]。のちにはブルゴーニュ、とくにディジョンの代表的な菓子のひとつと考えられるようになった[1][8]。1年中食べられるが、とくにクリスマスの時期に供されることが多い[4]。
ギャラリー
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グレーズをかけたノネット
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ミュロ・エ・プティジャンのノネット
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積み重ねたノネット
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カットしたノネット
脚注
[編集]- ^ a b c d 瀬戸理恵子. “【毎日オーボンヴュータン #30】 糖衣をまとった素朴なスパイス風味の お菓子「ノネット・ド・ディジョン」”. CREA. 2023年9月13日閲覧。
- ^ 大森由紀子『フランス伝統料理と地方菓子の事典』誠文堂新光社、2021年、254頁。
- ^ a b c 猫井登『お菓子の由来物語』幻冬舎、2016年、75頁。
- ^ a b c d “Nonnette | Traditional Cake From Dijon | TasteAtlas”. www.tasteatlas.com. 2022年9月30日閲覧。
- ^ フランス観光局 (2019年2月13日). “Tweet”. X (formerly Twitter). 2023年9月13日閲覧。
- ^ a b フランス大使館 (2018年9月1日). “Tweet”. X (formerly Twitter). 2023年9月13日閲覧。
- ^ FrenchTouch (2018年2月20日). “Nonnettes Of Dijon” (英語). French Touch. 2022年9月30日閲覧。
- ^ a b アンドレ・パッション『フランス郷土料理』河出書房新社、2020年、297頁。
- ^ Killebrew, Kimberly (2018年12月22日). “Nonnettes (French Gingerbread Cakes)” (英語). The Daring Gourmet. 2022年9月30日閲覧。
- ^ “フランスの地方菓子【 Nonettes au miel ノネット・オ・ミエル】とは”. レザベイユ南青山. 2023年9月13日閲覧。
- ^ “Pain d'épices Mulot & Petitjean”. www.mulotpetitjean.com. 2022年9月30日閲覧。