ホームページ・ビルダー
開発元 | IBM / ジャストシステム |
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初版 | 1994年 |
最新版 |
22
/ 2020年4月22日 |
対応OS | Microsoft Windows |
種別 | Webオーサリングツール |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト | justsystems.com |
ホームページ・ビルダーはジャストシステムが開発・販売するWebオーサリングツールで、HTMLタグを知らなくてもウェブページやウェブサイトを作成できる。1994年に日本IBMが開発・販売し、2010年よりジャストシステムが開発・販売している。
概要
ホームページ・ビルダーは、日本IBMの大和開発研究所が開発し、1994年にバージョン1.0が登場した。その後、著作権と商標権の譲渡があり、2010年からはジャストシステムが開発から販売、サポートを行っている。
他のWebオーサリングツールは業務用としても使えるように、ある程度の知識を持った中級から上級者をターゲットとして設計されているものが多い中、ホームページ・ビルダーは初級者でも簡単に使えるソフトウェアとして設計されている。写真やビデオを編集できる機能を搭載したり、他の企業と連携して掲示板やブログの作成をウィザード形式でおこなう機能が搭載されているなど、ホームページにまつわる多くのことをホームページビルダー上で実現できるようにしていることが特徴の一つである。
Webオーサリングツールのパッケージソフトウェアとしては1999年10月から13年以上連続で売り上げ1位を記録している[1]。
2006年の情報処理推進機構(IPA)の調査[2]によると、Webオーサリングソフトを使っている日本語サイトの68%以上はホームページ・ビルダーで作成されていた。
2008年のソースネクスト社による「ホームページ作成に関する使用実態調査」では、全回答者の71.7%がホームページ・ビルダーを使用していた[3]。
開発元・販売元の変移
バージョン1.0からV8までは日本IBMが開発と販売を担当していた。
V9と10は、日本IBMが開発・販売しているが、ソースネクストとジャングルからも販売された[4]。
11は、日本IBMが開発し、ソースネクストと独占販売契約が結ばれた。しかしその後、ジャストシステムから教育機関・官公庁向けに販売が行われ[5]、その販売形態を巡って日本IBMとソースネクストの訴訟に発展したが[6]、2007年12月に一部[7]、2008年7月にすべての和解が成立した[8]。
12から14は、日本IBMが開発を行い、販売はジャストシステムのみが行った[9][10]。
2010年2月16日、ジャストシステムが日本IBMからプログラム著作権と商標権を取得した[11]。
15以降はジャストシステムにより開発・販売されている。
作成したウェブサイトの互換性
2007年2月、情報処理推進機構 (IPA) がオープンソースソフトウェア活用基盤整備事業の一環として、オープンソース(ここではFirefox)の普及の妨げとなっている、Internet Explorer6.0とFirefox1.5の両方で同じように表示できないウェブサイトがどのような過程で作られたかの調査結果「OSSデスクトップ普及に資するWebコンテンツ互換性向上に関する調査(1)[2](2)[12]」が公開された。
この報告書の中で、非互換要因数の傾向[13]としては、MSHTML、Microsoft社各種オーサリングツールが突出して多く、ホームページ・ビルダーはAdobe社やその他のツールよりもやや多い程度であった。
影響度の分析[14]の中では、ホームページ・ビルダーV6~10は、基準値を設定せずにz-indexにマイナス値を使ってしまっているため、このようなページをFirefoxで表示すると、z-indexが指定された要素すべてが非表示となってしまう、という致命的な影響を与えてしまうことが報告された。
リリース履歴
- ホームページ・ビルダー バージョン1.0
- 1994年発売。
- ホームページ・ビルダー バージョン2.0
- 1996年12月13日発売[15]。
- ホームページ・ビルダー バージョン3.0
- 1997年10月31日発売[16]。
- ホームページ・ビルダー 2000
- 1998年11月13日発売[17]。
- ホームページ・ビルダー 2001
- 1999年10月8日発売[18]。
- iモード向けサイトの作成機能が搭載される。
- ホームページ・ビルダー V6
- 2000年11月17日発売[19]。
- どこでも配置モードが搭載される。
- teacupと提携し、ホームページ・ビルダーからの操作でteacupに掲示板を作成できる。
- ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia
- 2001年11月22日発売[20]。
- HotMediaクリエイターを搭載し、画像や動画を組み合わせてJavaアプレットを生成できる。
- 提携する検索サイトへの登録申請をホームページ・ビルダー上から行える機能を搭載。
- ホームページ・ビルダー7
- 2002年11月1日発売[21]。
- ホームページ・ビルダー V8
- 2003年12月5日発売[22]。
- ホームページ・ビルダー V9
- 2004年11月19日発売[23]。
- CSS1.0のほとんど、CSS2.0の一部に対応。
- Unicodeに対応し多言語を扱うことができる。
- ホームページ・ビルダー 10
- 2005年12月2日発売[24]。
- ホームページ・ビルダー 11
- 2006年12月1日発売[25]。
- アフィリエイトスクリプトの挿入機能を搭載。
- CSSエディタが搭載されるなど、スタイルシートへの対応を強化。
- ホームページ・ビルダー 12
- 2007年12月7日発売[26]。
- ホームページ・ビルダー 13
- 2008年12月5日発売[27]。
- ホームページ・ビルダー 14
- 2009年12月4日発売[28]。
- SEO対策機能「SEOナビ」を搭載。
- ホームページ・ビルダー 15
- 2010年12月3日発売[29]。
- レイアウトをテーブルで調整せずにすべてCSSを用いるようになる。
- ホームページ・ビルダー 16
- 2011年10月7日発売[30]。
- スマホ用サイトの自動生成機能を搭載。
- ホームページ・ビルダー 17
- 2012年10月5日発売[31]。
- WordPressに対応。
- HTML5の読み込み・表示に対応[32]。
- ホームページ・ビルダー 18
- 2013年10月4日発売[33]。
- HTML5フォーマットでの新規作成に対応。
- ホームページ・ビルダー 19
- 2014年10月3日発売[34]。
- より直感的に作成できる「ホームページ・ビルダーSP」としてリニューアル。 従来同等のものは「ホームページ・ビルダークラシック」として利用可能。
- ホームページ・ビルダー 20
- 2015年10月2日発売[35]。
- ホームページ・ビルダー 21
- 2016年10月7日発売[36]。
- ホームページ・ビルダー22
- 2020年4月22日発売[37]。
脚注
- ^ ホームページ・ビルダー18 | 売上No.1 ホームページ(hp)作成ソフト
- ^ a b http://ossipedia.ipa.go.jp/doc/86/
- ^ “「ホームページ作成ソフトの市場で1位目指す」、ソースネクスト松田社長”. internet.watch.impress.co.jp. 2019年3月23日閲覧。
- ^ BCN+R. “売れてる理由がそこにある”. BCN+R. 2020年4月29日閲覧。
- ^ IBM ジャストシステム、「HPB11」のライセンス販売を開始 - Japan
- ^ “ホームページ・ビルダーの販売を巡り、ソースネクストと日本IBMが訴訟”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 日経クロステック(xTECH). “日本IBMとソースネクスト、HP作成ソフトの販売権裁判で一部和解も平行線”. 日経クロステック(xTECH). 2020年4月29日閲覧。
- ^ 「IBMホームページ・ビルダー V11」の訴訟和解に関するお知らせ - 日本IBM
- ^ 日経クロステック(xTECH). “IBMの「ホームページ・ビルダー」新版、販売面でジャストと協業”. 日経クロステック(xTECH). 2020年4月29日閲覧。
- ^ 「IBM ホームページ・ビルダー 12」IBM×ジャストシステムの軌跡
- ^ “ニュースリリース | 2010.02.16 ジャストシステムがIBMから「ホームページ・ビルダー」のプログラム著作権と商標権を取得”. www.justsystems.com. 2020年4月29日閲覧。
- ^ http://ossipedia.ipa.go.jp/doc/146/
- ^ (1)の3.5.4.6章
- ^ (1)の3.5.4.2章、3.5.4.7章
- ^ “日本IBMがホームページ作成ソフトをバージョンアップ、 12月13日より発売開始”. PC Watch (1996年11月15日). 2012年5月9日閲覧。
- ^ “ホームページ・ビルダー バージョン3.0の発表”. www-01.ibm.com (2008年11月19日). 2020年5月28日閲覧。
- ^ “日本IBM、ホームページ作成ソフト「ホームページ・ビルダー2000」11月発売”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “日本IBM、「ホームページ・ビルダー」の新バージョン発表”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “日本IBM、ホームページビルダーの新バージョン11月発売”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “日本IBM、プロユースを意識した最新版「ホームページ・ビルダー」を発表”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ ASCII. “日本IBM、『ホームページ・ビルダー 7』を11月1日に発売”. ASCII.jp. 2020年5月28日閲覧。
- ^ “日本IBM、「ホームページ・ビルダーV8」を12月5日に発売”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “Webサイトを“TAKUMI”にデザインできる「ホームページ・ビルダー V9」”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “「ホームページ・ビルダー10」発表、ブログやデータベース対応の新機能”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “Podcasting対応ページも作成できる「ホームページ・ビルダー11」”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “日本IBM、“ブログ感覚”のWeb作成ソフト「ホームページ・ビルダー12」”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “「ホームページ・ビルダー13」発表、地図や動画の挿入機能追加”. internet.watch.impress.co.jp. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2009年10月28日). “「ホームページ・ビルダー14」12月発売、SEO対策支援機能を搭載”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2010年10月13日). “「ホームページ・ビルダー15」発表、テーブル組みレイアウトからCSSへ脱却”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2011年8月23日). “「ホームページ・ビルダー16」10月7日発売、スマホサイトの自動生成機能など”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2012年8月22日). “ジャスト、WordPress対応でスマホから更新できる「ホームページ・ビルダー 17」”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ “『「HTML5+CSS3」対応』 ジャストシステム ホームページ・ビルダー17 通常版 のクチコミ掲示板”. 価格.com. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2013年8月28日). “ジャストシステム、「ホームページ・ビルダー 18」10月4日発売 新たに専用マーケットでのテンプレート購入やjQuery、遠隔支援をサポート”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2014年8月28日). “「ホームページ・ビルダー19」、簡単にページが作成できるソフトを新搭載”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2015年8月26日). “「ホームページ・ビルダー20」10月発売、レスポンシブデザイン対応のテンプレ大幅増量、写真レタッチソフトも添付”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2016年9月7日). “「ホームページ・ビルダー21」10月7日発売、バナー画像作成用・ECサイト構築用のソフトを新たに搭載”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2020年4月22日). “「ホームページ・ビルダー22」発売、スマホ向け「ロングスクロール」ページも制作可能に”. INTERNET Watch. 2020年4月29日閲覧。
関連項目
- ウェブアートデザイナー
- ホームページ - ソースネクスト社の競合製品
- コンテンツ管理システム (CMS)
- ウェブサイト
- コーポレートサイト
- IBM
- Webオーサリングツール
外部リンク