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X-3 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

X-3

飛行中のX-3

飛行中のX-3

  • 分類実験機
  • 製造者:ダグラス社
  • 運用者アメリカ空軍、NACA
  • 初飛行:1952年9月20日
  • 生産数:2機
  • 運用開始:1952年
  • 退役:1956年
  • 運用状況:退役

X-3は、アメリカ合衆国で開発された超音速実験機。愛称はStilettoスティレット:短剣の意)。ダグラス社が開発し1機が製作された。

歴史

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第二次世界大戦の最中、ダグラス社も超音速機の開発検討を行っていた。1945年6月20日、将来のジェット戦闘機開発のため、超音速飛行の試験機XS-3として正式発注され、モックアップ審査(1948年12月)と改修を経て、1949年6月30日に正式契約された(当初2機発注。後、2号機キャンセル)。要求性能は、最大速度マッハ2、航続時間30分。1951年に1号機が完成し、1952年10月15日にエドワーズ空軍基地で、ダグラス社のパイロットウィリアム・B・ブリッジマンが初飛行を行った。1953年7月28日に30°降下でマッハ1.21を記録(パイロット不明)。1954年8月、空軍からアメリカ国家航空諮問委員会(NACA)(のちのNASA)の高速飛行研究所に移管され、高翼面荷重機の高速飛行での抑え角とロール・カップリングの関係などの空力特性テストを開始、F-100の開発やF-104の主翼設計に貴重なデータを提供して、1956年5月23日のNACAでの20回目の飛行を最後に退役となった。その後、国立アメリカ空軍博物館に移管された。

機体形状

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愛称「スティレット/Stiletto」同様の細長い機体に、極めて薄い小さな主翼を持つ。同様の目的で開発されたX-1X-2とは異なり、滑走路から離着陸を行う。エンジン排気口より後方に垂直尾翼水平尾翼(全遊動式)がある。操縦席には下方射出座席を備えており、パイロットは機体下部からエレベータで搭乗する。当初、マッハ2を狙っていたが、並行して開発していた搭載予定のJ46エンジン(推力2,722kg)が予定どおりの性能を発揮するには、直径を1.5倍程度に拡大する必要があることが分かり、機体の設計変更に伴う計画遅延を回避すべく、搭載エンジンをJ34-WE-17(推力2,200kg)に変更した。この時点で、目標であるマッハ2どころか音速の突破さえ難しいことが机上計算でも分かっており、2号機の発注はキャンセルされた。なお、X-3は初めてチタニウム合金を本格的に採用した航空機であり、ステンレス鋼を使用した場合に比べ、180kg近い重量を軽減した。

仕様

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X-3

諸元

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  • 乗員: 1 名
  • 全長: 20.35 m
  • 全幅: 6.92 m
  • 全高: 3.82 m
  • 自重: 6,507 kg
  • 全備重量: 9,435 kg
  • 翼面積: 15.47 m2
  • エンジン: ウェスティングハウス J34-WE-17 軸流式ターボジェット 推力2,200kg✕2

性能

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  • 最大速度: マッハ0.95
  • 最高高度: 11,580 m

参考文献

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  • 『世界の傑作機 No.67 X-プレーンズ』文林堂、1997年。ISBN 9784893190642 
  • 『Xの時代―未知の領域に踏み込んだ実験機全機紹介』文林堂〈世界の傑作機スペシャル・エディションVol.3〉。ISBN 9784893191175 
  • 『世界の駄っ作機』大日本絵画。 

外部リンク

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