サンパウロ都市圏鉄道会社2000形電車
サンパウロ都市圏鉄道会社2000形電車 | |
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2000形 ジョセ・ボニファシオ駅にて | |
基本情報 | |
製造所 |
CAF アドトランツ アルストム |
製造年 | 1998年 - 2000年 |
製造数 | 120両 |
主要諸元 | |
編成 | 4両30編成 |
軌間 | 1,600 mm |
電気方式 |
直流3000 V 架空電車線方式 |
最高速度 | 90 km/h |
起動加速度 | 3.24 km/h/s |
減速度 | 2.772 km/h/s |
編成定員 | 998 |
自重 |
49.620 t(制御電動車) 40.960 t(中間電動車) 38.876 t(中間付随車) |
編成重量 | 175 t |
全長 |
21,174 mm(先頭車) 20,610 mm(中間車) |
全幅 | 3,050 mm |
全高 | 4,389 mm |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 ADtranz 製 6RIA 4555 |
主電動機出力 | 300 kW |
駆動方式 | WN駆動方式 |
編成出力 | 2400 kW |
制御方式 | GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | ADtranz 製 3kV-11RA |
制動装置 |
電気指令式空気ブレーキ (ディスクブレーキ使用) |
保安装置 | デッドマン装置 |
備考 | 主要諸元は[1][2]より |
サンパウロ都市圏鉄道会社2000形電車(サンパウロとしけんてつどうがいしゃ2000がたでんしゃ)は、サンパウロ都市圏鉄道会社(CPTM)の通勤型電車である[1][2]。
概要
[編集]1990年、サンパウロ近郊鉄道のうち、主に同市の中心と東部・南部・北部を結ぶ路線を運営していた国営のブラジル都市鉄道会社(CBTU)は、同社の東線(ルーズベルト - モジ・ダス・クルーゼス)において、サンパウロ市内の地下鉄3号線と並行する区間の主要駅のみに停車する、新しい急行列車"Expresso Leste"(東急行)を運行することになり、それに使用するための新しい車両の導入を決め、翌1991年に世界銀行へその資金の調達を求めた[3]。
資金の調達は1992年に許可されたが、同社の財政が危機的状況を迎えていたことから、運営権をサンパウロ州へ移管して運営を再建することを目的に、サンパウロ都市圏鉄道会社(CPTM)が設立され、翌1993年から1994年5月にかけて移管された。それと同時に新しい車両の導入計画も同社が引き継ぎ、冷房付き、1編成4両・30編成という条件で国際入札が行われ、多数の鉄道車両メーカーが入札。結果、CAFとアドトランツ・スペインとアルストムが結成したコンソーシアムが落札し、1998年から2000年にかけてCAFとアドトランツ・スペイン - アルストムで4両15編成ずつの合計120両が製造され、1999年から2000年にかけて導入された[1]。
車体
[編集]車体は炭素鋼製[1]。
デザインは、製造元の一つであるCAFがスペイン国鉄へ納入した446系および447系を基礎とし、側面の客用乗降扉を片側両開き3扉から、大都市の通勤・通学輸送に適当な同4扉へ変更した形態となっている[1]。
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前面は流線型
上側に行先表示のLEDが設置されている -
車体側面
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客用乗降扉は両開きプラグ式となっている
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先頭車側面と天井
車内
[編集]車内は白色を基調としており、乗降扉部分には別の色で塗装が施されている。天井のデザインは間接照明を採用し、それに合わせて吊り棒の配置も考慮するなど、凝ったものである[2]。なお、CPTM以前に導入された各車両と異なり、吊り革は設置されていない[1][2]。
座席配置はCPTM標準のセミクロスシートであり、各乗降扉上には路線図が設置されている[1]。
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昼の車内
奥に行先表示LEDが見える -
夜の車内
間接照明が特徴
機器
[編集]制御装置はCPTMとしては初めての採用となるGTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御で、製造はアドトランツ。主電動機はかご形三相誘導電動機を搭載しているほか、インシデントおよび故障を記録する装置も設置されている[1]。
前述の通り冷房装置を搭載するほか、車内には次駅などを案内する車内放送用の自動放送装置が、また車内端の天井には行先表示を行うLEDが設置されている[1]。
運用
[編集]1999年から東線改めE線への導入が行われ、2000年5月27日の急行"Expresso Leste"の運行開始とともに4両2編成を連結した8両編成で運用を開始[4][2]。それにより、本形式は当初の導入計画の通り急行"Expresso Leste"の運用に就くこととなり、その象徴となった。
2008年にE線は11号線へ名称を変更し、導入から約10年が経過した翌2009年からは車両の改善工事が開始され、同時に塗装が青と灰色を基調とした地下鉄と共通の"METROPOLITANO"から、灰色と朱色を基調とした新しいCPTMの共通塗装である"3/RED"へ変更された[2]。
それ以降も引き続き11号線においての運用が続いたが、2016年7月6日より同線へ8500形の導入が開始されたため、2016年8月7日より順次12号線へ転属し、2018年までに同線の1400形と4400形を置き換えた[5]。
2020年現在、すべての編成が12号線において運用されている[6][5]。
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登場時の塗装
"METROPOLITANO"と呼ばれる -
現在の塗装
"3/RED"と呼ばれる
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i COMMUTER TRAIN S/2000 CPTM - CAF - 2020年6月24日閲覧
- ^ a b c d e f Apresentacao Manutencao de TUEs 2016 - サンパウロ都市圏鉄道会社 - 2016年9月作成・2020年6月25日閲覧
- ^ D.O.E - サンパウロ州 - 1992年4月19日作成・2020年6月25日閲覧
- ^ OPERAÇÃO DOS TRENS - サンパウロ都市圏鉄道会社 - 2018年作成・2020年6月24日閲覧
- ^ a b Série 2000 inicia operação na Linha 12 da CPTM - Via Trolebus - 2016年8月8日作成・2020年6月25日閲覧
- ^ Frota de Trens - サンパウロ都市圏鉄道会社 - 2019年作成・2020年6月25日閲覧
関連項目
[編集]- サンパウロ都市圏鉄道会社3000形電車 - 本形式と同時期にCPTMへ導入された、GTO-VVVFインバーター制御の電車。製造は車体と電気機器ともにドイツに本社を置くシーメンスが行ったが、車体の製造と最終組み立ては同社がスロベニアに保有する工場において施行された点が特筆される。
- サンパウロ都市圏鉄道会社4400形電車 - 本形式が最初に導入された、CPTM11号線の区間を開業させ、運営を行っていた国営のブラジル中央鉄道が1966年から導入を行った400形電車を、サンパウロ都市圏鉄道会社が更新したもの。登場当時の電気機器はアメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック製であったが、交換部品の不足により、日本の日立製作所および東芝が製造したものへ交換された。抵抗制御方式、主電動機は釣り掛け駆動方式で、2019年の引退まで11号線の区間において運用され、その性能は好調な実績を残したが、最後まで冷房が搭載されることはなかった。