コンテンツにスキップ

奥村一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Japanthem (会話 | 投稿記録) による 2023年5月11日 (木) 05:33個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (声楽曲)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

奥村 一
別名 セルゲイ・クロマコフ (Serge Kromakov, Sergei Kromakov)[1]
生誕 1925年1月13日
出身地 日本の旗 日本東京都[1]
死没 (1994-04-02) 1994年4月2日(69歳没)
学歴 東京音楽学校本科作曲科
同研究科
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家

奥村 一(おくむら はじめ、1925年1月13日 - 1994年4月2日[1])は、日本作曲家埼玉県出身。

略歴

東京音楽学校本科作曲科を1947年に卒業、同研究科を1949年に修了。成田為三橋本国彦細川碧信時潔伊福部昭らに作曲を、永井進にピアノを師事[1]1944年には陸軍戸山学校軍楽生徒隊に入隊し、オーボエを与えられた[2]。音楽学校からの同期には芥川也寸志梶原完、斎藤高順ら14人がいる[3]。1950年代から1960年代には多くの映画音楽を手がけた[4]

ピアノ作品が多く、リズムダイナミックスを際立たす音楽が多い。代表作には1961年に書かれた「ピアノ・ソナチネ第4番」がある。

吹奏楽の分野では、藤田玄播斎藤高順岩河三郎岩井直溥名取吾朗川崎優桑原洋明とともに作曲家グループ「ニューエイトの会」を結成し[5]、意欲的に新曲の作曲を行った。行進曲「太陽の下に」が第19回全日本吹奏楽コンクールの課題曲になり、また全日本吹奏楽連盟の委嘱により第27回全日本吹奏楽コンクール課題曲として行進曲「青春は限りなく」を作曲している。 さいたま市立宮前中学校の校歌も手掛けた。

主要作品

ピアノ曲

  • ピアノ・ソナタ第1番 (1949)
  • ピアノ・ソナタ第2番 (1956)
  • ピアノ・ソナタ第3番
  • ピアノ・ソナチネ第1番
  • ピアノ・ソナチネ第2番 (1960)
  • ピアノ・ソナチネ第3番 (1961)
  • ピアノ・ソナチネ第4番 (1961)
  • ピアノ・ソナチネ第5番 (1968)
  • ピアノのための二つのソナタ
  • ピアノのためのカプリチオ
  • ピアノ独奏曲いたずらっ子のプレリュード
  • ピアノ独奏曲ハイウェイ
  • 日本民謡ピアノ曲集1・2集 (1963)
  • おどり
  • 即興舞曲
  • トッカータ「工事現場」
  • 花に寄せる3つの前奏曲
  • 2台のピアノのための「屋台ばやし」
  • ピアノ協奏曲
  • 「こどもの広場」ピアノ曲集
  • 「4つのおはなし」ピアノ曲集
  • 「こどもの城」ハイウェイ
  • 子供のための2つの作品
  • 子供のためのソナチネ
  • 「黒いひとみ」の主題による幻想曲(セルゲイ・クロマコフ名義)
  • モスクワの想い出:赤いサラファンによる幻想曲(セルゲイ・クロマコフ名義)

その他の器楽曲

  • フルート、チェロ、ピアノのためのトリオ「日本の初春」 (1969)

吹奏楽曲

  • 行進曲「若人の力」 (1966)
  • 行進曲「われら若人」 (1966)
  • 音戸の舟唄 (1968)
  • 金管アンサンブルのためのコンポジション (1968)
  • バンドのための組曲 (1969)
  • 行進曲「オン・トップ・フライング」 (1970)
  • バンドのための前奏曲「祈り」 (1970)
  • 行進曲「太陽の下に」 (1971) - 第19回全日本吹奏楽コンクール課題曲
  • バンドのための舞曲「ラプソディー」 (1972)
  • 組曲「秩父夜祭り」 (1976)
  • 幻想的詩曲「十和田湖」 (1977)
  • 御陣乗太鼓への幻影 (1978)
  • バレエ「登呂の人々」豊作祭の踊り (1979)
  • 行進曲「青春は限りなく」 (1979) - 全日本吹奏楽連盟委嘱作品(第27回全日本吹奏楽コンクール課題曲
  • ドラマチック・ファンタジー「阿修羅像」 (1980) - 東京吹奏楽団委嘱作品
  • ピアノとウインドオーケストラのための「ラプソディ」 (1982)
  • 葬列 (1984)
  • 故郷

バレエ音楽

  • 祭り
  • 登呂遺跡
  • 天草四郎

オペラ

  • モノオペラ「静」 (1970)
  • 人待つ女 (1958)
  • お夏狂乱
  • 羽衣

声楽曲

映画、ラジオドラマ音楽

  • 本日休診(1952年)
  • (1952年)
  • 二つの花(1952年)
  • 父帰る(1952年)
  • 「幻なりき」より 郷愁(1952年)
  • 坊ちゃん重役(1952年)
  • 現代人(1952年)
  • 若君罷り通る(1952年)
  • 花咲く我が家(1952年)
  • 夢見る人々(1953年)
  • お役者小僧(1953年)
  • 愛慾の裁き(1953年)
  • 落葉日記(1953年)
  • 真珠母(1953年)
  • めぐり逢い(1953年)
  • 次郎吉娘(1953年)
  • 荒川の佐吉 遊侠夫婦笠(1953年)
  • 連続放送劇「潮騒」 (1954)
  • 蛮から社員(1954年)
  • 若き日の誘惑(1954年)
  • 恋愛パトロール(1954年)
  • 勲章(1954年)
  • 新婚たくあん夫婦(1954年)
  • 怪人二十面相 第一部 人か魔か?(1954年)
  • 名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第二部 巨人対怪人(1954年)
  • 名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第三部 怪盗粉砕(1954年)
  • 僕は横丁の人気者 第一部陽気なゴン兵さん(1955年)
  • 僕は横丁の人気者 第二部フーちゃんの子守唄(1955年)
  • むすこ大学(1956年)
  • 美貌の園 前篇嘆きの花 後篇愛憎の夜(1956年)
  • 見事な娘(1956年)
  • 魔の季節 春のみづうみ(1956年)
  • お母さんの黒板(1956年)
  • 鬼の居ぬ間(1956年)
  • 楽天夫人(1956年)
  • 茶の間の時間 愛情の波紋(1956年)
  • 天上大風(1956年)
  • 白磁の人(1957年)
  • 近くて遠きは(1957年)
  • オーケストラの姉妹(1957年)
  • 折鶴さんど笠(1957年)
  • わが胸に虹は消えず 第一部(1957年)
  • わが胸に虹は消えず 第二部(1957年)
  • 月と接吻(1957年)
  • おトラさん(1957年)
  • 消された刑事(1958年)
  • デン助の小学一年生(1958年)
  • JA750号機行方不明(1959年)
  • 一刀斎は背番号6(1959年)
  • トップ屋取材帖 迫り来る危機(1959年)
  • 闇に光る眼(1960年)
  • 勝利と敗北(1960年)
  • 素晴らしき遺産(1960年)
  • お嬢さんの散歩道(1960年)
  • 女妖(1960年)
  • 百万弗を叩き出せ(1961年)
  • 風神雷神(1962年)
  • 野獣の青春(1963年)
  • 悪太郎(1963年)
  • 黒の死球(1963年)
  • 花と怒濤(1964年)
  • 悪太郎伝 悪い星の下でも(1965年)

脚注

  1. ^ a b c d 細川周平片山杜秀 監修『日本の作曲家 近現代音楽人名事典』日外アソシエーツ、2008年、162-163頁。ISBN 978-4-8169-2119-3 
  2. ^ 團伊玖磨. “エッセイ「もがりぶえ」”. ムラマツフルート. 2013年4月6日閲覧。
  3. ^ 芥川也寸志『音楽の旅』旺文社, 1981年, p24
  4. ^ 奥村 一のプロフィール”. allcinema.net. 2013年4月6日閲覧。
  5. ^ 岩井直溥 (2009年7月14日). “第25回 ニュー・エイトの会(1)”. 2013年4月7日閲覧。

外部リンク

参考文献を兼ねる