陸屋根

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
陸屋根の構造
イスラエルアシュドトの住宅

陸屋根(ろくやね、りくやね[注釈 1])とは傾斜の無い平面状の屋根のこと[1]平屋根(ひらやね)ともいう。

「陸(ろく)」とは水平の意味であり、その逆は「不陸(ふりく、ふろく[注釈 2])」という。普通、陸屋根を有する建築物の上の平面部を屋上という。

水平な屋根を陸屋根というのに対し、傾斜を持つ屋根は勾配屋根という[2]

構造[編集]

陸屋根は一応は水平な屋根をいうが、完全な水平面になっている屋根面はあり得ない[2]。屋根勾配は屋根表面に水が残らないようにしたり、屋根面の不連続な箇所からの雨水の侵入を防ぐため必要不可欠だからである[3]

陸屋根にも雨水への対処として排水のためのごく緩い勾配(排水勾配または水勾配という)の設定や防水施工が必要である[3]。陸屋根に設置される排水口は「ルーフドレイン」という。

陸屋根特有の要素を以下に挙げる。

ペントハウス
屋上に突出した小さな部屋部分[4]で、昇降機室や収納、屋上への出入り口として用いられる。塔屋ともいう。詳細はペントハウスアパートメントを参照。
パラペット
陸屋根の周囲の立ち上がった部分[5]歩行者などの落下や、雨水が外壁に流れ落ちることを防ぐ。

利用[編集]

屋上施設を配したり、ヘリポートを設置できることからビル、マンションなどの高層建築物に多く見られる。また、主にデザインの観点から一般住宅でも採用例が増えているほか、豪雪地帯では落雪事故を防ぐため、鉄筋コンクリート構造で陸屋根を採用する住宅が増えている。

沖縄県では1年で平均7回も台風に襲われ住宅にも大きな被害が出ることから、風に強い鉄筋コンクリート構造で陸屋根の住宅が非常に多い。また川が短く雨が降ってもすぐに海に流れてしまうため、雨量が少ないと水不足になりやすく、陸屋根の上に貯水タンクを設置している場合が多い。

近年注目されている屋上緑化をはじめ、庭園菜園)として利用する場合は、土砂重量に対する構造強度への配慮と、防根対策が必要となる。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「陸屋根」は「ろくやね」であり「りくやね」は誤りとする文献もある(渡辺敬三、石川広三『屋根と壁の構法システム』建築技術、1996年、22頁)
  2. ^ 「陸屋根」は「ろくやね」と読むのに対し、「不陸」は「ふりく」であって「ふろく」と読むのは誤りとする文献もある(渡辺敬三、石川広三『屋根と壁の構法システム』建築技術、1996年、22頁)

出典[編集]

  1. ^ 陸屋根とは?陸屋根の意味を調べる|不動産用語集【HOME'S】
  2. ^ a b 渡辺敬三、石川広三『屋根と壁の構法システム』建築技術、1996年、22頁
  3. ^ a b 渡辺敬三、石川広三『屋根と壁の構法システム』建築技術、1996年、23頁
  4. ^ ペントハウス とは/建築・住宅用語集 | まるわかり注文住宅
  5. ^ パラペット

関連項目[編集]