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ストラスブール - アッペンヴァイアー線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ストラスブール - アッペンヴァイアー線
基本情報
フランスの旗 フランス, ドイツの旗 ドイツ
所在地 グラン・テスト地域圏
バーデン=ヴュルテンベルク州
起点 ストラスブール駅
終点 アッペンヴァイアー駅
路線記号 142000 (SNCF)
4260, 4261 (DB)
路線番号 104 (SNCF)
719 (DB)
所有者 SNCF, DB
路線諸元
路線距離 22 km
軌間 1435 mm(標準軌
線路数 複線
電化方式 (D) 15 kV 16.7 Hz 交流
(F) 25 kV 50 Hz 交流
架空電車線方式
最高速度 140 km/h
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
ABZg+l
P-S線S-L線
BHF
0.0 ストラスブール
ABZgr
S-B線S-SD線
ABZg+r
ストラスブール環状線
HST
3.1 クリメリ=マイノー
DST
5.8 ノイドルフ
DST
7.2 ライン川港
TZOLLWo
フランス / ドイツ↓、ライン河
BHF
13.5 ケール
eABZgr
MEG nach Lehr und Schwarzach (メーターゲージ)
hKRZWae
キンツィヒ川
eKRZo
MEG nach Schwarzach (メーターゲージ)
BHF
8.3 コルク
HST
5.1 レーゲルスフルスト
SKRZ-Au
自動車道A5
BST
1.2 Appenweier Kurve
ABZgl
HST
0.5 アッペンヴァイアー
BHF
オッフェンブルク
ABZgl
バーデン本線Sw鉄道

出典: ドイツ鉄道地図[1]

ストラスブール - アッペンヴァイアー線ドイツ語: Bahnstrecke Appenweier–Strasbourg)は、フランスのストラスブールとドイツライン谷線およびカールスルーエ – バーゼル高速線(オッフェンブルク - バーデンバーデン区間)を結ぶ幹線路線である。この路線のほとんどの区間は複線で、電化されている。

この路線は現在バーデン・ヴュルテンベルク州グランテスト地域圏を結び、定期列車が運行されている、2つの鉄道路線の1つである。ノイエンブルクを通過してミュルーズに向かう路線を除いて、他のすべての鉄道連絡路線は廃止されている。

地元の鉄道運送について、この路線は南北鉄道の分岐路線のように、ケールとヨーロッパの中心地ストラスブールとの連絡路線として機能するが、同時にパリブダペストのヨーロッパ大陸の軸を連結する、重要な国際中継点である。

沿線概況

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ケール駅の進入線路(1978年3月)。遠くにストラスブール大聖堂が見える。

この路線は、オッフェンブルクバーデン=バーデンの間にライン谷鉄道と北側および南側(以前は南側のみ)に接続されている。列車がケール駅を通過して、すぐにライン川とフランス=ドイツの国境を横断する。

歴史

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バーデン公国鉄道の線路工事

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アッペンヴァイラーからフランス国境までの鉄道はバーデン公国鉄道によって建設された。オッフェンブルクとバーデン=バーデンの間のライン谷鉄道はバーデン本線(Badische Hauptbahn)の一部としてその17年前にすでに完成されていた。一方、フランス東部鉄道 (Campagnie des chemins de fer de l’Est, EST) はストラスブール - ケール間の鉄道を建設することでパリ - ストラスブール線バーデン本線の連結を計画した。1853年に鉄道建設に関する条約が締結されて、1857年にバーデン政府が臨時的に東部鉄道と協議した。235 m長さのライン川鉄道橋は複線向けの上部構造で建設され、1858年工事が開始された。この路線は1861年5月11日に開通された[2]

パリ・東フランス・南ドイツ軸(POS南)

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古いライン川鉄道橋を通過するTGV(2009年、ケール駅の西端)

1992年5月22日に、ドイツとフランスの運輸大臣は、パリ=東フランス=南ドイツ(Paris–Ostfrankreich–Süddeutschland, POS)高速鉄道の実現に合意した[3]。1999年の終わりに、ラインの拡張は2010年まで開始されないと発表された。計画総費用として3億マルクが計上された[4]

2006年9月20日に完成したLGV東ヨーロッパ線の影響で2007年6月10日に近距離列車および優等列車の時刻表が変更された。それ以来、TGV列車が初めてこの路線に投入されて、その上にオッフェンブルク - ストラスブール区間の中距離列車路線が改善された。2010年の要件計画と調査の結果、ケールと分岐点の間では計画された運行速度が200 km/hから160 km/hに、新しい連結曲線では180 km/hに低下した[3]

連邦政府とドイツ鉄道は2007年7月16日に第一次改修段階に関する建設実行および財務協定を5100万ユーロの金額で締結した。この事業にはケールライン鉄道橋の新しい複線改築、ケールの電子式信号扱い所の設置、ケール駅の列車通過速度の向上などが含まれた。連邦政府の財政支援の他に、DBネッツは残りの踏切の撤去に取り組んだ[5]。時間の遅れのため、欧州連合2010年秋に当初予定された2700万ユーロの資金を350万ユーロに削減した[6]

ケールライン鉄道橋の許容速度は2010年まで50 km/hに過ぎず、ケール駅の場合100 km/h、アッペンヴァイアー駅までは140 km/hであった。ライン川鉄道橋の建設工事が完了し、ケールの通過速度が160 km/hに設定された。許容最高速度を上げるために必要な、10個所の踏切の解体と続きの改修工事がまだ未完成である[7]

改修プロジェクトは5つの計画承認段階(Planfeststellungsabschnitt, PfA)[8]、すなわち第1段階のライン川橋の新築およびケール駅の西側の改修、第二段階のケール駅の東側の改修、第三段階のコルク駅周辺の線型改良、第四段階のケール駅と自動車道路A5の交差点の間の改修、第五段階のカールスルーエ連結線の建設で分類されている。電子式信号扱所に加えて、この路線はETCSレベル2で設備される予定である[8]。PfA1段階は2011年に完了した[9]

ケール駅の東部区間(キンツィヒ鉄道橋とETCS設備を含む)の設計と承認計画に関するパフォーマンス協定は、2019年に締結される予定である[10]

運行形態

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長距離輸送

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ストラスブール駅に停車するTGV列車
フランスと周辺国のTGV路線網

長距離列車のTGVは、ストラスブールから「アッペンヴァイラー三角線」とカールスルーエ - バーゼル高速線経由で、バーデン=バーデンに向かう。この列車はストラスブール駅に停車するが、ケール駅には停車しない。他のTGVは午前中にフライブルクからオッフェンブルクとストラスブールを経由してパリ東駅まで、夕方には反対方向に走行する。2013年12月まで、ストラスブール駅とミュンヘン中央駅の間に2本のインターシティ列車が毎日運行しており、ケール駅にも停車した。最後にストラスブールとウィーン西駅を結び、ケール駅に停車したユーロナイト「オリエント急行」N26列車は2009年12月に時刻表から外された。

地域輸送

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SNCF所属ケール・オッフェンブルク行きの普通列車(ストラスブール駅)

国際的な長距離交通に加えて、普通列車は「ヨーロッパ鉄道」という名前でこの路線で運行される。

ケール - アッペンヴァイアー区間はオルテナウ郡運輸連合(Tarifverbund Ortenau, TGO)の運賃制の適用区間である[11]。ストラスブール都市圏とオルテナウ郡の統合定期券である「ユーロパース」はこの路線で有効である[12]

ストラスブール駅の25番線に待機するSWEGのレギオシャトルRS1
  • 普通列車(RB 25): ストラスブール - ケール - コルク - アッペンヴァイアー - オッフェンブルク。 南西ドイツ交通(Südwestdeutsche Landesverkehrs-AG, SWEG)所属。使用車両はレギオシャトルRS1。過去にはドイツ鉄道とSNCFの両方がフランスの気動車X73900を運用した。

参考文献

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外部リンク

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注釈と出典

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  1. ^ (ドイツ語) Eisenbahnatlas Deutschland (9 ed.). Aachen: Schweers+Wall. (2014). ISBN 978-3-89494-145-1 
  2. ^ Föhlinger (1897) pp. 47, 48
  3. ^ a b DB Projektbau, ed (2007-10) (ドイツ語). Ausbaustrecke Kehl–Appenweier (POS Süd): Schnelle Verbindung zwischen Süddeutschland und Paris. Karlsruhe: Deutsche Bahn 
  4. ^ “TGV-Anbindung ausgebremst” (ドイツ語). Eisenbahn-Revue International (Heft 1): p. 4. (01 2000). ISSN 1421-2811. 
  5. ^ Ausbaustand der Eisenbahnstrecke Kehl–Appenweier: Antwort der Bundesregierung auf die Kleine Anfrage der Abgeordneten Winfried Hermann, Bettina Herlitzius, Peter Hettlich, weiterer Abgeordneter und der Fraktion BÜNDNIS 90/DIE GRÜNEN (PDF) (Report) (ドイツ語). Deutscher Bundestag. 12 December 2008. Drucksache 16/11359(文書記号)。
  6. ^ “EU kürzt Zuschuss für Bahnausbau bei Kehl” (ドイツ語). Badische Zeitung. (2010年10月28日). http://www.badische-zeitung.de/suedwest-1/eu-kuerzt-zuschuss-fuer-bahnausbau-bei-kehl--37134981.html 2010年10月28日閲覧。 
  7. ^ Paris – Ostfrankreich – Südwestdeutschland (Süd): Zeitplan” (ドイツ語). Deutsche Bahn AG. 2021年9月3日閲覧。
  8. ^ a b Antwort der Bundesregierung auf die Kleine Anfrage der Abgeordneten Matthias Gastel, Stefan Gelbhaar, Stephan Kühn (Dresden), weiterer Abgeordneter und der Fraktion BÜNDNIS 90/DIE GRÜNEN – Drucksache 19/10339 (PDF) (Report) (ドイツ語). Deutscher Bundestag. 7 June 2019. pp. 2–4. ISSN 0722-8333. Drucksache 19/10339(文書記号)。
  9. ^ Paris – Ostfrankreich – Südwestdeutschland (Süd): Zeitplan” (ドイツ語). deutschebahn.com. Deutsche Bahn AG. 2021年9月3日閲覧。
  10. ^ Antwort der Bundesregierung auf die Kleine Anfrage der Abgeordneten Matthias Gastel, Stefan Gelbhaar, Stephan Kühn (Dresden), weiterer Abgeordneter und der Fraktion BÜNDNIS 90/DIE GRÜNEN – Drucksache 19/10271 – (PDF) (Report) (ドイツ語). Deutscher Bundestag. 3 June 2019. p. 3. ISSN 0722-8333. Drucksache 19/10571。
  11. ^ Der TGO-Tarifzonenplan” (ドイツ語). ortenaulinie.de. TGO-Tarifverbund Ortenau GmbH. 2021年9月5日閲覧。
  12. ^ 20 Jahre EUROPASS: Verbindung ohne Grenzen” (ドイツ語). cts-strasbourg.eu. Compagnie des Transports Strasbourgeoirs. 2021年9月5日閲覧。