ハンドドライヤー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
手動ボタン式ハンドドライヤー
三菱電機製ハンドドライヤー「ジェットタオル」

ハンドドライヤーとは、を風で乾かすための乾燥機である。タオルペーパーに対してエアータオルとも称する。

構造[編集]

どのメーカーの製品でも構造はほぼ同一で、センサーで手を感知して風を送るようになっている[1]

形式として、壁に掛けられた機械の下に手を差し出して、一方向から風を送って乾かすシングルタイプと、機械の中に手を通すことで両側から風を送って乾かすダブルタイプがある。ダブルタイプは通称おばけ型と呼ばれている[2]

殺菌灯を取り付けて乾燥と同時に紫外線による滅菌を行うものや[3]、アルコール噴霧を行うものなどがある[2]。滅菌を行うものは食品や病院関係に導入されている[3]自動ドアと連動させて、規定の時間の乾燥と滅菌が終わるまで自動ドアが開かないという仕組みのものもある[3]

特徴[編集]

ペーパータオルや布ロールタオルを使用する場合に比べて、ハンドドライヤーは電気代を考慮してもランニングコストが安いとメーカーでは試算している[4]。また、たとえペーパータオルを100パーセントリサイクルしたとしても、工場への搬送、リサイクル、製品の輸送にかかるエネルギーや薬品の消費を考えれば、ハンドドライヤーの方が環境負荷が少ないとメーカーは主張している[5]

細菌の空中への拡散[編集]

英ウエストミンスター大学の研究者による実験では、ジェットドライヤーの乾燥に利用される風に乗って室内に細菌ウイルスが拡散されると報告されている[6]。報告によれば、ジェットドライヤーは温風ドライヤーの20倍、ペーパータオルの190倍以上の量で、送風から15分が経過しても空気中を漂っているとしている[6]。但し、現実にトイレを使用した人の手に付着している細菌量と種類のデータは十分ではなく、利用者の病原体感染率を増加させる危険性があるのか疑問も出されている[7]

歴史[編集]

日本では、1960年(昭和35年)に東京エレクトロンが最初のハンドドライヤーを発売した[8]。当時、アメリカには既に同様のものが存在していたという[3]。以降、1970年代始めまで特許により保護されていたため、東京エレクトロンが独占して製造・販売を行ってきた。特許が切れて以降、大手各社が参入してきて競争が始まった[1]。1985年(昭和60年)頃にモーターの性能が改良されて乾燥時間が短くなり、普及に弾みが付いた[1]。さらに1990年代になると、環境問題の観点から紙を消費しないハンドドライヤーの普及がさらに促進されることになった[1]。風の吹き出し口を小さく絞ることにより、モーターの能力が同一でも水を吹き飛ばす性能が大幅に高まる改良がこの時期に行われた[2]

主な生産メーカー[編集]

  • 東京エレクトロン - エアータオルのパイオニアで2010年で50周年を迎えるハンドドライヤーメーカーの老舗。日本カルミックやダスキンにOEM供給している。
  • コイト電工 - 大部分がTOTO「クリーンドライ」へのOEM
  • パナソニック エコシステムズ - パワードライと称している。三栄水栓やダスキンにOEM供給している。。また、一部機種は製造終了となり東京エレクトロンのOEMに切り替わった。
  • 三菱電機 - ジェットタオルと呼ばれる。上から手をかざすタイプを初めて発売した。INAX「スピードジェット」へのOEMも存在する。
  • ダイソン

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d どうやったら早く乾く? ハンドドライヤーメーカーに聞く 2”. デイリーポータルZ (2014年4月8日). 2014年4月12日閲覧。
  2. ^ a b c どうやったら早く乾く? ハンドドライヤーメーカーに聞く 3”. デイリーポータルZ (2014年4月8日). 2014年4月12日閲覧。
  3. ^ a b c d どうやったら早く乾く? ハンドドライヤーメーカーに聞く 1”. デイリーポータルZ (2014年4月8日). 2014年4月12日閲覧。
  4. ^ コスト”. 東京エレクトロン. 2014年4月12日閲覧。
  5. ^ Frequently Asked Questions About Mitsubishi Jet Towel Hand Dryer”. 三菱電機. 2014年4月12日閲覧。
  6. ^ a b P.T. Kimmitt, K.F. Redway, Evaluation of the potential for virus dispersal during hand drying: a comparison of three methods., 20 January 2016, doi:10.1111/jam.13014
  7. ^ トイレの「ジェットドライヤー」はウイルスを大量に拡散する:調査結果 WIRED 2016.05.01
  8. ^ エアータオルの歴史”. 東京エレクトロン. 2014年4月12日閲覧。

関連項目[編集]