瞬間油熱乾燥法

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瞬間油熱乾燥法(しゅんかんゆねつかんそうほう)とは、インスタントラーメンの製法の一種である。

概要

日清食品創業者で、インスタントラーメンの開発者である安藤百福が開発した、乾燥した麺を短時間で戻すための製法である。

天ぷらの様に揚げる事によって、麺の水分が高温の油によって瞬時に沸騰することで麺に蒸気が抜けた微細な穴が多数残るため、お湯を注ぐと即座に軟化して食べる事ができる、という原理である。

但し、油を使うためカロリーが高くなる事、古くなると油が酸化すること、油特有のにおいと風味が残ることなどの欠点もある。これを解消したのが80℃程度の熱風を利用したノンフライ製法で、1969年、明星食品がノンフライ製法を開発し[1]、後に他社も追随し(マルちゃん正麺」や日清「ラ王」など)、これらの製品はヒットを記録した。

一方で、瞬間油熱乾燥法より乾燥に時間がかかりコスト・手間がかかること、一般に油揚げ麺の方が調理時間が短いこと、油揚げ麺の特有の食感を好む消費者も多いこと、またノンフライ麺よりα化度が高い[要出典]ため非常時には加熱調理しなくとも麺自体をそのまま食べることも可能なことから家庭での備蓄用食品に適している、などの特徴もあり現在でも瞬間油熱乾燥法はインスタントラーメンを作るための主流の製造技術として受け継がれている。

瞬間油熱乾燥法を用いたインスタントラーメンにおける原材料名の表記部には、『油揚げめん』(製品によっては『油揚げ麺』とも)と記載されている(ノンフライ製法では単純に『めん』と記載されている)。

脚注

  1. ^ <インスタントラーメン大研究 半世紀に渡る進化の歴史と次の商品」『日経トレンディネット』、2008年9月24日。2019年2月23日閲覧。

関連項目