遠洋性堆積物

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地球上での遠洋性堆積物の分布図。黄色部分は石灰質軟泥、緑色部分は珪質軟泥、茶色部分は遠洋性粘土に覆われている。

遠洋性堆積物(えんようせいたいせきぶつ、英語: pelagic sediment)は、陸から遠く離れた海洋底に堆積した、プランクトンの遺骸に由来する堆積物のことである[1]

概要[編集]

遠洋性堆積物は、鉱物質の殻を形成するプランクトンの遺骸が海洋底に堆積することででき、地球表面の約6割を覆っている[注釈 1][2]。海底堆積物は過去の地球の状態を示す情報をもっているが、深海底のものは特に保存状態と連続性が良いため、地球規模の海洋変動(海水温や海水面の変動など)、気候変動プレートの運動などの地質現象を解明するために使われる[3]

遠洋性堆積物は軟泥(英語: ooze)と遠洋性粘土(英語: pelagic clay)の2つに分けられる[4]

軟泥[編集]

軟泥は泥状で柔らかい遠洋性堆積物の中で、微小なプランクトンの遺骸が30%以上含まれるものである[4]。石灰質軟泥と珪質軟泥の2つに分けられる[4]

遠洋性粘土[編集]

遠洋性粘土は主に生物以外を由来に持つ物質からなる遠洋性堆積物である。赤色を呈しているが、鉄 (III) イオンFe3+および水酸化マンガンMn(OH)2の存在が原因である[3]。主に粘土鉱物からなっていて、それらの大半は大陸から運搬された風成塵を由来としている。生物活動が不活発な海域で炭酸塩補償深度よりも深い海底、すなわち軟泥が堆積しない海底に分布しやすい[5]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、遠洋の海洋底で粗粒の陸源性砕屑物の含有量が低いのは、河川および沿岸域に由来するの供給量が非常に少ないためである。

出典[編集]

  1. ^ 指田 2007, pp. 26-27.
  2. ^ 久田 2007, p. 26.
  3. ^ a b 中西・沖野 2016, pp. 34-37.
  4. ^ a b c 久田 2007, p. 27.
  5. ^ 久田 2007, p. 28.

参考文献[編集]

  • 久田健一郎「遠洋性堆積物」『地球進化学―地球の歴史を調べ、考え、そして将来を予測するために―』指田勝男・久田健一郎・角替敏昭・八木勇治・小室光世・興野純、古今書院、2007年、26-31頁。ISBN 978-4-7722-5204-1
  • 中西正男・沖野郷子『海洋底地球科学』東京大学出版会、2016年。ISBN 978-4-13-062723-8

関連項目[編集]