テトラジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,2,3,4-テトラジンの構造
1,2,4,5-テトラジンの構造

テトラジン(Tetrazine)は、4つの窒素原子を含む六員環のベンゼン環から構成される、化学式C2H2N4の不安定な化合物である。テトラジンという名前は、この化合物の誘導体に命名される。核となる環には、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,5-テトラジンの3つの異性体が存在する。

1,2,3,4-テトラジン[編集]

1,2,3,4-テトラジンは、しばしば芳香族環に融合した形で単離される。また、ジオキシド誘導体として安定化される。

1,2,4,5-テトラジン[編集]

1,2,4,5-テトラジンは非常に良く知られており、無数の3,6-二置換体が知られている[1]。これらの物質は、エネルギー化学の分野で用いられる。

3,6-ジ-2-ピリジル-1,2,4,5-テトラジン[2]は、2つのピリジン置換基を持ち、ディールス・アルダー反応の試薬として重要である。ノルボルナジエンと1度のディールス・アルダー反応、2度の逆ディールス・アルダー反応を経て、1つのアセチレン基を交換し、シクロペンタジエンピリダジンを形成する。

reaction of norbornadiene with 3,6-di-2-pyridyl-1,2,4,5-tetrazine

ノルボルナジエンがアレンに結合すると、この反応は中間体で停止する[3]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ (see United States Patent 6645325)
  2. ^ Datasheet: Link
  3. ^ π-Bond Screening in Benzonorbornadienes: The Role of 7-Substituents in Governing the Facial Selectivity for the Diels-Alder Reaction of Benzonorbornadienes with 3,6-Di(2-pyridyl)-s-Tetrazine. Ronald N. Warrener and Peter A. Harrison Molecules 2001, 6, 353–369 Online Article