QGIS

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QGIS
QGis Logo.png
QGIS 2.2 Valmiera showing new menu design.png
開発元 QGIS Development Team
初版 2009年1月5日(6年前) (2009-01-05
最新版 2.8.2 (Wien) / 2015年2月20日(5か月前) (2015-02-20
プログラミング言語 C++, Python, Qt
対応OS Microsoft Windows, Linux, Mac OS X, Android(ベータ版)
プラットフォーム Cross-platform
対応言語 多言語対応
種別 GIS
ライセンス GNU GPL
公式サイト http://qgis.org/
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QGIS (キュージーアイエス、旧称 Quantum GIS)は、地理情報システムの閲覧、編集、分析機能を有するクロスプラットフォームオープンソースソフトウェアGISソフトである。 無料でありながら、有料・高額なGISソフト(代表的なものはArcGIS)に近い機能・操作性を備えており、機能の追加も無料のプラグインで行うことが出来る。

最新版[編集]

現在、Windows版では2.8.2(32bitと64bit)が無料で公開されている。 以前のバージョンがインストールされている環境において、インストール済の環境に影響を与えずに、より新しいバージョンのインストールが可能。また、以前のバージョンと新たなバージョンを同時に使うことが出来る。 以前のバージョンで作成したデータを、より新しいバージョンで読み込む際には、保存する場合に新しいバージョンに置換されるという注意メッセージが表示される。 旧バージョンで作成したデータを残したい場合は、読み込んだすぐ後に、別の場所・フォルダ、あるいは別名で保存する必要がある。

主な変更点・新機能[編集]

変更点[編集]

2.0での主な変更点[編集]

  • 2.0はメジャーバージョンアップで、直近の旧バージョン1.8とは相違点が多くなっている。
  • 古い部分(エンジン)部分を排除して、将来性のある新エンジンに変更した。
  • PythonプラグインのAPIを大きく変更[1]した。
  • 作業環境保存場所などを変更した。[2]

バージョン2.0から作業環境の保存場所[注釈 1]や設定ファイルの名称が変更された。(2.0から、作業環境に保存されるPythonプラグインのAPIが大きく変更されるなど、互換性が失われたことから、2.0と1.8を同時に実行出来るようにするため。)

  • unix系osの例
バージョン 作業環境 設定ファイル
1.8 以下 ~/.qgis/ ~/.config/QuantumGIS/QGIS.conf
2.0 以上 ~/.qgis2/ ~/.config/QuantumGIS/QGIS2.conf

バージョン・Release history[編集]

  • 1.0以降の状態
バージョン コードネーム(開発)[注釈 2] 公表 主な変更点、備考
1.0.0 "Kore" January 5, 2009 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.0 'Kore'
1.1.0 "Pan" May 12, 2009 Release Checklist Announcing the releases of QGIS 1.0.2 (stable) and QGIS 1.1.0 'Pan' (unstable)
1.2.0 "Daphnis" September 1, 2009 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.2.0 'Daphnis'
1.3.0 "Mimas" September 20, 2009 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.3.0 'Mimas'
1.4.0 "Enceladus" January 10, 2010 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.4.0 'Enceladus'
1.5.0 "Tethys" July 29, 2010 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.5
1.6.0 "Copiapó" November 27, 2010 Release Checklist Announcing the release of QGIS 1.6 'Copiapó'

コピアポ(スペイン語: Copiapó):チリ北部にある都市で、アタカマ州の州都

1.7.0 "Wrocław" June 19, 2011 Release Checklist [1] 日本語も表示出来る安定化版。

ヴロツワフ(ポーランド語:Wrocław):ポーランド西部にある第4の都市で、ドルヌィ・シロンスク県の県都

1.8.0 "Lisboa" June 21, 2012 Release Checklist [2] 日本語の"文字化け"があった。有志により、修正情報が告知されている。

リスボン(ポルトガル語: Lisboa):ポルトガルの首都

2.0.0-2.0.1 "Dufour" September 8, 2013 New vector API, integration of SEXTANTE geoprocessor, symbology and labelling overhaul [3] 
日本語表記も問題ないが、プラグインが間に合っていない。

デュフール峰(Dufour):スイスとイタリアとの国境にあるモンテローザ山塊の最高峰(4,634m)

2.2 "Valmiera" 22 February, 2014[3] DXFエクスポートツール、選択した部分を新しいベクタレイヤとして貼り付け、式ビルダが過去の履歴を保持など [4]

ヴァルミエラ(ラトビア語: Valmiera):北欧・旧ソ連のラトビアにある都市名

2.4 "Chugiak" 27 June, 2014 [5]
2.6 "Brighton" 1 November, 2014 [6]

ブライトン (Brighton):イギリス・イングランド南東部、イースト・サセックス州西端に位置する。シーサイド・リゾートとして有名。

2.8 "Wien" 20 February, 2015 この版(2.8)は、長期保守版(LTR: Long Term Release)として計画された。長期保守版は、仕様が固定され、公開後1年間のバグ修正が保障される。[7]

ウィーン(独:Wien):オーストリアの首都。

製作言語[編集]

C++で書かれており、C++やPythonの拡張に対応している。Qtの拡張が使える他[4] 、Qtを用いているGEOSやSQLiteGDALGRASS GISPostGISPostgreSQLの連携にも対応している。[5]

Mac OS XLinuxUNIXMicrosoft WindowsのOSにて動作し、Macでの動作はX Window Systemを使用せず、インターフェースがより華麗で速く動く。GRASS GISのグラフィカルユーザーインターフェースも使用出来る。他の商用GISソフトウェアに比べファイルサイズが少ないことから、RAMや使用電力を抑えられる。

ボランティアによる開発グループにより定期的なアップデートやバグフィックスが行われており、2012年には48言語に翻訳され、世界各国の教育機関や職場にて利用されている。

ライセンス[編集]

GNU GPLライセンス方式で頒布されており、利用者が使用目的に合わせて自由に修正することができる。例えば、QGIS BrowserとQGIS Serverの機能はデータの取得やレンダリングの際に同じコードにより動作するが、現在はインターフェースが異なっている。このように多くの拡張プラグインが利用可能である。

データフォーマット[編集]

GIS業界で標準的なデータ使用となっているArcGISシェープファイル(Shapefile  拡張子.shp)や、Coverage dataMapInfoPostGISなど多くのフォーマットに対応している他[6]Web Map ServiceWeb Feature Serviceなどの外部情報にも対応している。[4] シェープファイルは3つのファイルからなり、属性情報は dBASE 形式に収められている。政府系機関がサービスを行っている「基盤地図情報」も、同サイトで無料ダウンロード出来るコンバーターソフトを使えば、Shapefileに変換可能で、QGISに読み込むことが出来る。 QGIS1.8.0は、Google EarthGoogle Mapsで用いられているKML形式にも対応しており、Google Mapsなどで作られたKMLデータをダウンロードし、これを活用できる。

.qgs[編集]

プロジェクトファイルの形式は、xHTMLxmlに似たタグ(<units> </units>)を使ってデータを挟むテキスト形式。(マークアップ言語) エディタで開き、中身を編集することも可能。

測地系[編集]

QGISは、PROJ.4[8](地図投影法および測位法の変換を行うC言語で記述されたライブラリ)を利用し、多くの測地系に対応する。 QGISでは測地系をそれぞれのレイヤとデータフレームに設定することができる。測地系が定義されていれば、実行時でのベクタレイヤの投影(オンザフライプロジェクション)による異なる測地系同士のデータ重ねあわせが可能であり、表示投影方法も設定により変えることができる。

QGISで用いられる測地系の例

  • 米国の測地系:世界測地系(WGS84)
  • 日本の測地系:日本測地系2000(JGD2000)[注釈 3]
  • 日本測地系(旧日本測地系):日本国内のインターネット地図サービスで多く用いられている。

日本語環境[編集]

海外製の無料ソフトなので日本語の情報が不足し、バージョンによって日本語化など一部に不具合が合ったり、不具合の解消に手間がかかる。(1.8.0の場合。現在は、有志によりインターネットに情報が公開され、不具合の解消は可能) 2.01は、問題なく日本語が使える。

機能[編集]

PostGISやGRASS GIS、MapServerを含む外部のオープンソースGIS拡張機能を統合することができる。[4]

プラグイン[編集]

主なプラグイン[編集]

公式にはサポートされていないが、関係するプラグインによって、Google Mapsを一つのレイヤーとして読込、表示できる。1.8.0や1.7.4などで動作確認済み。 衛星画像は、ArcGISを作っている会社がArcGISのために提供している物よりも、格段に高品質・情報量が多く、多言語環境・日本語環境に於いては、GISデータを作成する場合に、大いに効力を発揮する。

2.01でも読込可能だが、地図の切り替え時にエラーとなり、強制終了してしまう。(その後、プラグインのバージョンアップで解消)

QGISで作成したGISデータを、Google Earthにて3D表示出来るもの。 先にGoogle Earthを使用するパソコンにインストールしておく必要がある。 モニタ画面に写るQGISの表示範囲だけが、反映されるようなので、あらかじめ表示したい範囲をQGISで選定しておく。 適宜調整は必要だが、QGISで作成した高機能な2Dデータを、GEarthViewのアイコンボタン一つでカシミール3Dのように3D化出来る。 Google Earthには、QGisViewとしてレイヤーが追加表示される。 QGISの表示範囲を動かしながら、GEarthViewのアイコンをクリックするたびに、その都度データは自動更新される。

  • mmgisプラグイン

シェープファイルのテーブルの集計に便利(合計や平均値、最大・最少などを即座に計算してくれる)。また、Excelなどで利用したい場合、CSV形式のテキストファイルを出力可能。


その他[編集]

QGISに付属するソフトウェア[編集]

QGISのインストールでは、以下のようなGISに関連するフリーソフトが組み込まれる。"QGIS"とバージョンに応じた開発コードネーム(例:QGIS 2.2では「QGIS Valmiera」)内にショートカットが作成される。日本語の情報はほとんどない。

QGIS で作成されたデータファイルのほか、すべてのWMSWeb Map Service) を参照することができる閲覧に特化したソフト。

  • SAGA GIS(System for Automated Geoscientific Analysesの略)

ドイツの大学にある開発チームによって公開されているGISソフト。地形、水文関係のモジュールが多数実装され、リモートセンシングのオブジェクト分割(Segmentation)用モジュールも同梱。

「MSYS」とはCfortranコンパイラで、開発者向けのもの。

LinuxSolarisMacOSX などのUNIX ベースのソフト。コマンドラインでの操作が基本となる。

QGISに類似するソフト、連携できるソフト[編集]

日本人が開発しているGISソフト。「地理情報分析支援システム」と説明。[MANDARA]

パソコンにソフトをインストールしておく必要がある。

  • Google Maps(衛星画像や地図など切り替えが可能な地図ソフト)

KLMを使いブラウザで見ることが出来る。QGISではプラグインを使って、1つのレイヤーとして取り扱える。このほか他社の地図データも同様に扱え、高価なArcGISよりも選択肢が広い。

QGIS プログラミング[編集]

開発関係

QGIS ユーザー情報、バグ報告[編集]

メーリングリストなど

注釈[編集]

  1. ^ QGISユーザガイド(QIS2.0) "–-configpath" オプションで作業環境パスを変更することができる。
  2. ^ QGIS Developer Meetingの開催地がコードネームとされている。
  3. ^ 学術的名称は「日本測地系2000」("The Japanese Geodetic Datum 2000")、日本国内の法令上名称と通用名は「世界測地系」。

出典[編集]

  1. ^ (Qgis-developer) Python plugin API changes from 1.8 to 2.0”. 2015年7月7日閲覧。
  2. ^ Sutton, Tim. “(Qgis-developer) QGIS 2.0 Milestone: Feature freeze & updated release timetable”. OSGeo.org. 2015年7月7日閲覧。
  3. ^ Fischer, Jürgen E.. “Announcing the release of QGIS 2.2”. OSGeo.org. 2014年2月22日閲覧。
  4. ^ a b c Cavallini, Paolo (2007年8月). “Free GIS desktop and analyses: QuantumGIS, the easy way”. The Global Geospatial Magazine. 2008年12月31日閲覧。
  5. ^ Project details for Quantum GIS - Quantum GIS 0.9.0”. Freshmeat. 2008年12月31日閲覧。
  6. ^ Gray, James (2008年3月26日). “Getting Started With Quantum GIS”. Linux Journal. http://www.linuxjournal.com/content/getting-started-quantum-gis 

外部リンク(一般)[編集]

外部リンク(最重要)[編集]