国武豊喜
文化勲章受章に際して 公表された肖像写真 | |
人物情報 | |
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生誕 |
1936年2月26日(88歳) 日本 福岡県久留米市 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 九州大学工学部応用化学科卒業 |
学問 | |
研究分野 |
化学 高分子合成化学に関する研究 |
研究機関 |
アメリカ合衆国 ペンシルベニア大学 アメリカ合衆国 カリフォルニア工科大学 九州大学 北九州市立大学 |
指導教員 |
秋吉三郎 麻生忠二 |
博士課程指導学生 |
新海征治 岡畑恵雄 君塚信夫 米澤徹 |
学位 | 博士 |
主な業績 | 世界初の人工での脂質二分子膜を形成を達成。 |
主な受賞歴 |
日本学士院賞 産学官連携功労者表彰文部科学大臣賞 瑞宝重光章 文化勲章 京都賞先端技術部門 高分子学会賞 日本化学会賞 向井賞 高分子科学功績賞 紫綬褒章 文化功労者 |
國武 豊喜(くにたけ とよき、1936年(昭和11年)2月26日 - )は、日本の化学者・教育者・会社役員。理研ベンチャーである株式会社ナノメンブレン取締役および北九州産業学術推進機構の理事長。北九州市立大学元副学長。
来歴
福岡県久留米市に生まれ、久留米大学附設高等学校卒業後、九州大学工学部応用化学科に入学。大学4年時に秋吉三郎教授、麻生忠二助教授の高分子化学講座へと配属される。修士課程修了後、秋吉教授の「アメリカの大学院を範とする基礎研究重視の大学院教育システムの確立」のため、ペンシルベニア大学の博士課程へと進学する (Ph.D. Adviser, Charles. C. Price)。約2年半で博士学位を取得し、カリフォルニア工科大学のCarl G. Niemann Groupで博士研究員として研究を行う。その後、助教授として九州大学へと戻り(麻生教授グループ)、麻生教授の退官後ほどなくして教授となる。
九州大学学部・大学院修士課程およびペンシルベニア大学大学院においては、高分子合成化学に関する研究を行う。博士研究員時代に加水分解酵素に関する研究を行い、助教授就任後の初期には環化重合と酵素モデルに関する研究に携わる。世界で初めて人工での脂質二分子膜形成を達成した[1]。九州大学教授を退官後も精力的に研究を行っており、現在では分子組織化学をさらに発展させることによって、数10 nmの膜厚を有し、なおかつ十分な強度を有する無機-有機ハイブリッドナノ薄膜の合成に成功している。取締役を務めるナノメンブレン社は、このナノ薄膜をコア技術・製品としている。
1999年に九州大学教授を退官、北九州市立大学の教授および理化学研究所のディレクターとなる。
人物
本名は「國武豊喜」[2]であり、文化勲章受章時の名簿でもそのように記載されているが[3]、姓の「國」は旧字体のため、新字体で国武 豊喜(くにたけ とよき)とも表記される。
年譜
- 1958年 3月 九州大学工学部応用化学科卒業
- 1960年 3月 九州大学大学院修士課程修了
- 1962年 8月 ペンシルベニア大学大学院博士課程修了
- 1962年 9月 カリフォルニア工科大学博士研究員
- 1963年 2月 九州大学工学部助教授
- 1974年 2月 九州大学工学部教授
- 1992年 4月 九州大学工学部長
- 1999年 4月 北九州市立大学教授
- 2007年 9月 株式会社ナノメンブレン取締役に就任
- 2008年 3月 北九州市立大学教授 退職
受賞歴
- 2001年 - 日本学士院賞
- 2007年 - 産学官連携功労者表彰文部科学大臣賞
- 2011年 - 瑞宝重光章[4]
- 2014年 - 文化勲章[5]
- 2015年 - 京都賞先端技術部門[6]
- 高分子学会賞
- 日本化学会賞
- 向井賞
- 高分子科学功績賞
叙位・叙勲
脚注
- ^ T. Kunitake and Y. Okahata , "A totally synthetic bilayer membrane", J. Am. Chem. Soc., Volume 99, pp. 3860-3861 (1977).
- ^ 『國武豊喜名誉教授が高等研究院の特別主幹教授に就任 | トピックス | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)』2016年2月5日。
- ^ “平成26年度 文化勲章受章者”. 文部科学省 (2014年11月3日). 2019年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月2日閲覧。
- ^ “平成23年秋の叙勲 瑞宝重光章受章者” (PDF). 内閣府. p. 1 (2011年11月). 2016年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
- ^ “文化勲章にノーベル賞の天野さん・中村さんら7人”. 朝日新聞デジタル (2014年10月24日). 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月2日閲覧。
- ^ “國武豊喜氏ら3氏に京都賞”. サイエンスポータル. 科学技術振興機構 (2015年6月22日). 2015年7月15日閲覧。[リンク切れ]
関連文献
- Y.Okahata, N.Kimizuka, N.Furlong, "Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects", vol. 169, pp. 1-3 (2000). doi:10.1016/S0927-7757(00)00466-0
外部リンク
- ナノネットインタビュー
- 「極薄の膜で人類の課題を解決する (PDF) 」 RIKEN NEWS(理化学研究所)2007年1月号インタビュー
- 国武化学組織プロジェクト - ERATO
- ICORP超分子プロジェクト
- 九州大学大学院工学研究院 応用化学部門分子教室
- 株式会社ナノメンブレン
- 北九州産業学術推進機構
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