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チシマゼキショウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チシマゼキショウ
福島県飯豊山 2012年7月
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: チシマゼキショウ科 Tofieldiaceae
: チシマゼキショウ属 Tofieldia
: チシマゼキショウ T. coccinea
学名
Tofieldia coccinea Richards. var. coccinea[1]
シノニム

本文参照

チシマゼキショウ(千島石菖、学名:Tofieldia coccinea )はチシマゼキショウ属常緑 [2]多年草。別名、クロミノイワゼキショウクロミゼキショウリシリゼキショウ[3]

特徴

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花茎の高さは、5-15cmになり、1-2個の小型の茎葉をつける[4]根出葉は、長さ2-10cm、幅2-3mmになる剣形[2]で、先端は鋭くとがり、縁は細かい突起がありざらつく。

花期は7-8月。花茎の上に短い総状花序がつき、数個から10数個[2]をつけ、花は開出するか斜め下向きに開く。花柄は長さ1mmと短い。花被片は長さ2-3mmの長楕円形で、白色でかすかに紫色を帯びる。雄蕊は花被片と同長で6個あり、葯は黄褐色から赤褐色[2]花柱は3個ある。果実は蒴果で径3mmの球形で、斜め下向きにつく。

分布と生育環境

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日本では、北海道、本州の中部地方以北に分布[2][5]し、高山帯の岩礫地や岩のすき間に生育する[2]。外国では、千島樺太中国北部、アリューシャンカムチャツカシベリアアラスカカナダまで広い範囲に分布しており、変異が多い。

シノニム

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  • Tofieldia coccinea Richards. f. rishiriensis (Miyabe et Kudô) Sugim.
  • Tofieldia coccinea Richards. f. fusca (Miyabe et Kudô) Q.S.Sun
  • Tofieldia coccinea Richards. var. fusca (Miyabe et Kudô) H.Hara
  • Tofieldia fusca Miyabe et Kudô
  • Tofieldia nutans Willd. ex Schult. et Schult.f.
  • Tofieldia nutans Willd. ex Schult. et Schult.f. var. fusca (Miyabe et Kudô) Koidz.

下位分類

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  • チャボゼキショウ(アポイゼキショウ)Tofieldia coccinea Richards. var. kondoi (Miyabe et Kudô) H.Hara -花茎は高さ6-21cm、花柄が1.5-2mmと長く、葯が紫色を帯びる。北海道、本州の中部地方以北に分布し、山地から亜高山帯の石灰岩地や蛇紋岩地に生育する[2]アポイ岳のものが基準標本[2]
  • ゲイビゼキショウ Tofieldia coccinea Richards. var. geibiensis (M.Kikuchi) H.Hara -花茎は高く、高さ15-25cm、花柄が6-10mm。花被片より雄蕊の方が長い。岩手県の猊鼻渓から発見が報告されたもの。絶滅危惧IB類(EN)。
  • アッカゼキショウ Tofieldia coccinea Richards. var. akkana (T.Shimizu) T.Shimizu –外花被片内花被片より短い特徴がある。岩手県の岩泉町安家から発見が報告されたもの。絶滅危惧IA類(CR)。
  • ハコネハナゼキショウ[6](ミヤマゼキショウ、ナガエチャボゼキショウ) Tofieldia coccinea Richards. var. gracilis (Franch. et Sav.) T.Shimizu -絶滅危惧IA類(CR)。

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ 以下、学名について、*米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f g h 『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』p.550
  3. ^ YList チシマゼキショウ
  4. ^ 以下、特に脚注のないものについて、『日本の野生植物 草本 I 単子葉類』pp.26-27
  5. ^ 『日本の野生植物 草本 I 単子葉類』p.26では、分布地に四国を含めている。
  6. ^ YList ハコネハナゼキショウ
  7. ^ 『高山に咲く花 山溪ハンディ図鑑8』p.398

参考文献

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  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本 I 単子葉類』、1982年、平凡社
  • 豊国秀夫編『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』、1988年、山と溪谷社
  • 清水建美、木原浩『高山に咲く花 山溪ハンディ図鑑8』、2002年、山と溪谷社