ICE 3

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ICE 3
ICE 3
ICE 3
基本情報
運用者 ドイツ鉄道オランダ鉄道
製造所 シーメンスボンバルディア
製造数 ICE 3: 50編成
ICE 3M: 17編成
主要諸元
編成 8両編成 (EW1-TW2-SW3-MW4-MW5-SW6-TW7-EW8[1])
軌間 1,435 mm
電気方式 ICE 3: 交流15kV 16.7Hz
ICE 3M: 交流15kV 16.7Hz、交流25kV50Hz、直流1.5kV、直流3kV
最高運転速度 300 km/h (フランス国内では320 km/h)
設計最高速度 330 km/h (交流)、220 km/h (直流)
編成長 200.8 m
主電動機 三相交流誘導電動機
編成出力 ICE 3: 8,000kW
ICE 3M : 8,000kW (交流)、3,500kW (直流)
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ICE 3は、ドイツ鉄道の高速列車ICEで使用される電車である。動力集中方式のICE 1ICE 2と異なり、ICE Tと同様の動力分散方式を採用している。形式はドイツ国内用の403形と国際列車用の406形407形が存在しており、国際列車用は複電源方式対応となっている。

開発[編集]

1等車
2等車
運転席及びラウンジの間仕切りに使用されるスマートガラス

1990年代より建設が進められていたケルン-ライン=マイン高速線では、トンネルを少なくして建設費を抑制した結果、最急勾配が40パーミルとなり、従来のICE 1ICE 2では同路線での高速運転が難しいことも明らかになった。そこで、最高速度300km/h以上の高速運転が可能で将来的な速度向上にも対応できると同時に、急勾配に強くドイツ以外の国への対応も容易な、新たな動力分散式電車方式の車両を開発することとなった。この第三世代のICEが"ICE 3"である。基本的なコンセプトは、先に登場したICE Tとほぼ共通となっている。

性能[編集]

車体はICE T同様にアルミニウム合金を採用し、軽量化が図られている。前面形状はICE Tに類似しており、曲線的でスピード感のあるデザインであるが、車体下部のカバーの形状や先頭部の形状(ライトの形状、側窓の形状、赤帯の有無)など、細かい点でICE Tとの差異が見られる。なお、2編成の併結も可能である。

運転台はICE T同様、車体中央部に配置されている。これにより、国によって複線の通行方向(右側・左側、ドイツは右側通行)が異なっていても対応できるようになっている。また、運転台後ろの客室との仕切りはガラス張りになっており、運転室背後の客室(「ラウンジ席」と呼ばれる)から運転台前方の風景を展望できるようになっている。

制御装置はインバータ制御方式を、電動機には三相交流誘導電動機を採用している。電動機出力は1台につき500kWで、1両あたり4台搭載している。電動車と付随車の比率は1:1で、電動車は編成中に4両存在するので、編成全体の出力は8,000kWとなる(出力はいずれも交流15kV 16.7Hz下での値)。出力/重量比が改善され、加減速性能が向上した。また、動力分散式により、軸重が下がり、軌道への負荷が減少した。この事は保線費用の削減に繋がる。

最高速度は330km/h(交流15kV 16.7Hz下における値)である。ただし現時点でのドイツ国内の営業最高速度は300km/hとなっている[2]

形式[編集]

403形[編集]

ドイツの国内列車に運用される車両で、2000年 - 2005年に8両編成50本が製造された。形式は403形 (Baureihe403:BR403) を名乗る。電源方式はドイツの標準である交流15kV 16.7Hzのみの単電源対応である。集電装置は、編成に2個搭載している。

登場当初は、1等車3両・2等車4両・食堂車 ("Bord Restaurant") 1両の構成であったが、特に2等車において慢性的な混雑が問題となり、その結果2002年より改造が行われた。具体的には、1等車2両・2等車5両の構成として、2等車のシートピッチを狭めることにより2等車の定員増加を実現したほか、食堂車をビストロ車 ("Bord Bistro") に改造している。

現在(改造後)の編成内容は以下のとおりである。

  • 403.5形:1号車・制御電動車・2等車(ラウンジ席あり)
  • 403.6形:2号車・付随車(パンタグラフ付)・2等車
  • 403.7形:3号車・電動車・2等車
  • 403.8形:4号車・付随車・2等車(多目的室あり)
  • 403.3形:5号車・付随車・2等車・食堂車 (Bord Bistro) 、当時は全室食堂車であった
  • 403.2形:6号車・電動車・2等車(区分室あり)、当初は1等車であった
  • 403.1形:7号車・付随車(パンタグラフ付)・1等車(区分室あり)
  • 403.0形:8号車・制御電動車・1等車(ラウンジ席あり)

2000年ハノーファーで開催された万国博覧会で、観客輸送用臨時列車"Expo Exptress (EXE) "で営業運転を開始し、その後、一般路線の運用への投入が行われた。

2002年8月1日のケルン - フランクフルト高速新線の暫定開業で、両都市間を結ぶシャトル列車に同形式が投入され、ICE 3の本領を発揮する300km/h運転が開始されている。同線は同年12月15日に正式開業し、同線を経由する列車は全てICE 3での運用となっている。

その後も各線への投入が行われており、ケルン-ライン=マイン高速線を経由する列車や、2006年に開業したニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線で300km/h運転を行う列車については、ICE 3(またはICE 3M)の限定運用となっている。

406形[編集]

運転席 (ICE 3MF)
オランダ鉄道所有編成との併結

ドイツの国内列車のみならず国際列車にも運用される車両で、2000年に、8両編成13本が製造された。また、オランダ鉄道2000年に同一仕様の編成を4本投入している。この形式は"ICE 3M"と呼ばれる(MはMehrsystem(複電源対応)の意)。形式は406形を名乗る。

電源方式は交流15kV 16.7Hzのほか、交流25kV50Hz、直流1.5kV、直流3kVにも対応する。これにより、ヨーロッパの電化区間をほぼカバーできるようになった(実際は電源方式以外の制約により、どこでも走行可能というわけではない)。なお欧州の高速新線はほとんどが交流電化(一部直流3kV)区間であるため、直流1.5kV電源下での編成全体の出力は3,500kWに、最高速度は220km/hに設定されている。集電装置は、編成に6個搭載している。

登場当初は、1等車3両・2等車4両・食堂車 ("Bord Restaurant") 1両の構成であったが、改造により、1等車2両・2等車5両、ビストロ車 ("Bord Bistro") 1両となっている。

現在(改造後)の編成内容は以下のとおりである。

  • 406.5形:1号車・制御電動車・2等車(ラウンジ席あり)
  • 406.6形:2号車・付随車(パンタグラフ付)・2等車
  • 406.7形:3号車・電動車(パンタグラフ付)・2等車
  • 406.8形:4号車・付随車(パンタグラフ付)・2等車(多目的室あり)
  • 406.3形:5号車・付随車(パンタグラフ付)・2等車・食堂車 (Bord Bistro)
  • 406.2形:6号車・電動車(パンタグラフ付)・2等車(区分室あり)
  • 406.1形:7号車・付随車(パンタグラフ付)・1等車(区分室あり)
  • 406.0形:8号車・制御電動車・1等車(ラウンジ席あり)

国際列車の運用としては2001年12月よりオランダアムステルダムまで、2002年12月よりベルギーブリュッセルまでそれぞれ直通している。ベルギー国内は高速新線(HSL2)が存在するにもかかわらず、諸般の事情で在来線経由となっていたが、2004年12月より高速新線経由となった。

2007年6月10日にはフランスLGV東ヨーロッパ線が開業し、TGV POSがドイツ国内まで直通すると同時に、ICE 3Mが1日3往復、フランスの首都パリまで直通することとなった。これに対応するため、フランス用の保安装置 (TVM) を搭載するなどの改造がICE 3Mの6編成に対して実施された。これらのフランス直通対応編成は"ICE 3MF" (Mehrsystem Frankreich) と呼ばれる。

407形[編集]

英仏海峡トンネル通過対応型で、営業最高速度は320km/h、形式は407形。製造元のシーメンスによる呼称はヴェラロD。2013年より運行開始予定の、ロンドン - ブリュッセル - ロッテルダム - アムステルダム、およびロンドン - ブリュッセル - ケルン - フランクフルト系統の高速列車運用にICE3ベースの車両が投入されることがDBより発表されている。現在発表されている情報によると、ロンドンからの所要時間はブリュッセルまで2時間、ロッテルダムまで3時間、アムステルダム、ケルンまで4時間、フランクフルトまで5時間となっている。

車両の詳細は現在のところ不明だが、2012年夏までに納入されることとなっている[3]

脚注[編集]

  1. ^
    ICE3の形式凡例
    • EW … Endwagen(制御電動車)
    • TW … Transformatorwagen(変圧器搭載車)
    • SW … Stromrichterwagen(整流器付電動車)
    • MW … Mittelwagen(中間付随車)
  2. ^ フランス国内(LGV東ヨーロッパ線内)では320km/hで運行中。
  3. ^ Presenting the Intercity-Express (ICE) in London today

参考文献[編集]

  • 『世界の高速列車II』 地球の歩き方、ダイヤモンド社、2012年、188頁-193頁。ISBN 978-4-478-04279-3

関連項目[編集]

  • ヴェラロ
  • JR九州885系電車 - デザイナー同士の個人的交遊関係もあり、ICE3のデザインの影響を受けたといわれているドイツ国外の列車。