コンテンツにスキップ

魔境伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Bcxfubot (会話 | 投稿記録) による 2023年5月26日 (金) 13:20個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (外部リンクの修正 {{MobyGames}} (Botによる編集))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

魔境伝説
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 PCエンジン
開発元 エイコム
ハドソン
発売元 ビクター音楽産業
デザイナー 竹森得泰
阿部K助
プログラマー 白谷守
P-OKABE
やすだじゅん
音楽 竹間淳
滝本利昭
美術 阿部K助
橋本茂徳
すごうともこ
人数 1人
メディア 2メガビットHuCARD[1]
発売日 日本 198809231988年9月23日
アメリカ合衆国 198908291989年8月29日
その他 型式:日本 JC63001
アメリカ合衆国 TGX020003
テンプレートを表示

魔境伝説』(まきょうでんせつ)は、1988年9月23日に日本のビクター音楽産業から発売されたPCエンジン横スクロールアクションゲーム。北米では『The Legendary Axe』のタイトルで発売された。

同社のPCエンジン参入第一弾ソフト。主人公の「ゴーガン」を操作し、邪神教「ジャグウ」に捉えられた恋人「フレイア」を救出する事を目的としている。トマホーク「スティング」を武器として敵を倒しながらステージを進んでいくオーソドックスなアクションゲームとなっている。

開発はエイコムおよびハドソンが行い、ゲーム・デザインはファミリーコンピュータ用ソフト『ボンバーキング』(1987年)を手掛けた竹森得泰および後にPCエンジン用ソフト『PC原人』(1989年)を手掛けた阿部K助が担当、音楽はファミリーコンピュータ用ソフト『ボンバーマン』(1985年)や『高橋名人の冒険島』(1986年)を手掛けた竹間淳および『ヘクター'87』を手掛けた滝本利昭が担当している。

アメリカ合衆国のゲーム誌『エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー』や『VideoGames & Computer Entertainment』において1989年のベストゲームに選出されるなど、日本国外において非常に高い評価を受けた。

後に同社より続編となる『暗黒伝説』(1990年)が発売された。

ゲーム内容

主人公「ゴーガン」を操作し、唯一の武器であるトマホーク「スティング」を使用して敵を倒しジャンプを駆使して進むという硬派なアクションゲームとなっている[2]。攻撃ボタンを押さずにいる事でパワーゲージが溜まっていき、より強力な攻撃が可能になる点を特徴としている。アイテム「パワーサプライ」を取得する事でゲージの最大値と威力が増していき、ステージ後半では画面上の敵を一掃できるほどに協力になる[2]

道中は難易度も高い箇所があるが、パターンを覚える事で突破できるようなシステムとなっている[2]

ストーリー

遥か昔、深い山の奥に暴力を崇拝し血と生贄を貪る邪神教「ジャグウ」が誕生した。ジャグウは集団で村を襲い略奪と殺戮の限りを尽くし、怪しげな魔術でおとなしい動物たちを凶暴な害獣へと変え彼らの住処へ近づくものを襲わせた。人々はジャグウ教徒が棲む山を「魔境」と呼び恐れた。住み慣れた故郷を捨て安住の地を探すべく遠くへ旅立った者もいたが、ほとんどのものは故郷に留まりジャグウに貢ぎ物をし、毎年村の少女一人を生贄とすることで安全を計っていた。しかしジャグウ教徒の横暴は日に日に増長していった。

ミノフの村に収穫の季節が訪れた。しかしそれは同時に生贄の季節の到来を意味していた。その年に生贄に選ばれたのは16歳となったばかりの少女フレイアであった。

そんなフレイアには18歳の幼馴染ゴーガンがいた。ゴーガンは16歳の時に修行のために村を離れていたが、フレイアが生贄に選ばれたことを知り急いで駆け付けた。ゴーガンが村に着いた時には既にフレイアは連れ去られた後だった。

ゴーガンはフレイアを救うため、村の長老から贈られた不思議な力を持った聖なるトマホーク「スティング」を手に、ジャグウの巣食う「魔境」へと旅立っていった。

スタッフ

  • ゲーム・デザイナー:竹森得泰、ABU(阿部K助)
  • プログラマー:TSURUMOKU(白谷守)、P-OKABE、やすだじゅん
  • グラフィック・デザイナー:ABU(阿部K助)、橋本茂徳、すごうともこ
  • 音楽:竹間淳、滝本利昭
  • テスト・プレイヤー:やすだじゅん、P-OKABE
  • スペシャル・サンクス:Mr.AOYAMA(青山英二)、ONO-CHAN

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4/5stars[3]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー33/40点[4]
ファミ通26/40点[5]
IGN8/10点[6]
PC Engine FAN21.28/30点[1]
(総合218位)
PCエンジン完全ガイド肯定的[2]
受賞
媒体受賞
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリーBest Game of the Year (TurboGrafx), 1989
VideoGames & Computer EntertainmentVideo Game of the Year (all consoles), 1989
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計26点(満40点)[5]、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.28点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で218位(485本中、1993年時点)となっている。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「初期のラインナップの中にあってもかなりできがよく、操作性もよい」と称賛した[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.87 3.68 3.49 3.68 3.35 3.21 21.28
  • ゲーム本『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』では、グラフィックは背景や敵キャラクターまで細かく描き込まれていると指摘し、「先の見えない魔境の雰囲気がよく出ている」と称賛した[2]。また通常動作が斧攻撃とジャンプのみであるため、パワーゲージをマックスまで溜め込んで放つ攻撃は「桁違いに強力な溜め攻撃の爽快感が輝いて見える」と絶賛、また何度も挑戦する事で突破口が見いだせるゲームバランスの良さを指摘した上で「派手さはないが本気で遊び込める通好みの作品といえる」と称賛した[2]

脚注

  1. ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、30頁。 
  2. ^ a b c d e f 「PCエンジンソフト完全カタログ 1988年」『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』スタンダーズ、2018年6月15日、35頁。ISBN 9784866362670 
  3. ^ House, Michael L.. “The Legendary Axe – Overview”. Allgame. November 14, 2014時点のオリジナルよりアーカイブMarch 20, 2010閲覧。
  4. ^ Harris, Steve; Semrad, Ed; Nauert, Donn; Allee, Jim (September 1989). “The Legendary Axe”. Electronic Gaming Monthly (Lombard, IL: Sendai Publications) (3): 14. ISSN 1058-918X. OCLC 23857173. 
  5. ^ a b 魔境伝説 まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2020年1月12日閲覧。
  6. ^ Buchanan, Levi (April 2, 2008). “The Legendary Axe Review”. IGN. September 29, 2008時点のオリジナルよりアーカイブMarch 20, 2010閲覧。

関連項目

本作のゲーム・デザインを手掛けた竹森得泰による作品。

外部リンク