W型16気筒

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ブガッティ・ヴェイロンのW型16気筒エンジン
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2009に出走したブガッティ・ヴェイロンのエンジン音

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W型16気筒(ダブリュがたじゅうろっきとう)はピストン内燃機関レシプロエンジン)のシリンダー配列形式の一つで、W型エンジンの一種。W16と略される事もある。今日存在するW型16気筒エンジンは全て狭角V型エンジン技術の延長上で設計されており、8つのピストンを持つ2つのシリンダーバンクが組み合わされ、1本のクランクシャフトを回すレイアウトを採用している[1]

フォルクスワーゲンは現在W型16気筒を生産する唯一の自動車メーカーであり、フォルクスワーゲンのデザインはW型12気筒を延長して4気筒を追加する形を採っている。このデザインは元々はフォルクスワーゲン・VR6型エンジンで培われた技術でもある。この形式のエンジンは1999年に発表されたコンセプトカーen:Bentley Hunaudieresで初めて公開され、後にアウディのコンセプトカーであるen:Audi Rosemeyerにも採用された。

フォルクスワーゲンのW型エンジン[編集]

フォルクスワーゲンが今日生産するW型エンジンは全て狭角V型エンジンをベースに開発されている。VR6エンジンは15度の狭いシリンダーバンクを持つV型エンジンであり、ピストンの位置を左右にずらして配置することで直列6気筒と比較して短い全長を持つ事に成功した。この狭角V型エンジンを通常のV型エンジンのようにV型に配置することで、W型のレイアウトが完成する。このようなレイアウトで製造されたW型エンジンは、通常のV型エンジンと比較してエンジン全長を短くすることが可能であり、通常のV型エンジン用のエンジンルームのスペースでさらに多気筒のエンジンを搭載することが可能となる。

フォルクスワーゲンのW型エンジンはVR6型のシリンダーバンクを72度の角度で配置し、始めにVR4型エンジンを2つ組み合わせたW型8気筒が製造され、後にシリンダーバンクを90度に拡大したW型16気筒が登場した。

なお、フォルクスワーゲンはこのW型16気筒を開発する以前に、一般的な3バンクレイアウトを採用したW型18気筒エンジンを開発している。このW型18気筒は1998年と1999年に発表されたブガッティのコンセプトカーに搭載されたが、一般販売されることなく終わっている。このエンジンと区別する意味で、今日のW型16気筒はしばしばWR16と呼ばれることがある。

W型16気筒エンジンのスペック[編集]

現在、フォルクスワーゲンは自社の傘下にあるブガッティスーパーカーであるブガッティ・ヴェイロン 16.4にのみW型16気筒エンジンを搭載して販売している。

このエンジンは1シリンダーあたり4つのバルブを持ち、4つのターボチャージャーで過給されている。エンジン全長は71 センチメートル (28 in)であり、重量は400 キログラム (882 lb)、最大出力は1,001ps/6,000rpm、最大トルクは1,250Nm(127.5 kgf·m)/2,200-5,500rpmにも達するモンスターエンジンである[2]。その後の改良で、最大出力1200ps/6400rpm、最大トルク1500Nm(153.0kgf・m)/3000rpm-5000rpmとなった。

いまのところヴェイロン以外の採用例はまだ存在しないが、いくつかのメーカーにてこのエンジンを採用する計画があるという[3]

関連項目[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]