表記ゆれ

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表記ゆれ(ひょうきゆれ)とは、ある言語の文字表記において、ある単語が2通り以上の書き方をされることにより、表記にばらつきが生じることである。表記揺れとも称す。

日本語[編集]

送り仮名による表記ゆれ
引っ越し、引越し、引越などのように、送り仮名のばらつきにより表記ゆれが生じることがある。
  • 受け付け/受付
文字の種類による表記ゆれ
りんご、リンゴ、林檎などのように、文字の種類により表記ゆれが生じることがある。3種類の文字を使用する日本語特有の現象ともいえる。
  • いぬ/イヌ/犬
  • ばら/バラ/薔薇
漢字による表記ゆれ
臭い(におい)と匂い(におい)や、会うと逢うなど、漢字変換による表記ゆれが生じることがある。これらは厳密には意味が異なることが多い。また斎藤・斉藤・齋藤・齊藤など、人名においても表記ゆれが生じることがある。
外来語における表記ゆれ
コンピューターとコンピュータのように、長音符の有無により表記ゆれが生じることがある。またディーゼルが「ジーゼル」と表記されることがあるように、「ディ」や「ティ」や「トゥ」などがほかの文字で置き換えられることもある。

英語[編集]

単語の表記ゆれ
discとdisk、adviserとadvisorなどのように英語のスペリングにおいても表記ゆれがしばしば見られる。
  • barbecue/barbeque
省略による表記ゆれ
do notがdon'tと略されたり、I amがI'mと略されたりすることにより表記ゆれが生じることがある。
  • cannot/can't、it is/it's
イギリス英語アメリカ英語
centre(英)とcenter(米)、colour(英)とcolor(米)のようにイギリス英語とアメリカ英語で表記が異なることがある。realise(英)とrealize(米)や、recognise(英)とrecognize(米)のように-se(英)と-ze(米)の表記揺れはほかの単語においてもしばしば見られる。
他にもオーストラリア英語シンガポール英語などでも、同様にスペルが異なる単語がある。
外来語における表記ゆれ
国外から入ってきた単語などは、日本語における外来語と同様に、表記が一定しないことがある。
特に、ヨーロッパ圏の外から流入した単語にはその傾向が強く、例えばイスラム圏の刀剣であるズルフィカールは、Zulfiqar、Dhu al-Fiqar、Thulfeqar、Dhulfiqar、Zoulfikarなど、様々な表記が見られる。

フランス語[編集]

単語の表記ゆれ
cléとclef(鍵)、événementとévènement(出来事)などのようにフランス語のつづりにおいても表記ゆれがみられる。
文法的な表記ゆれ
queの直後にonが続くと、母音衝突を防ぐためにqu'onと表記されるが、特に口語ではque l'onと表記されることも多い。また語幹がyで終わる第1群規則動詞(payer(支払う)やessayer(試す)など)では、je paye/je paie、j'essaye/j'essaieなどの表記ゆれが生じることがある。

ドイツ語[編集]

ドイツ語にはの概念がある。そのため、性という概念が弱い言語から借用した単語は、ドイツ語に入った段階で性が与えられる。これは、どの言語から借用したかによって、ある程度の傾向があり、イタリア語から入った場合は男性を基本とする傾向があり、日本語から入った言語は中性となる傾向がある。しかし、絶対のものではなく、人によって男性だったり女性だったりと、表記のゆれが生じることがある[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ドイツ語における日本語由来の名詞の性について (PDF)”. 東京外国語大学記述言語学論集. 2018年12月31日閲覧。

外部リンク[編集]