A-LEX

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A-LEX
セパルトゥラスタジオ・アルバム
リリース
録音 サンパウロ Trama Studios
ジャンル ヘヴィメタルグルーヴ・メタルスラッシュメタル
時間
レーベル Atração Fonográficaブラジルの旗
SPV/スティームハマー欧州連合の旗
アヴァロン・レーベル日本の旗
プロデュース スタンレー・ソアレス、セパルトゥラ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 53位(オーストリア[1]
  • 68位(スイス[2]
  • 82位(ドイツ[3]
  • 150位(フランス[4]
  • 257位(日本[5]
  • セパルトゥラ アルバム 年表
    ザ・ベスト・オヴ・セパルトゥラ
    (2006年)
    A-LEX
    (2009年)
    カイロス
    (2011年)
    テンプレートを表示

    A-LEX』は、ブラジルヘヴィメタルバンドセパルトゥラ2009年に発表した11作目のスタジオ・アルバム。ジーン・ドラベラ加入後としては初のアルバムに当たる[6][7]

    背景[編集]

    アンソニー・バージェスの小説『時計じかけのオレンジ』にインスパイアされたコンセプト・アルバムである[6][7][8]。タイトルの『A-Lex』とは"no law"を意味する言葉で[6]、『時計じかけのオレンジ』の主人公アレックスに引っ掛けている。また、収録曲「ルードリヒ・ヴァン」は、作中にも登場したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『交響曲第九番』を元にしている[7]

    ギタリストのアンドレアス・キッサーは、元々はスタンリー・キューブリックが監督した映画版の大ファンで、バージェスの原作は本作の制作時まで読んでいなかったが、最終的には「映画も偉大だけど原作は更に強力だから、俺達は映画版よりも原作の方から強い影響を受けた」とのことである[9]。なお、音楽ジャーナリストのChad Bowarは、本作のストーリーに関して「最初の3パートは映画の筋に沿っており、最後のパートは原作から取られている」と分析している[7]

    サンパウロのTrama Studiosでレコーディングされ、ミキシングはサンパウロのMega Studiosで行われた[10]

    反響・評価[編集]

    バンドの母国ブラジルでは、リリースから1週間で5千枚を売り上げた[6]。アメリカでは、総合アルバム・チャートのBillboard 200には入っていないが、『ビルボード』のインディペンデント・アルバム・チャートでは48位を記録した[11]

    アレックス・ヘンダーソンはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「バンドのパーソネルの変更はネガティヴな影響をもたらすこともあるが、セパルトゥラは長年にわたって生命力を保ち続け、この優れた『A-LEX』においても生命力は健在だ」と評している[8]。一方、Chad BowarはAbout.comにおいて5点満点中3.5点を付け、バンド・サウンドやデリック・グリーンのボーカルを高く評価しながらも、ソングライティング面での完成度は前スタジオ・アルバム『ダンテ XXI』(2006年)に及ばないと評し、また、「ルードリヒ・ヴァン」に関して「コンセプト的にはアルバムの物語と合っているが、音楽的には失敗だ」と評している[7]

    収録曲[編集]

    特記なき楽曲は作詞:アンドレアス・キッサー、デリック・グリーン/作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン[10]

    1. A-Lex I - "A-Lex I" - 1:54
      • 作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン
    2. モロコ・メスト - "Moloko Mesto" - 2:09
    3. フィルシー・ロット - "Filthy Rot" - 2:46
    4. ウィーヴ・ロスト・ユー! - "We've Lost You!" - 4:13
    5. ホワット・アイ・ドゥ! - "What I Do!" - 2:01
    6. A-Lex II - "A-Lex II" - 2:18
      • 作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン
    7. トリートメント - "The Treatment" - 3:23
    8. メタモルフォシス - "Metamorphosis" - 3:01
    9. サディスティック・ヴァリューズ - "Sadistic Values" - 6:50
    10. フォースフル・ビヘイヴィアー - "Forceful Behavior" - 2:27
    11. コンフォーム - "Conform" - 1:54
    12. A-Lex III - "A-Lex III" - 2:03
      • 作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン
    13. エクスペリメント - "The Experiment" - 3:28
    14. ストライク - "Strike" - 3:40
    15. イナフ・セッド - "Enough Said" - 1:36
    16. ルードリヒ・ヴァン - "Ludwig Van" - 5:30
    17. A-Lex IV - "A-Lex IV" - 2:46
      • 作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン
    18. パラドックス - "Paradox" - 2:15
      • 作詞:アンドレアス・キッサー、デリック・グリーン、ルーカス・ケイター/作曲:アンドレアス・キッサー、ジーン・ドラベラ、デリック・グリーン

    参加ミュージシャン[編集]

    アディショナル・ミュージシャン

    脚注[編集]

    1. ^ Sepultura - A-Lex - austriancharts.at
    2. ^ Sepultura - A-Lex - hitparade.ch
    3. ^ Sepultura | Longplay-Chartverfolgung - musicline.de
    4. ^ lescharts.com - Sepultura - A-Lex
    5. ^ ORICON STYLE
    6. ^ a b c d Sepultura's 'A-Lex': First-Week Brazilian Sales Revealed”. Blabbermouth.net (2009年1月30日). 2015年6月7日閲覧。
    7. ^ a b c d e Bowar, Chad. “Sepultura A-Lex Review”. About.com. 2015年6月7日閲覧。
    8. ^ a b A-Lex - Sepultura | AllMusic - Review by Alex Henderson
    9. ^ Andreas Kisser On Cavalera Conspiracy Debut: 'It Is Not Bad, But They Could Do A Lot Better'”. Blabbermouth.net (2009年3月15日). 2015年6月7日閲覧。
    10. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
    11. ^ Sepultura | Awards | AllMusic