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2-デセナール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-デセナール
識別情報
CAS登録番号 3913-71-1 チェック
PubChem 5283345
ChemSpider 18652
UNII E93S23U2BU チェック
EC番号 223-472-1
ChEBI
特性
化学式 C10H18O
モル質量 154.25 g mol−1
外観 透明から黄色の油状の液体
密度 0.841 g/mL
融点

-16 °C, 257 K, 3 °F

沸点

79 °C, 352 K, 174 °F

危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H315, H319
Pフレーズ P264, P280, P302+352, P305+351+338, P321, P332+313, P337+313, P362
NFPA 704
1
2
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-デセナール(2-Decenal)は、化学式C10H18Oの有機化合物である。cis体(2E)-2-デセナールとtrans体(2Z)-2-デセナールの対で存在する。標準状態では油状で透明な液体であり、不純物により黄色を呈する。強いのような匂いを持つとされる。飼料に痕跡量含まれ、コリアンダー精油にも含まれる。香料としても用いられる。

天然の存在[編集]

2-デセナールは、様々な食物に含まれる。オレンジピールブラックベリーショウガバターマッシュルームキウイベーコン脂肪ローストビーフ牛脂、加熱した牛脂、ビルベリーニンジンの根、茹でた鶏肉、鶏出汁、クランベリーの絞り滓、ハムコケモモオレンジ、加熱した豚脂ポテトチップス大豆、茹でた羊肉、ローストしたヘーゼルナッツフライドポテトトマト小麦粉パン、ローストしたピーカンナッツコメ、ローストしたピーナッツ、コリアンダーの葉等の広い範囲の食物で見られる[1]

コリアンダーの葉に(E)-2-ドデセナールとこのアルデヒドが存在することは、OR6A2遺伝子の特定の変異を持つ人々に一般的に報告されている、このハーブに対する嫌悪感に関連している[2]

また、タバコ添加物の中にも見られ[3]クサギカメムシの不快な匂いの成分の1つである。

応用[編集]

2-デセナールは、殺線虫剤に用いることができる。変異原であるが、生物が捕食された際に発し、他の個体に危険が迫っていることを警告するフェロモンとしての役割も持つ。

合成[編集]

2-デセナールは、オクタナールエチルビニルエーテルの反応とそれに続く混合物の加水分解により合成できる。

出典[編集]

  1. ^ TRANS-2-DECENAL | 3913-71-1”. www.chemicalbook.com. 2020年2月18日閲覧。
  2. ^ Callaway E (September 2012). “Soapy taste of coriander linked to genetic variants”. Nature. doi:10.1038/nature.2012.11398. 
  3. ^ Cigarette Ingredients - Chemicals in Cigarettes” (2016年1月21日). 2016年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月18日閲覧。