衝撃のファースト・タイム

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Feels Like the First Time
フォリナーシングル
初出アルバム『栄光の旅立ち
B面 「ウーマン・オー・ウーマン」
リリース
録音 1976年
ジャンル ロック
ハードロック
時間
レーベル アトランティック
作詞・作曲 ミック・ジョーンズ
プロデュース ゲイリー・ライオンズ
ジョン・シンクレア
フォリナー シングル 年表
衝撃のファースト・タイム
(1977年)
つめたいお前英語版
(1977年)
ミュージックビデオ
"Feels Like the First Time" - YouTube
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衝撃のファースト・タイム」("Feels Like the First Time")は、イギリス・アメリカのロックバンドのフォリナーのデビューシングルである。ミック・ジョーンズによって書かれたこの曲は1977年にバンドのデビューアルバム『栄光の旅立ち』より発売された。Billboard Hot 100では4位だった[1]

背景[編集]

ジョーンズは後にフォリナーとなるバンドを結成する際に「衝撃のファースト・タイム」を書いた[2]。ジョーンズは「僕が1人で書き始めたんだ。いつの間にか2、3曲出来ていて、これをどうしようかと考えていた。その中の1曲が『衝撃のファースト・タイム』だったんだ」と述べている[2]

ジョーンズはさらに「『衝撃のファースト・タイム』は僕の人生のちょっとした変化があったときに書かれたんだ。僕はフランスで出会った誰かとの結婚から抜け出していた。イギリスに戻り、スプーキー・トゥースというバンドで活動し、そしてアメリカに渡った。僕にとってそれは人生の新たなスタートを切るための挑戦だった。(中略)僕にとって、それは新たなスタートを意味していたんだ。誰かと出会った、再婚して、一緒にアメリカに移住した。そんな経験を描いた曲なんだ」と語った[3]

評価[編集]

オールミュージック』の評論家のデニス・サリヴァンは「70年代のコーポレート・ロックのヒット曲の中でも典型的で汎用的で、評論家に嫌われていた」にもかかわらず、「爆発的な人気」があったと説明している[4]。サリヴァンはその人気の理由の1つとして、「ハードヒット」するスネアドラム、「レイヤー化された楽器、拳を突き上げるようなギターリフ」など、ヘヴィメタルMOR英語版ロックの橋渡をしていることを挙げている[4]。彼女はリードシンガーのグラムを「青写真のようなメタル・スクリーマーのヴォーカル・パフォーマンス」と評している[4]

ビルボード』誌はこの曲を「ダイレクトでハッピーな愛の歌詞」を持った「センスフルなハイエナジーロック」と評した[5]。『ビルボード』はギターの「ブーミング」とグラムのリードヴォーカルが「激しくはあるがコントロールされている」と評した[5]。『アルティメット・クラシック・ロック』の評論家のマット・ワードロウは「衝撃のファースト・タイム」をフォリナーで7番目に素晴らしい曲と格付け、「結婚し、アメリカに渡り、大成功を収めることになるロックンロール・バンドを始めた」ジョーンズの新たな始まりが表現されていると評した[6]。『クラシック・ロック・ヒストリー』の評論家のジャニー・ロバーツは「衝撃のファースト・タイム」をフォリナーで史上最高の曲と位置づけた[7]

ポップカルチャーでの使用[編集]

2010年、リズムゲーム『Guitar Hero: Warriors of Rock』の収録のために「衝撃のファースト・タイム」は再録音された[8]

この曲は2012年の映画『マジック・マイク』の最後や『ピッチ・パーフェクト』のトレブルメーカーズのリフ・メドレーの場面で使用された。他にも2013年の『俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク』や2017年『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でも使用され[9]、さらに2021年の『エターナルズ』のエンドクレジットでも流された[10]。2020年のNetflix映画『スペンサー・コンフィデンシャル』では大幅に編集されたバージョンが使用された[11]

チャート成績[編集]

週間チャート[編集]

チャート (1977) 最高
順位
オーストラリア (KMR)[12] 41
カナダ RPM トップ・シングル 7
イギリス[13] 39
アメリカ合衆国 Billboard Hot 100[1][14] 4
アメリカ合衆国 Cash Box トップ100 5

年間チャート[編集]

チャート (1977) 順位
カナダ[15] 79
アメリカ合衆国 Billboard Hot 100[16] 31
アメリカ合衆国 Cash Box[17] 34

パーソネル[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b Foreigner Hot 100”. Billboard. 2020年6月8日閲覧。
  2. ^ a b Giles, Jeff (2017年3月8日). “Revisiting Foreigner's Debut Album”. Ultimate Classic Rock. 2020年6月11日閲覧。
  3. ^ Wiser, Carl (2009年10月23日). “Mick Jones of Foreigner : Songwriter Interviews”. Songfacts. 2021年2月26日閲覧。
  4. ^ a b c Sullivan, Denise. “Feels Like the First Time”. Allmusic. 2020年6月11日閲覧。
  5. ^ a b “Top Single Picks”. Billboard Magazine: p. 68. (1977年3月19日). https://worldradiohistory.com/Archive-Billboard/70s/1977/Billboard%201977-03-19.pdf 2020年6月11日閲覧。 
  6. ^ Wardlaw, Matt (2015年5月2日). “Top 10 Foreigner Songs”. Ultimate Classic Rock. 2020年6月11日閲覧。
  7. ^ Roberts, Janey. “Top 10 Foreigner Songs”. Classic Rock History. 2020年6月10日閲覧。
  8. ^ McElroy, Griffin (2010年8月17日). “Full Guitar Hero: Warriors of Rock track list revealed”. Joystiq. 2013年8月24日閲覧。
  9. ^ Songs and music featured in I, Tonya Soundtrack”. tunefind.com. 2020年6月7日閲覧。
  10. ^ Eternals Soundtrack List: Every Song From the Movie”. denofgeek.com. 2021年11月6日閲覧。
  11. ^ Spenser Confidential Soundtrack Music - Complete Song List”. tunefind.com. 2020年6月22日閲覧。
  12. ^ David Kent's "Australian Chart Book 1970-1992" Archived March 5, 2016, at the Wayback Machine.
  13. ^ Foreigner singles”. The Official Chart Company. 2020年6月8日閲覧。
  14. ^ Joel Whitburn's Top Pop Singles 1955-1990 - ISBN 0-89820-089-X
  15. ^ Bac-lac.gc.ca
  16. ^ Musicoutfitters.com
  17. ^ Top 100 Year End Charts: 1977”. Cashbox Magazine. 2015年7月16日閲覧。