雇用対策法

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雇用対策法
日本国政府国章(準)
日本の法令
法令番号 昭和41年7月21日法律第132号
効力 現行法
種類 法律
主な内容 雇用対策に関する国等の責務
関連法令 職業安定法職業能力開発促進法高年齢者雇用安定法障害者雇用促進法雇用保険法
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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雇用対策法(こようたいさくほう)は、1966年に制定された日本の法律。日本における労働市場に関連する法律の基本法としての位置づけを持つ。

構成[編集]

  • 第一章 総則(第1条-第10条)
  • 第二章 求職者及び求人者に対する指導等(第11条-第15条)
  • 第三章 職業訓練等の充実(第16条・第17条)
  • 第四章 職業転換給付金(第18条-第23条)
  • 第五章 事業主による再就職の援助を促進するための措置等(第24条-第27条)
  • 第六章 外国人の雇用管理の改善、再就職の促進等の措置(第28条-第30条)
  • 第七章 国と地方公共団体との連携等(第31条・第32条)
  • 第八章 雑則(第33条―第40条)
  • 附則

目的[編集]

国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、雇用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働力需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資することを目的とする(第1条1項)。

また、この法律の運用にあたっては、労働者の職業選択の自由及び事業主の雇用の管理についての自主性を尊重しなければならず、また、技能を習得し、職業を通じて自立しようとする労働者の意欲を高め、かつ、労働者の職業を安定させるための事業主の努力を助長するように努めなければならない(第1条2項)。

国と地方公共団体との連携[編集]

国及び地方公共団体は、国の行う職業指導及び職業紹介の事業等と地方公共団体の講ずる雇用に関する施策について、相互の連携協力の確保に関する協定の締結、同一の施設における一体的な実施その他の措置を講ずることにより、密接な関連の下に円滑かつ効果的に実施されるように相互に連絡し、及び協力するものとする(第31条)。平成28年の改正により、新たな雇用対策の仕組みとして、地方公共団体が国の公共職業安定所を活用する枠組みが定められた。

地方公共団体の長は、当該地方公共団体の区域内において、多数の離職者が発生し、又はそのおそれがあると認めるときその他労働者の職業の安定のため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、労働者の職業の安定に関し必要な措置の実施を要請することができる(措置要請)。厚生労働大臣は、この要請に基づき労働者の職業の安定に関し必要な措置を実施するときはその旨を、当該措置要請に係る措置を実施する必要がないと認めるときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該措置要請をした地方公共団体の長に通知しなければならない。厚生労働大臣は、措置要請に係る措置を行う必要があるか否かを判断するに当たっては、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、学識経験者その他の厚生労働省令で定める者の意見を聴かなければならない(第32条)。

事業主の責務[編集]

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められる場合(以下の場合)を除き、労働者の募集及び採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない(第10条、規則第1条の3)。

  1. 定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
  2. 法令等の規定により特定の年齢層の労働者の就業等が禁止または制限されている業務について、労働者の募集及び採用を行うとき
  3. 募集及び採用における年齢制限を必要最小限のものとする観点から見て合理的な制限であるとされる一定の場合に該当するとき
    • 長期間の継続勤務によるキャリア形成を図ることを目的として、特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結する場合に限り、かつ、当該労働者が職業に従事した経験があることを求人の条件としない場合であって新卒者と同等の処遇で募集及び採用を行うときに限る。)。
    • 当該事業主が雇用する特定の年齢の範囲に属する特定の職種の労働者(特定労働者)の数が相当程度少ないものとして厚生労働大臣が定める条件に適合する場合において、当該職種の業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の継承を図ることを目的として、特定労働者の募集及び採用を行うとき(期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合に限る。)。
    • 芸術又は芸能の分野における表現の真実性等を確保するために特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき。
    • 高年齢者の雇用の促進を目的として、特定の年齢以上の高年齢者(60歳以上の者に限る。)である労働者の募集及び採用を行うとき、又は特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用を促進するため、当該特定の年齢の範囲に属する労働者の募集及び採用を行うとき(当該特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策を活用しようとする場合に限る。)。

届出等[編集]

事業主は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について、当該労働者が行う求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うことにより、その職業の安定を図るように努めなければならない(第6条)。事業主は、外国人が我が国の雇用慣行に関する知識及び求職活動に必要な雇用に関する情報を十分に有していないこと等にかんがみ、その雇用する外国人がその有する能力を有効に発揮できるよう、職業に適応することを容易にするための措置の実施その他の雇用管理の改善に努めるとともに、その雇用する外国人が解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職する場合において、当該外国人が再就職を希望するときは、求人の開拓その他当該外国人の再就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない(第8条)。

事業主は、一の事業所において、常用労働者について1月以内の期間に30人以上の離職者を生ずることとなるものを行おうとするときは、当該離職を余儀なくされる労働者の再就職の援助のための措置に関する計画(「再就職援助計画」)を最初の離職者が生ずる日の1月前までに作成しなければならず、再就職援助計画を作成したときは、所轄公共職業安定所長に提出し、その認定を受けなければならないい(第24条1項、3項、規則第7条の2、規則第7条の3)。30人未満の場合でも、再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長に提出して、その認定を受けることができる(第25条1項)。

事業主は、その事業所における雇用量の変動(事業規模の縮小その他の理由により一定期間内に相当数の離職者が発生することをいう。)であって、厚生労働省令で定める場合に該当するもの(「大量雇用変動」)については、「大量離職届」を、最後の離職者が生ずる日の少なくとも1月前に公共職業安定所長に提出することによって、当該離職者の数その他の厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない(第27条、規則第8条、規則第9条)。

事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合はその雇用する外国人が離職した場合には、以下の事項について確認し、新たに雇い入れた場合は翌月の10日までに、離職した場合は離職日の翌日から起算して10日以内に[1]雇用保険被保険者資格取得(喪失)届に併せて公共職業安定所長に提出することで、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない(「外国人雇用状況届出書」、第28条、規則第10~12条)。法改正により、平成19年10月1日よりすべての事業主に、外国人雇用状況の届出が義務化された[2]

  1. 氏名
  2. 在留資格
  3. 在留期間
  4. 生年月日
  5. 性別
  6. 国籍
  7. 資格外活動許可を受けている者にあっては、当該許可を受けていること(新たに雇い入れる場合のみ)
  8. 住所(離職の場合のみ)
  9. 雇入れ又は離職に係る事業所の名称及び所在地
  10. 賃金その他の雇用状況に関する事項

厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によれば、平成28年10月末現在、外国人労働者を雇用する事業所数は172,798か所で、前年同期比20,537か所、13.5%の増加となり、外国人労働者数は1,083,769人で、前年同期比175,873人、19.4%の増加となり、100万人を超え大台に乗った。いずれも平成19年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新した[3]

脚注[編集]

  1. ^ 新規雇用者・離職者が雇用保険の被保険者でない場合は、提出期限は翌月末日まで。
  2. ^ なお、法28条3項には、法28条1項の厚生労働大臣への通知の義務について、「国又は地方公共団体に係る外国人の雇入れ又は離職については、第一項の規定は、適用しない。この場合において、国又は地方公共団体の任命権者は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に通知するものとする。」という国又は地方公共団体についての例外が定められているが、当該政令である雇用対策法施行令5条に記述がある様式(平成19年8月3日付厚生労働省告示277号「雇用対策法施行令第五条及び雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令附則第二条の規定に基づく厚生労働大臣が定める外国人雇用状況の通知の様式」による様式)には、外国人の氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、雇入れ年月日・離職年月日、通知年月日、雇入れ又は離職に係る事業所の名称所在地電話番号等、任命権者の官職名についての記入欄が設けられているので(なお、この様式における(外国人の)「氏名」は、出入国管理及び難民認定法の中で届出が必要となる氏名であり、住民基本台帳法施行令30条の26第1項の「通称」を含まない。)、国又は地方公共団体についても、住所と賃金その他の雇用状況に関する事項を除き、民間の事業者とほぼ同等の内容が、公共職業安定所を通じて、厚生労働大臣に通知される事になる。
  3. ^ 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成28年10月末現在)厚生労働省

外部リンク[編集]