コツィオ・ディフェンス

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コツィオ・ディフェンス
abcdefgh
8
a8 black rook
c8 black bishop
d8 black queen
e8 black king
f8 black bishop
h8 black rook
a7 black pawn
b7 black pawn
c7 black pawn
d7 black pawn
e7 black knight
f7 black pawn
g7 black pawn
h7 black pawn
c6 black knight
b5 white bishop
e5 black pawn
e4 white pawn
f3 white knight
a2 white pawn
b2 white pawn
c2 white pawn
d2 white pawn
f2 white pawn
g2 white pawn
h2 white pawn
a1 white rook
b1 white knight
c1 white bishop
d1 white queen
e1 white king
h1 white rook
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh

コツィオ・ディフェンス (Cozio Defence) は、チェスオープニングの1つで、ルイ・ロペスの変化の1つである。右図がコツィオ・ディフェンスの基本形で[1]、基本形までの手順は1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 Nge7である[2]

主な変化[編集]

4.c3 d6 5.d4 Bd7 6.0-0 Ng6 7.Ng5 h6? 8.Nxf7! Kxf7 9.Bc4+ Ke7? 10.Qh5 Qe8 11.Qg5+! hxg5 12.Bxg5#[3]

この手順は1865年ベルリンで対局されたヨハネス・ツカルトートアドルフ・アンデルセン戦のものである[4]。12手で白のツカルトートがアンデルセンのキングチェックメイトした[4]

白の4手目では他に4.d4[1]や4.0-0[5]と指す手がある。4.d4と指すと4.… exd4 5.Nxd4 Nxd4 6.Qxd4 Nc6 7.Qd3 Bc5 8.Bxc6 dxc6! 9.Qxd8+ Kxd8 10.Nc3 Re8 11.Bg5+ f6で形勢互角[6]

黒の4手目では他に4.… g6や4.… a6と指す手がある[5]。4.… g6は1974年に対局されたスパスキー対レーマン戦で黒のレーマンが指した手で以下5.d4 exd4 6.cxd4 Bg7 7.d5 Nb8 8.Nc3 a6 9.Ba4 b5 10.Bb3 d6 11.Be3 Nd7 12.0-0 0-0と進行し[5]、後にレーマンが悪手を指したため28手で白のスパスキーが勝った[5]

白の7手目で7.Bg5と指すと黒に7.… Be7とビショップの交換を強要され[7]、白が8.Bxe7とビショップの交換に応じると8.… Qxe7と指され黒は好きな方にキャスリングできる形になる[7]

黒の7手目では7.… Qe7或いは7.… Be7と指すのが良い手[7]

白の9手目で9.Qf3+と指すと黒に9.… Qf6と守られ[8]、e8→d8→c8とキングの逃げ道が作られる[8]

黒の9手目では9.… Ke8と指すのが良い手[8]。もし白が10.Qh5と指せば10.… Qf6とg6のナイトを守ることが出来た[9]。なお9.… Be6?と守るのは白に10.d5と指されて駒を取り返された上白がポーンを得しているため白が有利[10]

黒の10手目でg6のナイトを逃げたら11.Qf7#で白の勝ち[10]。10.… Be8と指しても11.Bg5+! hxg5 12.Qxg5+ Kd7 13.Qf5 Ke7 14.Qe6#でメイト[10]

白の11手目で11.Bg5+と指しても結果は同じだが[10]、結果が同じならこのゲームのように一番重要な駒すなわちクイーンを犠牲にしてメイトにする方が歴史に残る[10]

参考文献[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b 『やさしい実戦集』、37頁。
  2. ^ 『やさしい実戦集』、36-37頁。
  3. ^ 『やさしい実戦集』、37-42頁。
  4. ^ a b 『やさしい実戦集』、36-42頁。
  5. ^ a b c d 『やさしい実戦集』、38頁。
  6. ^ 『やさしい実戦集』、37-38頁。
  7. ^ a b c 『やさしい実戦集』、39頁。
  8. ^ a b c 『やさしい実戦集』、40頁。
  9. ^ 『やさしい実戦集』、40-41頁。
  10. ^ a b c d e 『やさしい実戦集』、41頁。